村上隆展トークセッション「日本、物語、リアリズム」ゲスト富野由悠季 メモ

行ってきましたので、取り急ぎG-レコ劇場版についての部分をメモ。他の部分も面白いのでいずれ。

富野 (五百羅漢図の)現物見せてもらって、こちらも現場の人間ですから。まだこれじゃダメだよね、もう少し手を加えられるところあるじゃないか、そういう意味での手抜きってのもかなりあるし。技術論的にも「うわー、しょうがないからこうなっちゃってるな」っていうのも見えるんで。もうちょっと手を入れてもらって完成したものに追い込んで欲しいというのが本当とこですが、そういうのは考えてないわけ?
村上 (笑)。そんな事言ったらGのレコンギスタもそうじゃないですか(会場爆笑)? 言わせていただきますけど。
富野 だから、Gのレコンギスタは当然そういう意識がありますので、これは本当はこういう場所では言ってはいけない事なんですけども、深夜に子供向けのテレビ番組をオンエアして馬鹿野郎じゃねぇか。ホントに怒り狂ってます。実際にそういう状況で作らされてるテレビは作品のレベルじゃない。作り直すんじゃなくこれをベースに綺麗にする、昔風の言い方をすればフィルムにする。
(中略)
富野 G-レコに関して映画版として、言ってしまえば綺麗にしておきたいという部分があります。理由としてどういう事かと言うと、今の録画事情を考えると深夜に録画したものを日中に子供に見せるという方法もあるじゃないのかという事はあるんですが、やっぱりそうではなく、もうちょっと一般的に見せられる形態にしておいた方が良いだろうなという作業と同時に、テレビ版でやったものが言ってしまえば試し撮りみたいなもので。作品化するためにはもうひとつ手を加えなくちゃいけない。そういうレベルに入ってるんでその作業を現在進めてます。皆さん方に見てくださいなんて言ってません。12歳までの人に見せたい(会場笑)! という風に思ってます。
(中略)
村上 終盤結構メカ戦が多い状態で、最後ハッピーエンドなんだか良く分からない状態。
富野 恨む様にハッピーエンドにしている。
村上 あれは僕的に見ると、普通のお客さん的に見ると「なんじゃこりゃ」なんだけど、作家側から見るともしかしたらすごい遠くに石を投げようとして、投げてる最中なんだなと。映画を作ると言われてるのは、着地点を(制作を)やってないからお前ら分からないだろうから、劇場版見てくれれば石を投げどころ分かるから見てね、っていう事かなと思ったりしたんですよね。
富野 ……全くそうです。G-レコの場合にそういう風に言えるのは、どういう風にメカ戦を入れようが、オンエアする2年前にシナリオが決まってたんです。
(中略)
村上 今はG-レコの劇場版というのを、新しいプロジェクトといかやってらっしゃる?
富野 ……結果は勝ち取るしかないからやるしかない。実際に今、1本目、2本目を始めてて。2本目から3本目、とんでもない事が起こってて。根本的にこれはできないかもしれないって様なバリアが見つかるわけ。ほんとこれどうしようかと思って。こうなったら死んだ方が楽だなと思って、っていう風なくらいに今、ちょっと辛い、じいちゃん(会場笑)。
村上 大変ただのファンになって聞いてますけどね(笑)。なるほどね。でもある種、壁というか問題がでてきた。それを乗り越えていく時に新しい発見に出会える可能性が高いという事ですよね?
富野 ……今回はそれがちょっと見つかりそうにないんで(苦笑)。ややヤバいなと。だからこそこういう風にお会いして新しい血をいただけたらなと思って今日ここにお邪魔させていただいている訳で。

G-レコ劇場版は少なくとも3部以上の構成であると。作業はおそらくまだコンテの事でしょう。
当日は痛み止めを飲みつつという事でした。坐骨神経痛を治してからでどうぞ。それで公開が遅れても当たり前だよなぁ?

第28回東京国際映画祭 機動戦士ガンダムUC ep7MX4D上映トークショー

第28回東京国際映画祭 機動戦士ガンダムUC ep7MX4D上映トークショー
ガンダム初のMX4Dという事で行ってきましたら、思いがけず富野由悠季監督トークが出てきたのでご紹介。

小形 富野さんは自分でタバコ吸うくせに、自分の作品には出さないですね。
福井 でもあったから俺出したんだよ。Zガンダムの時。
小形 ありましたね。僕、富野さんが某作品で、全然違う作品のプロデューサー(ブレンパワード当事のビバップの南P?)を喫煙シーンをアニメにしてるという事で、すごい路上で叱りつけているのを十何年前に見ました。
福井 (笑)三十年前に自分がやってるのに(笑)。
小形 そん時のあれがあるんですよね。
(中略)
小形 こないだ実はUCの7を富野さんが「見せろ」と。
福井 見せろ。遂に。前にラッシュ(チェック)やってる時に見られてしまったみたいな。
小形 一部は見たんですよ。1(話)は見て「ガンダムが出てくるのが遅い」と(会場笑)。
福井 あぁ……言われましたね。
小形 1話見てたんです。その後は見てなくて。この間、ウチのスタジオはちょっと前まで宇宙世紀の未来の話をやってたんで。
福井 普通に言えよ。
小形 そこの制作、僕ら集められて怒りたかったらしいんですよ。
福井 (笑)。今日は怒りたい日だったんだ。
小形 その時に「お前らがやった長編の作品を見せろ」って言われて。
福井 あぁー。
小形 「最近だとUCの7とかが90分ありますよ」「じゃあそれ見せろ」で見せたんです。そしたらトコトコトコ、と次の日やってきて「んー、僕の知ってる事が3つくらいあるね」ってそのまま去っていきました(会場笑)。
福井 え?
小形 たぶんミネバとかそういった事が、たぶん覚えてた。
福井 あぁ、なるほど。
小形 それがあるね、ってそのまま去っていったんですけど、その後、全然関係なく我々ガッツリ怒られました(会場笑)。
福井 結局怒られるんだ(笑)。
小形 怒られるのは一緒なんですけど。
福井 どうだったんでしょうね。
小形 どうだったんでしょうね。なんか「すごい良くはできている」って言ってましたけど。でも「ラブライブ!(おそらく劇場版)」の事はめっちゃ褒めてましたよ(会場笑)。最近孫娘が。
福井 いるせいなのかねぇ。
小形 「穂乃果ちゃんがすごい頑張っているのが感動的だ」って言ってましたね(会場笑)。
福井 俺もさ、(富野監督が)「『ラブライブ!』が」って言うからさ。正直ほんと顔に出して「えぇー」って言ったら「いや、好き嫌いの話は別よ!」ってすごい勢いで。
小形 (笑)強要はしないんですね。
福井 うん。でもなんか「アニメのエンターテインメントとしてやれる事は全部やっていると思う」って。

富野監督が何故長編作品を要求したかと言うと、おそらくG-レコ総集編作業の参考用と思われます(なのでラブライブ!もおそらくTVシリーズでなく劇場版)。
当日は撮影用ビデオカメラが入っていたので、いずれ公開されるかと思います。
また、冒頭の喫煙シーン話に前後して、ローナン・マーセナスの心臓病持ち設定にも触れていました。
小形Pは作品名を出してこそいませんでしたが、サンダーボルトは1スタ制作で自身が担当されているとの事。

Gのレコンギスタ後の富野由悠季監督次回作について

Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック」に収録の宇野常寛氏との対談で語られた、富野監督次回作の情報についてまとめました。ムックに収録された内容と、宇野氏が自身のラジオ番組で未収録な部分について語った内容です。

オフィシャルガイドブック収録分

富野 ロボットものをもうちょっとファンタジーにしてみようという作品をサンライズでやらせてもらえそうなんです。であれば、ハリウッドで作るというような馬鹿な話はやめて東京で作るべきものは考えています。今回の『G-レコ』でもうひとつ確認できたのは、手描きのアニメは間違いなく残るだろうってこと。変なもので、ハリウッドが3Dをやればやるほど、手描きのアニメが逆にレアになる。このレアさ加減を、今の10歳以下の世代にわからせる作品があるべきなんじゃないのかと考えています。それを『G-レコ』を作った中堅のアニメーターたちが働けるうちに手描きでやる。そういう目標が出てきたので、もう2、3年はがんばらせてもらいたいと勝手に思ってるのね。
(中略)
ただ、種まきをするだけでは済ませたくはなくて、俗にいう作品賞を取れるようなものにはしたいよね。

THE HANGOUT 延長戦6/29での宇野氏の発言

宇野 G-レコで富野監督と4時間半対談したんですよね。まだ全然原稿とか上がってきていないんで。どっかで記事になると思うんで。訳分かんない事の意味とかについて色々聞いたりしてますよ。
結構オフレコな話とかもいっぱいあったんで。富野監督次回作ね。こんな事やりたい構想とかね。たぶん載っけられないと思うんですよね。もう一本やるならこれをね、こんなフォーマットでやりたいって発言。僕すごく嬉しかったんですけど。いいなぁ、あれはやっぱり。何となく察してください、みたいなね。実現したら良いなと思うんですけど、ほんとでも構想レベルだから具体的な話には何にもなっていないと思うんですけどね。引退じゃなかったですね。もう一回やりたいって言ってましたよ。

THE HANGOUT 延長戦 9/22での宇野氏の発言

宇野 収録されないけど次の新作の話ですね。僕は非常に楽しみにしてますね。(番組で)鼻歌とかで仄めかそうと思ったんだよね。

前々回の記事で、宇野氏の6/29のラジオ発言から、既存活字作品の映像化、もっと言うと宇野氏の反応から「閃光のハサウェイ」の映像化では? と、推測というか妄想を書きました。
そしてムックには、発売前情報に反して、上記のロボもの次回作の話が収録されていました。
では、宇野氏の語った次回作の話とイコールなのかと言えば、私は違うと考えています。もしかしたら同じ作品かもしれませんが、カットされた話の箇所が違うのではないでしょうか。と言うのも、宇野氏の話と一致しないんですよね、ムックの内容は。宇野氏がああまで反応するのか、フォーマットの話がない、鼻歌で仄めかせる内容(具体的なタイトル)でない、など。また、ムックでは話の前半部分に次回作の話がありますが、カットされた話の大半はG-レコの話が終わった後の、富野監督が最近読んだ本などの雑談1時間分だったそうです。確かに、対談の終わりはそういう流れになっています。カットされた次回作のもっと具体的な内容も、そこで語られていたのではないでしょうか。
ちなみに「ファンタジー」は、ムック対談の文脈上、嘘八百的なニュアンスであって、いわゆるバイストンウェルもの的な意味合いではないと思われますので、そこを勘違いしない様に。

オオカゼノオコルサマ・LegacyEffects提携作品

ではこちらがシフトしたのか、と言うと、前述の次回作はサンライズの企画なので、これとは別なのではないでしょうか。
オオカゼノオコルサマとLEの間に立っていた実制作会社が降りた、とかで、だから企画自体はまだ残ってると思われます。

サンライズフェスティバル2015白南風 Gのレコンギスタ オールナイトトークショーメモ

すいません途中までです。総集編作業と思われるラッシュ発言まで。

トークショー

谷口 ひとりずつご挨拶をいただいていこうと思います。それではまず石井マークさん。
石井 主人公ベルリ・ゼナムを演じています、石井マークです。今日は宜しくお願いいたします(拍手)。この会場がとてもすごいので、たぶんお家とかでG-レコを観てる方は家とはまた違った感覚で観れると思うので、お楽しみに。宜しくお願いいたします(拍手)!
谷口 続きまして、吉田健一さん、宜しくお願いいたします。
吉田 こんばんは。大画面で観られるのはちょっと厳しいんですけど(場内笑)。楽しんでいただければと思います。今日はどうもありがとうございます(拍手)。
谷口 形部さん。
形部 メカデザインの形部一平です。宜しくお願いいたします(拍手)。
谷口 それだけでいいんですか?
形部 はい。
谷口 はい、了解しました。そして菅野祐悟さん。
菅野 音楽の菅野祐悟です。宜しくお願いします(拍手)。ここに立つ事になったの、一時間前くらいに決まりました(場内笑)。突然なぜか今僕ここにいるんですけど、皆さんにお会いできて運が良いです。宜しくお願いします。
谷口 菅野さんをお連れした張本人ですね。
小形 はい、一時間前にたまたま菅野さんにお会いしてお連れしました。サンライズの小形です。宜しくお願いします(拍手)。今日は大入りですね。あそこの席とか図書室みたいですごい(ボックスシート)。
石井 ウェーイ。
小形 勝ち組ですよ。
谷口 勝ち組って言っちゃダメですよ。
小形 ダメですか。朝までゆっくりとお楽しみください。
谷口 じゃあ富野さん。お願いします。
富野 富野です。ほんとに今日は皆さんこういう風に来ていただいてありがとうございます。実は今、はじめてこの瞬間に、これだけの皆さんがいらしていただけるのが分かりましたので、自信を持ちました。ので、申し訳ございませんが、皆さん方のお力を借りたいと思います。ご存知の通り、今日現在、東日本一帯の豪雨で、ああいう水害に遭い、家が流され、未だに親族を探してらっしゃる方がいらっしゃる。それから、水もまだひいてません。それで皆さん方の力をお借りしたいのです、15秒間。彼の地に皆さん方の若々しい力を投げ与えたいと思いますので、15秒間黙祷を捧げたいと思いますので、皆さん方ご起立をお願いいたします(観客起立)。明日降るかもしれない雨が、本当になるべく早く上がる様に、そして被災に遭った皆さん方が立ち上がる様に、皆さん方の力を東日本一帯に投げ与えたいと思いますので、15秒間の黙祷をお願いいたします。黙祷。

(15秒間黙祷)

谷口 はい、ありがとうございます。
富野 ありがとうございます(場内拍手)! 皆さん方はこの様にいらしていただけるという事で言えば、やっぱり今力がある訳だし、余力がある訳です。本当にこういうものが、日本中に広がれば良いと思っています。そして、そして、いきなりG-レコに繋げます。この様な気分を作品に投げ与えたいと思って作りましたけれども、皆さんがご存知の通りの結果になっております。その意味ではちょっと、ちょっと悔しいかな(場内笑)。ご着席ください。今日の事で言うと、びっくりしている事があります。菅野さんは何で来たのいったい(場内笑)?
菅野 すいません、お邪魔させていただいて。実はですね、今日、皆さん多分ご存知だと思うんですが、澤野弘之さんという作曲家の方のライブがZepp東京でありまして。小形さんにお誘いいただいて一緒に見ておりまして。
小形 この業界で、二大若手音楽家と言われている二人が、僕一緒にたまたま連続してご一緒させていただいたので、菅野さんに会って、「実は富野さんとこういうのあるんですけど」って言ったら、ついでに来ていただきました。本当はこういうところ……ですよね、監督。菅野さんに来ていただく場としては。
富野 違う違う違う違う。来ていただくんだったら、そりゃ菅野さんの都合があるだろう! これだけ皆さん方の前でね、菅野さんもこの格好で来るつもりなかったんだからね。これっきりだったんだね。
小形 これはでも、なかなかレアですね。
富野 無礼だろ!
菅野 メイクしてカッコいいスーツ着てここに立ってますね、絶対に。
富野 こうやってお尻が二つに分かれてるから(燕尾服のジェスチャーしつつ)。
谷口 話長くなるんで。お掛けください。もう、初っ端から飛ばしすぎですよ。まだ時間あるんですからね。
富野 全然時間ない。
谷口 あぁ、そうですか。じゃあトークショーっぽい聞きまわししていいですか。
富野 だったら、任せる(後ろに下がりつつ)。
石井 下がらないでくださいよ。
谷口 それではですね、あらためまして、G-レコの本放送を終えられて。あらためてG-レコというものに対しての皆さんの、こんだけ、菅野さんもいらっしゃるという事でこれだけ各セクションの方が集まられたので、一言ずつね、振り返って感想いただきたいと思うんですけど。石井さんどうでした?
石井 そうですね、あらためてG-レコという作品を振り返ると、やっぱり、本当にちょっとした日常がたくさん出てくるので、観てて生活観溢れる描写とかに癒される部分とかもあって。すごく観やすかったなと思いますね。
谷口 その生活感を描いていただいたのが、隣に座られている吉田さん。
富野 だけど吉田さんは「大画面で観られるのイヤだよなぁ」って(場内笑)。
谷口 でも吉田さん、こないだの夜のG-レコ研究会、惜しくも来れなかったという事なので、そこを吉田さんから語りたい事いっぱいあると思うんで。
吉田 いやいや、色々語っちゃったんですよね、今まで(なんば紅鶴イベントなど)。
谷口 えっ? でも今石井さんが仰られた様に、色々G-レコって生活面においても、富野さんが作った様式って言うんですかね、風俗的な感じ? 生活含めて、それを吉田さんたち演出されていったと。
吉田 はい。もっとちゃんとやりたかったなぁって思いますけどね。
谷口 細かい動きとか芝居とか?
吉田 うん、そうですね。もうちょっと目が届けばなと悔しい感じ。
小形 すいません、ごめんなさい。
吉田 あ、いやいや(場内笑)。
石井 え、どういう事?
吉田 違う違う。単純に作業量がデザイン含めて多かったんで。今回は追いつかなかった、自分の能力が。
富野 だからトミノがみんないけないの(場内笑)。あれだけキャラクター出されたら、作画チェックなんかやってる暇ねぇじゃねぇか!
石井 多かったですもんね、確かに。
谷口 吉田さん、ちなみに何体くらい描かれたんですか? キャラ的に言うと。
吉田 分かんないです(場内笑)。はい。
谷口 でもこないだムック(キャラクターデザインワークス)、出されてましたよね。
吉田 あ、出た。でもあれだと収まってないよ。
谷口 ええ、あれよりももっといっぱいあるって事ですよね。
吉田 ある。トワサンガのテレビクルーとか。
石井 へぇー。
谷口 「トワサンガのテレビクルー」ってパッと思い出せません。
吉田 オリジナル作品ってのもあるんですけど、あれはちょっと他人任せにしづらかった。いじんなって言うか(笑)。「こんなんモブキャラにいます」とか設定制作が言いに来たら「やる」
って言って。
谷口 半ば意地になられた。
吉田 意地になった。
谷口 でも監督からのオーダーも結構あったんですけど。
吉田 もちろんそうですけど、今回メインでないけど結構目立つキャラクターの数がかなり多かったんで、手の抜けないキャラ、パッと出せないキャラが多かった。
富野 いや、だからそんな風にするつもり全然なかったのよね。なんかみんなが出てきちゃって。
吉田 ある程度は想像はできてたんですけど、監督の作り方の場合は、出るだろうって想像は出来てたんですけど。自分の想定の。
富野 すごいね(場内笑)。
谷口 お二人で以前組んでやられてたキングゲイナーの3倍か4倍くらいの物量ですもんね。
吉田 キングゲイナーは結構ちゃんとポンと3、40人作ったら、割とそれを使いまわしていったんですよ。最初にキングゲイナーは作画に入る前に40人ぐらいは終わったんですよね。
富野 そうなの(場内笑)?
吉田 だから、結構作画の方に手を入れていたんですけど。で、G-レコは追いつけなかった(笑)。
谷口 半端なかったんですもんね。あとはロードムービーという事もありましたよね。
吉田 あと監督とのデザインを最初からやるというのが初めてだったんで。
谷口 前は確か西村キヌさんと中村さんに。
吉田 そうそう。原案の方がいたんで。
富野 キングゲイナー知らない人がいるから。
谷口 いや、ここに来られる方、キングゲイナー知らない方いませんよ。
富野 そんな事ない(場内笑)。
谷口 10周年です、見てください(ダイレクトマーケティング)。
石井 さりげなくボソッと。
谷口 僕やってたんで。
吉田 そうなんだよね。
谷口 ありがとうございます。ちなみにキャラクターも多かったんですけど、メカも半端ない数がありましたね。
吉田 多かった。
谷口 今げんなりした顔してますけど、形部さん。どうでした、メカいっぱい描かれてて。
形部 いや、僕はこの作品4年やらしていただきましたけども、ここに入る前はメカデザイナーではなくて。今はイラストレーターというよりもメカデザイナーと言われる事が増えるくらいになったのも、妙な座りの悪い感じがするぐらいの。なのでとにかく一生懸命やってたっていうだけです(笑)。
谷口 でもだいぶ鍛えられましたよね。
形部 いや本当です。本当にもう、いつも言ってるんですけども。四年間学校に行ってた様な感じで。その都度その都度皆さん教えてくれるっていうか。
谷口 なんかスパルタアニメ塾みたいな感じになってましたよね(場内笑)。
吉田 言いたい放題言うんだよね。
谷口 (アニメ制作)初めてではないんですよね。
吉田 二作目?
形部 二作目ですね。
谷口 吉田さんが「この線が引っかかる」とか仰られていましたよね。
吉田 言います言います。
形部 吉田さんとコヤマさんにはアニメ的なデザインの仕方、打ち合わせの度に教えてもらってましたね。
谷口 富野さんとのやりとりはどんな感じだったんですか?
形部 富野さんとのやりとり、僕はほんとにとにかく企画が中盤くらいになるまで僕のロボットが出るのかな、ってくらいの気持ちでやってたので。なのでとにかく数ばっかり出してたんですけど僕は。で、ある日富野さんが打ち合わせでいらっしゃった時に「これ全部使う」言われて。
吉田 出すからですよ(場内笑)。
形部 申し訳ない。
谷口 覚えてます? 富野さん。
富野 それは覚えてますし、形部君とは僕基本的に打ち合わせやってないんですよね。こういう言い方が許されるかどうか分かんないんだけども、勝手に出てくるのね(場内笑)。こんなに出てきてどうしようかな、困ったなと思って。だけどもそれの時にひとつだけ年寄りが気をつけた事があるのは、キャリアのある人が、キャリアの判断でやるときっと古いものになってしまうだろうから、青少年のこういう風に書いてくるんだったら、使って見せなくちゃいけないんだろうと思って、「全部使う」って言った訳です。そしたらほんと酷い目に遭って(場内笑)。こんな事言うんじゃなかったっていう反省がものすごくあったんで。後ろの5、6本のコンテのチェックをするのが、ほんとに実を言うとイヤでした。嫌いなメカばっかり出てくるから(場内笑)。
谷口 ちなみに何が嫌いでした?
富野 ジロッド(場内笑)。
谷口 かわいそうに。
石井 ジロッドだったんだ。
谷口 形部さん泣きますよ。でもね、形部さんはクビにならない様にって。
形部 僕としては逃げ切ったって感じ(場内笑)。もう嬉しいです。形になった時の気分って言ったら本当に。1話を家族で観たんですけど、ほんと感動しました。富野さんの作品で僕のメカが出てくる。
富野 いや、ウンと言いながらあれ1話には出てこなかった……。
谷口 出てますよ。グリモアとか出てるでしょ。
富野 グリモア、あ、そうか。
形部 カットシー
谷口 冒頭から。
形部 カットシー頭に出てるじゃないですか。
吉田 俺描いた(場内笑)。
谷口 じゃあ誰がラライヤを助けたんですか。
富野 すいません、今思い出した事で、昨日も1話の実を言うと、ラッシュ見てて。すっかり忘れてた(笑)。
小形 24時間前に見てたじゃないですか。
谷口 小形さん。
小形 すいません。
谷口 気抜いちゃダメですよ。後は菅野さんに伺っていきたいんですけども。今も劇伴の曲が流れてますけども。
菅野 はい。これはG-レコ反省会ですかね(場内笑)? このネガティブ空間。
谷口 いや、感想を伺ってるだけですから。なんとなく反省会っぽくなってるだけです。
石井 皆さんの感想がなぜか反省会っぽくなっている。
谷口 そうですね。石井さんにはあとでもう一回反省してもらいます。
石井 えっ? マジですか。
谷口 菅野さん。
菅野 いや、僕は本当に嬉しいです。後悔はありません。
谷口 前向きですね。
富野 だけどさ、菅野さんがそう言って信じられる?
谷口 同じ壇上に菅野さんがいる事が信じられません。
富野 ねぇ、あんな巨匠がさ、あんな事言うなんて絶対嘘だろ。
谷口 こういういじり方をしすぎた感じですかね。
菅野 喜ぶんで大丈夫です。
谷口 劇中曲ってのは、一番最初に打ち合わせをして菅野さんが作られているんですよね。その後追加で楽曲発注ってのはあったんですか?
菅野 はい、追加で。
小形 後半は追加でしたよね。
菅野 全部で三回?
小形 そうですね、三回ぐらい。
菅野 僕も物量で言ったら結構頑張りまして。100曲以上書きましたね。サントラ辞書みたいに厚くなって。
小形 形部さんがジャケット描いて。
菅野 ありがとうございます。
小形 あれほんとは吉田さんが描く予定だったんですよね(場内笑)。「これ描けない、ごめん、形部さんに頼んで」って。形部さんに一週間であれ実は描いてもらったんですよ。素晴らしい。
吉田 そんな事ばっかり(笑)。
富野 だけどそれは今の話は音楽の話じゃないじゃない。
小形 でも監督さっきから巨匠巨匠言われてますけど、その巨匠にトイレの曲(ハイフン・スタッカート)書かせたのも監督ですよ。
谷口 しかも一回しか使わなかったですよ。
小形 そうです。
富野 そうなんだけども、実を言うと、ここに来る1時間前に、あの曲をちょっと必要があって、3回くらい聴いてきたんです。今みたいな言い方、ものすごくムカッとくるの。
小形 すいません、申し訳ない。
富野 歌詞カードをとにかく読んでください、もう一度。ほんと好き! あれを私は、我ながらじゃなくて、井荻麟として名曲だと思ってます。これ以後流行る!
小形 なるほど。
富野 っていうくらい巧妙な作りになってて、ほんとに好きですね。
小形 あの3話のラストでかかったトイレの曲です。
菅野 はいはいはい。いやー、歌詞見た時びっくりしましたけどね。
小形 まさかこんなのを書く事になるとは。
菅野 いやいや。嬉しいですよ、もちろん。監督の詞ってのは「Gの閃光」も書かせていただいて、もうメロディーが詞で決まっちゃってるんですよ。なので、作曲は僕はもう、してない様なもので。監督の詞を見て、僕が鼻歌を歌うと、もうそれがそのままGの閃光であったり、トイレの曲だったりするので。多分木の中に彫刻があって削りとってるだけだってよく言うじゃないですか。そんな気持ちですよ。だから埃をパタパタはたいたらGの閃光のメロディーが出てくるみたいなくらい、詞に力が本当にあって。
小形 巨匠に言われてますよ、監督。
菅野 僕結構若いつもりでいるんですよ(場内笑)。

関係者tw


劇場のサイン

G-レコの放送後の展開、そして富野次回作について

とりあえず現在の情報。制作面と内容面について時系列順で紹介。

ガンダム Gのレコンギスタ ガンプラコンテスト開催記念「富野由悠季監督ガンプラを語る!」〈前編〉

http://bandai-hobby.net/g-reco/interview03.html

富野 僕が今思っているのは、もし次をやらせてもらえるんだったら、マックナイフやエルフ系をもうちょっとモビルスーツに近いイメージで動かすことを宿題にします。

Gのレコンラジオ最終回

富野 (劇場版X部作について)ご指摘ある様な方法は過去の方法なので、別の方法は考えたいと思っていますので、今、鋭意検討中という言い方はまだできないんだけども、全く可能性がない訳でもないので、本当これはこの年齢だから言える事で年齢と競争してともかくもうちょっとやらせていただければと思います。が、これは皆が一生懸命褒めてくれないと制作費が出ませんので(笑)、いっぱい褒めてください。
石井 僕たちも続けていきたいので。
富野 あ、ベルリは出ないかもしれない。
石井 えー!
谷口 旅立ちましたからね。
(中略)
富野 (ノレドが最後に一緒に行けなかったのは)知らないよ。
寿 ベルリが帰ってくる時には、石井君はノレド待ってるんじゃないかって思ってるんだよね。私はノレド待ってないと思うんですよ。女性ってそんな感じなのかなって。
富野 はい。
石井 結局ベルリはひとりっきりか。
谷口 いや、分かんないですよ。僕が富野さんと話した時は、ノレドの性格考えたら追っかけてくるんじゃねぇのかなって。
(中略)
富野 だからその後は、きっとクレッセント・シップが宇宙に出て行った時に、自分はキャピタル・テリトリィに戻って一度降りて、それこそ自己学習の時間を手に入れるのかもしれないし、別の所に行くのかもしれない。何となく思ってるのは、きっとアイーダのいるアメリアまで行って勉強するのかな。

公開は次の最終回イベントより後なのですが、収録順という事で。

最終回イベント

富野 まだもう少し、やって良いという話があれば、やりたいと思います。
小形 またこの様な機会に皆さんとお会いできればと思いますので、これからもG-レコの方、応援宜しくお願いいたします。

公の場では初めて次の展開について言及(厳密にはホビーサイトの方が先ではありますが……)。観客も大盛り上がり。

エンタミクス2015年5月号

富野 実を言うと「まずは総集編映画で」というオファーは来ています。ただ、2クールにおさまらずに苦心したG-レコの情報量を2時間の映画にするとなっても、物語を縮めようがなく、その方法論も見つかっていません。パート4、5と何本も作っても意味が無いかもしれないし……。
――(中略)描かれていない部分を膨らませるのは?
富野 できなくはないですが、その切り口では既存のガンダムビジネスをなぞる形になってしまう。(中略)今作では外観のみを紹介した形ですから、今後は屋内の各部屋にまつわる物語を丁寧に描いていけると思っています。(中略)その先の方向性も新しい手法で見せたいという気持ちも強いんですよね。

2時間*数本の総集編と、その後の新作?のオファーがあった模様。
また、かつてG-レコを「ガンダムのようでガンダムでないもの」と企画中に表した様に、総集編の様でただの総集編でないものを求めている。

ガンダムA2015年6月号

――では次は?
富野 ノレドとの再会を描く話でもいいだろうし、そこに敵としてバララを置くとかね。24話でバララを生き延びさせてるのは、そういう思いがなきにしもあらずだったので。あとカシーバ・ミコシという奇妙な形の輸送船を登場させてないけど、内部構造を一切見せてないので、それを見せる様な物語を考えれれば、TVシリーズでよく分からないと言われた事の突破口になりそうな気はします。まぁ、これらは構想でもなんでもなくホラ話として聞いてください(笑)。でも、こうしたホラ話から何かが生まれることもありますよ。

グレートメカニックG 2015SUMMER

富野 2回戦という機運は部分的にサンライズの中にもあって、もし実現できればもう少し広く見てもらえるように創り直したいと考えています。ただ、1つ大問題があって、今までのような総集編はありえない。10年〜15年前の総集編映画が成立する時代でもありませんし、構造的にも不可能でしょう。映画での公開は理想ですが、配信論や分割上映ということも意識しています。(手を入れるとすれば)アイーダとベルリの問題が浮上してきます。(中略)たとえば映画版にした時、TV版のクレジット部分をエンディングロールまで落とすと、ベルリが歩いている可能性は十分あり得ます。(中略)ノレドが追いついてくるんですよ。きっと新潟港で待っているんです(笑)。(中略)ラライヤがいてもいいでしょうし、アイーダも(日本海を渡る)プレジャーボートの船長として登場するのもいいでしょうね。

部分的に、というのは、G-レコスタッフだった小形P以下メンバーだろうし(あと河Pか)、ある意味状況的にはNTAの「Gレコ」時代と似たようなものなのではないだろうか。適切でないかもしれませんが、ロックマンDASH3的なポジションというか。
また、このインタビュー時点では、新たな総集編的手法をまだ見出せておらず、既存の総集編のパッケージをどう現代に合わせて流通させるか……という部分に留まっている様に感じる。もちろん、まだ言えないだけかもしれない。
内容面の案についてはノレドが追っかけてくる、という部分は変わらず。

ガンダムA15年8月号 小形Pインタビュー後篇

小形 現時点ではいい突破口は見つかっていません。
富野 6月になったら考える。

AERA15年7月27日号

富野 テレビでオンエアされたG-レコは、映画で言えば未完成の零号ラッシュのようなもの。これからが本当の作品づくりだ、と感じています。発売されているBli-ray、DVDは放映されたものよりずっと楽しくなっているし。現在、さらに作品を再編集する作業に取り組んでいるところです。

現状をまとめると、

  • 事実上の総集編映画として構想中。ただし普通には尺におさまらないので新手法が必要。
  • サンライズのゴーサインが完全に出ている訳ではないが、小形Pからのオファーは出ている。そして作業に入っている。
  • 小形Pからは総集編映画の次のG-レコの展開の話も来ている?
  • 総集編的映画のラストはノレドが追いつく話?

あらたな手法が見つかるかどうかですが、SNS等の情報を見ると毎日?1スタで作業されている様ですので、あまり悲観しなくても良いのかもしれません。
素人考えですが、カシーバ・ミコシの内部を見せる手法と言うと、ダハックを受領する前後のシーンをカシーバの内部だった事にするのかなと思いました。

富野・宇野対談


この時点では対談であることは明かされてませんでしたが、後に富野対談であることが判明。

THE HANGOUT 延長戦6/29での宇野氏の発言

宇野 G-レコで富野監督と4時間半対談したんですよね。まだ全然原稿とか上がってきていないんで。どっかで記事になると思うんで。訳分かんない事の意味とかについて色々聞いたりしてますよ。
結構オフレコな話とかもいっぱいあったんで。富野監督次回作ね。こんな事やりたい構想とかね。たぶん載っけられないと思うんですよね。もう一本やるならこれをね、こんなフォーマットでやりたいって発言。僕すごく嬉しかったんですけど。いいなぁ、あれはやっぱり。何となく察してください、みたいなね。実現したら良いなと思うんですけど、ほんとでも構想レベルだから具体的な話には何にもなっていないと思うんですけどね。引退じゃなかったですね。もう一回やりたいって言ってましたよ。

なんとここで、G-レコの次展開とは別の新作構想の話が出てきます。そして宇野氏の話ぶりから、Legacy Effects提携作品ではないと思われます。あとで紹介しますが、氏はそれならそうと言及するはずです。
また、興味深いのが、既存作品の映像化であるかの様な発言である点ですね。更に宇野氏が「嬉しい」とまで言う作品というと、かつてのアマチュア時代の宇野氏のサイトを見たことがある方ならわかるでしょうが、まず浮かぶのが「閃光のハサウェイ」ですね。確かに、さびし氏のマンガ版ベルチルの終わる頃がちょうどよさげな時期でもある様な気もします。次点で「王の心」「アベニールを探して」といったところでしょうか、あくまで宇野氏の好きな富野小説で言うならば。
いずれにせよ、期待したいところです。
(追記:クロスボーンガンダムを失念してますね……ただ、宇野氏がクロボンに言及した事はないとは言いませんが、正直覚えてません)

おまけ

ちなみに、これを受けてではないですが、宇野常寛氏がラジオでこれを補強する様な内容を語っていました。
おそらくですが、オオカゼノオコルサマとLEの間に立っていた実制作会社が降りた、とかでは。だから企画自体はまだ残ってる、と。
NHKの講座記事ですがすいません、こちらは着手できていないです……作業した暁には負けない記事にしないと……)

おまけ2

このお三方の案件は同一のものなのでは、と思ったりします。その後の発表で、てんい氏の時期と一致しているのもあります。そして小川Pのtwから、3スタ新作が新ガンダムであるのはほぼ確定でしょう。
フレームロボでは、という意見もありそうですが、そちらは下田氏デザインなのと、発表タイミングが一月違うことがあります。また、秋番組であるならば、このタイミングでのコンテアップ、7月発表は充分ありえます。

NEXT Gに対する謎のブコメ

http://b.hatena.ne.jp/entry/258261763/comment/otokinoki

岡田麿里さんがシナリオを書くという、「あの花」ガンダムかねぇ?

この方は(検索したところ)角川春樹事務所の方だそうです。
出版業界では元々「あの花」ガンダムの噂があり、これが該当するのでは、というブコメに読めます(そうでないと唐突すぎるブコメなので)。
その場合、やはり監督は長井龍雪氏なのでしょうか。00参加後に小川Pが声をかけたとすれば、時期的にもちょうど良いのではないでしょうか。長井氏は富野作品についてかつてこんな発言をされてました。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw757477

影響という点では、富野由悠季(とみのよしゆき)さん(『ガンダム』シリーズで知られるアニメ監督)のほうが大きいかもしれません。富野さんの作品って、すごく生々しく人間を描きますよね。例えば、容赦なく女の人をバカにしたり(笑)。そういう作品が、僕の根っこになっていると思います。

ちなみに、熱心な富野リスペクターな荒木哲郎氏は同い年だそうです。
余談ですが、岡田里氏には、2chのスレにおいて初期Gレコに関わっていたのでは、との怪情報もあります。
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/iga/1329922442/292n-


追記:上記は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の事でした。

おまけ3

こちらは1スタの非富野新作?


使用しているTweet郡は、ちゃんと埋め込んでいるはずなのですが、うまく表示されてませんね……はてなダイアリーの仕様?
ブコメの引用に関しては、すいません、こちらははっきりした手法の情報がなかったのでこういう引用にしました。

AnimeJpan2015 G-レコ関係メモ

富野総監督とキャラクターに聞く67のQ&A

テロップは整理されていて、実際の発言とは異なっています。

Q.1 オノンさんから富野総監督への質問 Q.14話序盤でラライヤが既に回復しているように見えましたが、会談後にベルリ達みんながやっと治ったんだ!という反応を示したのはなぜでしょうか?

この質問の意図がよくわかりません。が、少なくとも記憶喪失の症状が改善していくのは、波があります。一直線ではありません。ですからベルリ達が様子を見い見いしながら確認していったので、最終的にラライヤに問いかける様な事があって、「ああ本当に安心して良いんだな」と皆思う様になった。そういう事です。

Q.2 crimeさんからベルリへの質問 Q.ベルリはいくつですか

ベルリ「17歳ですよ」

Q.3 Q.パイロットが排泄物を機内でだすシーンは何故必要だったのですか

モビルスーツに一日乗ってる様な時に、トイレに行かないで済みますか。

Q.4 笑ちゃんさんからアイーダへの質問 Q.カーヒル大尉のどのあたりに惚れましたか?

アイーダ「カーヒル大尉は、私の尊敬できる、私の向上心を刺激してくれる人でした」

Q.5 コメット岩田さんから富野総監督への質問 Q.登場人物のなかには「兵器技術・戦争技術の際限ない向上が旧世紀の悲劇を生んだ」「それを再生しないためにタブーがある」と考えている人がいますが、監督は兵器・戦争技術の向上と文化や文明、あるいは人間の生活との間の関係をどうお考えでしょうか? 例えば実在の戦闘機ではパイロットの生存率を上げることも企図されていますし、訓練の改良によって民間人を殺傷しない努力もなされています。よって、必ずしも技術向上が負の作用を及ぼさないと思えるのですが?

その考え方が、本当に「今」の時点での技術論とか技術者が思っている理想論だけを考えて言っているので、現実はそうではありません。技術革新はが次々と行なわれているのか、について体を持って暮らしを立てていられる我々にとって、どこまで必要なのかを考えると、もうこれ以上の技術革新はなくても良いのではないかとさえ思っています。

Q.6 アムロン・ムロンさんからラライヤへの質問 Q.両親の姿が見えないのですが、レイハントン、ドレット家の争いに巻き込まれて死んでしまったのでしょうか?

ラライヤ「はい、両親は……亡くなりました。なので、フラミニアさんが私のお姉さんの代わりになって助けてくれていました」

Q.7 RPさんから富野総監督への質問 Q.富野作品で特徴的なことの一つに“親との仲が良好な主人公がほぼ皆無(例外は神ファミリーとシーブックのお父さんのみ)”というのがあります。ただG-レコにおいてウィルミットさんは血が繋がってないとはいえ、ベルリのことをとても愛している様子が伺えます。これはそれまでとは違う親子関係にしようと監督が意識してのことだったのでしょうか? 単なる偶然なのでしょうか?

色々な物語を作ってみたい、という風にまだ考えているトミノですから、今回は血縁でなくても親子関係っていうのは成立するだろう、そういう親子はやはりいるだろう、という事を想像しましたので、こういう様なケースを採用しました、という事です。

Q.8 えっぴーさんからクリムへの質問 Q.ミックさんとは恋人の関係なのでしょうか? アイーダに対してはどんな感情を抱いてますか?

クリム「最初は仕事のパートナーだったが、実践を経て、気になる存在になっていったな。姫様との事は、今はあまり考えない様にしている」

Q.9 元気のGさんから富野総監督への質問 Q.トワサンガビーナス・グロゥブに住んでいる人口は何人ですか?

そんな事は知りません。迂闊に数字を決めてしまいますと、ツッコミがいっぱいあるから、やめてます。

Q.10 まーぼうさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでは地球と月を中心に物語が進まれてますが、かつて宇宙にあったスペースコロニーなどはどのようになっているのでしょうか。

全部ゴミになってます。って言うと身も蓋もない回答なので、少しだけ付け加えますと、1000年経つとゴミにもなるでしょう、という事です。

Q.11 雪之さんからマスクへの質問 Q.正直バララとマニィについて、それぞれどう思ってるんですか?

マスク「バララは戦場でよく私を支えてくれている。マニィは私の帰る所と言えるかもしれない」

Q.12 だいやまさんから富野総監督への質問 Q.シラノ5は、ずいぶん老朽化した印象を受けたのですがトワサンガは、インフラのメンテがされても、発展・開発が止まっていた状態なのでしょうか。MSも地球で製造されたものと比べてもあまり強くない印象を受けました。宇宙世紀時代の科学技術の開発をやめずに進歩を続けていたのは、ビーナス・グロゥブだけということなのでしょうか。

シラノ5が老朽化した様に見えるというのは、おそらくルックスが特殊なものだったから、つまり今までになかったものだからという風に思っています。技術論的に言えば、シリンダー型のスペースコロニーを作る以上に技術を行使していますし、それ以上に安定したスペースコロニーになっているという風に考えています。それから、第二の質問にあるモビルスーツについてなんですけど、なんで今までのガンダム系以上に強いものが出ていないんだ、って事に関してですと簡単な話です。最強なものが出てきたら、物語はその瞬間に終わります。という事はどういう事かと言うと、物語を作る必要がないんです。今回その事をG-レコでは25話26話で端的にやっています。便利すぎる道具が出来てしまったりしたら、人間っていうのは要らなくなるんですよ、という事をそろそろ思い出して下さい。

Q.13 ゆーすさんからベルリへの質問 Q.アイーダが姉だと分かった後のベルリの荒れ様はひどく、それでも18話のクレッセント・シップ内では姉として接しているように見えましたがどうやって気持ちに折り合いを付けましたか?

ベルリ「本当はまだ割り切れてないけど、強がりました」

Q.14 ぴよりガノフ胃之九十番さんから富野総監督への質問 Q.なぜ物語の舞台のひとつに金星を選んだのですか?

これはG-レコの世界観の大前提にあります、フォトンバッテリーを生産する為には、太陽に近い方が良いから金星側に行ったという事で、金星そのものを舞台にしている訳ではありません。

Q.15 榊原史弥さんから富野総監督への質問 Q.月周辺はトワサンガ、金星周辺はビーナス・グロゥブの勢力圏ですが、火星圏や木星圏に人は住んでいるのでしょうか?

金星を何故舞台にしたのかという理由を述べました。その理由に則った時に、火星、木星に人がいる訳がない!

Q.16 famineさんから富野総監督への質問 Q.G-レコ世界の人々にとって、宇宙世紀というのはただ悲惨なだけの歴史なのでしょうか?

そうだと思っています。本当に残念なのですが、宇宙世紀の時代ってのはもう(現代から)2、300年後の事です。その時代の事が楽しい未来なのかという事に関しては、ちょっと疑問があります。

Q.17 黒咲瑠璃さんからアイーダへの質問 Q.第5話でメガファウナアイーダが操縦士のステアと身を寄せ合うシーンがありましたが、あの時はどういう心境で、ステアはアイーダをどう思っていたのでしょうか。あのシーンは印象的だったのでとても気になります。

アイーダ「ステアは私以上に私の事を分かってくれる人です。だからあの時は、彼女の肩を借りたのです」

Q.18 宇宙のちりとりさんから富野総監督への質問 Q.これまでのガンダムと比べてもG-レコは特に沢山のMSや戦艦が出てきますが、みんな個性豊かで響きも良いので印象に残りとても気に入ってます。監督は機体の名称を付ける時どんな事を考えて名付けているのでしょうか? またそれぞれに由来やネーミングの縛りなどはあるのでしょうか?

本当に数をいっぱい出してみた、という意味では楽しい感覚はあります。必ずしもバンダイのプレッシャーがあったから、という訳ではありません。ですから名前を付ける事についてもかなり楽しい作業でしたが、実を言うと大変な作業で、名前を付けるというのはとても難しいんです。実を言うと縛りもありますし、いわれのあるものもあります。そういう様なものは、僕は記憶力が本当になり人間なので、全部忘れましたので、すいません、それは別の本が出たらそれで調べて下さい。

Q.19 高望千春さんから富野総監督への質問 Q.「なんじゃとて」などの独特な台詞は一体どこから出てくるものなのでしょうか? 色々考えた末に、あえてその言葉を選んでいるのか、それとも監督の中から自然んとそういった語彙が出てくるのか伺いたいです。

言葉について言えば、世代感があります。僕は僕の様な年代で聞こえてきた言葉というのが身に付いていますから、そういうものを利用する事はあります。ただ、それだけではなくて、劇の中で作品としての個性を付けようという風に考えていった時に、「なんじゃとて」という様な言葉遣いを、劇中に入れても良いんだろうという風に思っています。

Q.20 七夕さんからラライヤへの質問 Q.マンディ時代を正気に戻った今はどう思ってますか?

ラライヤ「記憶が無かった時代の事は、よく覚えていません」

Q.21 Gマスクさんから富野総監督への質問 Q.富野監督にとっては、G-レコは久しぶりに宇宙戦を演出するアニメになったと思うのですが、以前と比べて演出方針が監督の中で変わったということはあったのでしょうか。以前と比べ、変わっているように感じたので質問させてもらいました。

基本的に、変わっていません。ただそれが、以前の富野作品と違うんじゃないの、という事があるとすれば、実はそれは全部アニメーターの力です。

Q.22 だびんちょさんから富野総監督への質問 Q.クンタラについてお伺いします。作品内ではクンタラは差別される側の立場とはありますが、クンタラと差別する側とはお互いの区別がハッキリ分かるのですか? ノレドはクンタラ伝統の帽子・印・パチンコで分かります。でもマニィやマスクはクンタラと分かるアイテムはありません。そこが不思議なのですが。

それが不思議なんです、という質問がとても不思議です。我々が知っている差別されている人、そういう人達が必ずしもアイテムというかアイコンになる様なものは付けていません。ですからむしろ今回、キャラクターを作る上で本当にノレドの事で困った事があったのは、額のああいうものを取り外す事なんですが、それが絶対にできなかった時期が、制作期間内にあったという事ですから、ちょっと残念だとも思っています。

Q.23 cosmosさんからクリムへの質問 Q.モンテーロに未練は無いんですか? この浮気者!(笑)

クリム「機体に未練はあまり無いが、ジャベリンだけは持っていってもよかったな」

Q.24 節電マニアさんから富野総監督への質問 Q.「フォトンバッテリー」「水の玉」や「空気の玉」といった設定・概念を新たに作った理由は何ですか? それから「質量保存の法則」はどのように克服しているのでしょうか?

この様な質問については、一切考えないで今回物語を設定しました。その理由はものすごく単純明快で、アニメ作品を作る為だからです。
Q.25 節電マニアさんから富野総監督への質問 Q.「キャピタル・アーミー」ではなく「キャピタル・アーミィ」、「ビーナス・グローブ」ではなく「ビーナス・グロゥブ」という具合に長音の代わりに捨て仮名を用いた表記をする理由は何ですか?
活字にした時にルックスが良いからです。もちろん、そのルックスが悪いと感じていらっしゃる方もいると思いますが、「私は」カッコいいと思ったから、です。

Q.26 マスクのマスクさんからマスクへの質問 Q.マスクの付け心地は?

マスク「まるで別の何かになった様な……とはいかないが、しかし、なかなかいいものだ」
Q.27 ともさんから富野総監督への質問 Q.ガンダム作品の世界観を創る時は楽しんでいますか? 苦しんでいますか?
腹が立っている事が先です。そして作り始めるととても面白くなります。現在只今、僕のメインの仕事が終わった段階で言えば、とっても良かったな、っていうのと、分かりにくいかもしれないけどかなり楽しい仕事ができた、という記憶がありますから、不愉快な気分ってのは一切ありません。

Q.28 マスクのマスクさんから富野総監督への質問 Q.G-レコのお気に入りキャラを教えてください。

ノベルです。と言うと、当たり障りがないからです(ニヤリ)。

Q.29 神田さんからベルリへの質問 Q.リギルド・センチュリーモビルスーツはトイレが付いているのを見ました。用を足した後、掃除をするのは整備士とパイロットどちらの仕事でしょうか? それとも別にトイレ当番がいるのでしょうか? トイレのシーンが印象的なベルリ君に伺いたいです。

ベルリ「当番や整備士さんもやるけど、僕は率先してやってます」

Q.30 ドゥリさんから富野総監督への質問 Q.大陸間戦争について詳しく教えてください。アメリアは、バッテリーのために戦争をしているのか、戦争のために、バッテリーが欲しいのか、どちらなんですか?

僕はアメリアの事を調べた事がありませんから、そんな事は知りません。そして、今の回答の仕方を気に入らないとするならば、物語世界の事をすごく狭く捉えていると思います。大陸間戦争があるという設定を作った瞬間に、質問者が思われている様なのがいっぱいあって戦争が起こってます。

Q.31 スヤマックスさんから富野総監督への質問 Q.話のテンポがサクサク進むなぁと感じたのですが、2クール以上の話を圧縮してこの形になったのか、当初からこのテンポで進めると決めていたのですか?

今回に関しては当初からこのテンポです。そのテンポが実を言うとあまりにも酷すぎ、早すぎるので、ブレーキをかける様な演出を4話ぐらいまではやれました。それ以後、結局当初の予定、シナリオに準じて作らなくちゃいけなくなっちゃって、スピード感だけが見えてきて、演出のまとめ方としてはちょっと間違ってしまったな、っていう感触はあります。

Q.32 スン助さんからアイーダへの質問 Q.アイーダ様はG-アルケインの変形をまだされていませんが、変形飛行はお嫌いなのですか?

アイーダ「私の美意識に合わないからです」

Q.33 ヤマキレコンギスタさんからの富野総監督への質問 Q.G-レコのキャラクターはそれぞれモデルがいらっしゃるんでしょうか? それとも富野さんの子どもはこうでなくちゃ!を絵にしたらこうなった、という感じでしょうか?

「富野さんの子どもはこうでなくちゃ!を絵にしたら」というのが良く、というか全然分からないんですが、モデルはいません。

Q.34 アムロン・ムロンさんから富野総監督への質問 Q.リンゴは最初は捕虜という扱いを受けてましたが、いつの間にか仲間になっちゃってました。リンゴがすぐにドレット軍からメガファウナに寝返った理由やメガファウナのクルーがリンゴを受け入れた経緯を教えてほしいです。

リンゴに関して言えば、ああいう人だから、簡単に寝返ったんですよね、という言い方。初めに寝返るキャラクターだったからです。後半のリンゴの出番が少なくなるんですが、とても良いキャラクターを作れたという風に思っています。そういう意味で、かなり無責任でアッパッパーなんだよね、っていう部分が嫌いなんですが、好きですねぇ(笑)。

Q.35 manaさんからラライヤへの質問 Q.チュチュミィのことは病気が治った今でも変わらずに好きですか?

ラライヤ「チュチュミィは、フラミィだと思って大事にしていました。でも、記憶が戻ったらモビルスーツに夢中なってしまって、チュチュミィの事を忘れてました。チュチュミィ、ごめんなさい」

Q.36 上井草凛さんから富野総監督への質問 Q.G-レコは面白いですけど、分かりにくいところもたくさんありました。小説で書くと、ものすごく分かりやすくて面白い内容になると思いますが、小説を書くつもりはありますか?

僕のキャリアで言えば、小説を書くというのも許されるかもしれないと思ってます。が、G-レコは書けないと思います。と言うのは、本当に分かりにくい所もあるから、ノベルスにして解説をしたいと思ってるんですが、解説をして良い様な作品ではない気がする。G-レコは今回完全に動画作品として、アニメとして、かなり良い所に行ってると思ってます。ですからです。分かりにくいところに関しては本当に申し訳ないと思っていますが、もうちょっと分かりやすく観る方法があります。Blu-rayを是非ご覧ください。かなり分かりやすくなっています。

Q.37 WBのコックさんから富野総監督への質問 Q.僕は今、中学二年生です。G-レコにはスコード教という宗教が出てきますが現実では「イスラム国」が問題になっています。これから先、ダイクンの理想としたような人々が宗教や民族の垣根を越えて歩み寄っていけるような時代は訪れるのでしょうか。

違う宗教の人たちが、歩み寄れる様な時代が来るのか、という事に関して言えば、歩み寄る様にならなければならないという風に思っていますし、実際に宗教家の活動というのが始まってまして、横に連絡を取り合っていくという世界的な組織が立ち上がってます。数年前から。そういう様な方向に進むんじゃないのかと思っています。ちなみにスコード教という名前を作った理由があります。これは世界の最低四大宗教と言われているものの頭文字を組み合わせて作った名前です。

Q.38 ゆりみ えなさんからクリムへの質問 Q.本名のクリムトン・ニッキーニではなくクリム・ニックと名乗っているのは、海賊部隊がアメリア軍だと敵に知られるのを避けるためですか?

クリム「私はあまり偉ぶりたくないから、愛称で呼ばせている」

Q.39 イングさんから富野総監督への質問 Q.なぜ今回の舞台は宇宙世紀から数千年のリギルドセンチュリーという舞台にしたんですか? 数千年という時間の経過は宇宙世紀が始まってVガンダムの時代に至るまでの時間より膨大ですし、リギルドという年号にしてまでの監督なりの決意や考えはあるのですか?

これは本当にあります。このまま科学技術が進んでいくというのはどういう事かと言うと、資源を消費していくんです。あと何万年か人類が使ってかなくちゃと考えた時に、今の経済状態と消費文化というものでは、楽しい想像を一切できない。次の時代を担ってくれる子供達にはふさわしくないと思った、ので、こういう楽しい物語に見えるのだけれど、実を言うと何でこんなに時間を飛ばしたのか、みたいな事を今の小中学生の人達に考えてもらって、21世紀の後半を良い世紀にしてもらいたいと思うので、この様な作品の作り方をしました。

Q.40 ゆーすさんから富野総監督への質問 Q.クンタラについて質問です。作中でクンタラとして差別される、ルインやノレドの姿がありますが、とはいえ、二人の身のこなしは貧困層とは結びつかずリギルド・センチュリーでのクンタラの社会的な扱いが気になります。クンタラには孤児が多いのか、中には富豪や官僚もいて出世している者も多く、暮らしぶりは普通と変わらないのでしょうか。

あの、この質問が本当に分からないのは、人はそれほど……何と言うのかなぁ、パターン化してないんですよ。それを、パターン化しているんじゃないのかと信じ込んでいるのは、
この質問者がアニメ?の見過ぎです。もっと普通の社会の事を考えて下さい。それだけです。

Q.41 麦さんからマスクへの質問 Q.ルインの時と大分性格が違うように見えますが、マスクの性格は強化されて変わったものなのですか? それとも本性が出たということなのでしょうか?

マスク「キャピタル・ガード候補生としての私が抑圧してきた感情が発散されたもの、と言えば分かってもらえるかな」

Q.42 田中允也さんから富野総監督への質問 Q.ラストに近づいた「Gのレコンギスタ」富野監督が今後注目してほしいキャラは誰ですか?

ベルリです。

Q.43 石井歩さんから富野総監督への質問 Q.頻出する歴史政治学への執着は一体なんなのですか。若者へ向けた作品だということはインタビューなどでおっしゃっていたと思いますがやはりそういった事と関連するのでしょうか?

もちろん関連します。歴史だけ学ぶ、政治だけを学ぶという事が持っている学問の問題というのは本当に弊害が大きいと思っています。例えば歴史政治学という、やっぱりひとつのブロックとして理解するという様な想像力を刺激したいと思ってこういう言葉を使いました。

Q.44 火力主義さんからベルリへの質問 Q.ベルリが一番気に入ってるG-セルフバックパックは何ですか? 自分はアサルトが好きです。

ベルリ「僕は高トルクパックかな」

Q.45 ショウさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタは過去の富野さんが作られたガンダム作品の中で、最も勢力や派閥が多く、それぞれの思惑が複雑に入り乱れている作品と思えましたが、どうしてこの様に出来上がったのか教えて下さい。

いや、そんなに派閥はありませんよ。3つだけですよ。が、何故複雑に見えるかという理由をお話しします。平気で人間が行ったり来たりできる気分があって、味方がひょっとしたら敵かもしれない、敵が味方かもしれないという様な、構造になっているからです。

Q.46 RPさんから富野総監督への質問 Q.「G-レコは難しい」「G-レコはわからない」一部の視聴者のこんな声は恐らく富野監督の耳にも届いていることと思います。ズバリそのことについてどう思いますか?

そういう風に感じてくれるからこそです。きっと考えてくれるだろうなという風に思っています。その部分を期待するからこそ、こういう作品を作っています。

Q.47 ゆーすさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでは監督のやりたいことの何%を詰め込むことが出来ましたか?

ああ、140%ぐらいです。だから面倒臭くなっているという事もあります(ニヤリ)。

Q.48 北長六功さんから富野総監督への質問 Q.「Gのレコンギスタ」はキャラの細かい動きで、心情表現、人となりや、状況を説明するとか、昨今流行のアニメ的動作やアニメだけしか見ないオタクが喜びそうな演出を排除してリアルな演技を目指しているように感じます。例えば無重力のブリッジから出て行くのに、体を流すのもキャラによって体の使い方が違うとか、そういう現実的な所作を再現するのは恐ろしく手間がかかると思うのですが、常に意識して制作されているのでしょうか?

それについては、僕は意識している暇がありませんでした。ですから担当演出のスタッフに任せている、といった事もありますが、もっと重要な事がありまして、この種類の作品をやっているっていうアニメーター。20年30年のベテランが何人も手伝ってくださっています。そういう人達の、実を言うと手腕に縋っていますので、彼らの仕事を邪魔しない、っていうのが僕の仕事だと思ってるくらいなんで、そういう意味ではベテランのアニメーターに感謝しています。

Q.49 cosmosさんからアイーダへの質問 Q.カーヒルさんがお亡くなりになり、ベルリくんは弟になりました。さて、最近気になる異性はいますか?

アイーダ「今はそれどころではありません。私には、他にやるべき事があります」

Q.50 やってみるさんから富野総監督への質問 Q.軌道エレベータを登場させた理由はありますか。

あんなものは絶対作れない、という事を何とか言葉にしたいのですが、現実世界で言葉にすると、石が飛んできますので、アニメに登場させました(ニヤリ)。

Q.51 Mattia Garavini from Italyさんから富野総監督への質問 Q.Is ラライヤ・アクパール an ancestor of Turn A Gundam's ロラン・セアック

(笑)違うと思います。が、フィーリングとしてそういう匂いを感じるとしたら、やはりそれは作り手の僕、がまだキャラクターを作るという事についての仕分け、きちんとできてないからだと思います。が、この嗅覚はかなりすごいなと思っています。

Q.52 富野子っ子元気な子さんからクリムへの質問 Q.政権を立てるという野心をお持ちだそうですが、どのような国造りをする気ですか?

クリム「政治にあまり興味はないが、大統領という職は、私にピッタリだと思う」

Q.53 トラデさんから富野総監督への質問 Q.チアガールに男の子がいましたが、この時代はそういったことに寛容なのでしょうか? 自由な気風があるのかなと思いました。

何でいていけないのよ!って逆に聞きます。そのくらい僕にとっての男、女のあり方ってのはチアガールのグループに表されてる通りの事でして。僕にとっては感覚の中では普通の事ですから、特別な事だとは思ってません。

Q.54 まそきぃ〜さんから富野総監督への質問 Q.スコード教について教えて下さい。現在我々が考える宗教と同じようなものなのでしょうか。それとも儒教とかのように規則や教えといった(タブーを犯さないための)レベルのものでしょうか? または山岳信仰などのような民間信仰のようなものでしょうか? 月もスコード教信者がいるようですが、地球もゴンドワンなどを含めて全部この宗教でカバーしているのでしょうか。

簡単に言っちゃいますと、質問者が仰られている具体的な事例を全部含んでいます。むしろこの質問者にお聞きしたい事があるのは、何で、信じるものをこういう風に細分化しなければ理解する事ができないのか、という事の方がとても不思議だし、実を言いますと、腹立たしいくらいに嫌な事です。って言うのは、人の信じるものっていうのは、もっと大きなものをスポッと信じられるはずだし、それを統合していけるだけでの能力を持っているのに、何で自分の信じるものを細分化してしまうのかと。とても不思議です。

Q.55 G2さんからマスクへの質問 Q.マスクになってからというものの、かつての仲間のベルリやケルベスに対して忌々しげだったり、軽んじた態度を見せていますが、それは候補生時代から続く彼の本心なのでしょうか?

マスク「本心かと問われれば、ある意味そうかもしれない。しかし、戦場とは非情なものだ。今までと同じでは、戦えないのだよ」

Q.56 ベルリンさんから富野総監督への質問 G-レコの中で一番気に入っているロボットのデザインは何ですか?

G-レコにはロボットは出てきません。モビルスーツです! その上でお答えしますと、ひょっとしたらカットシーかもしれないという風に答えなくちゃいけない自分がものすごく腹立たしいんですが、何故か好きです(笑)。

Q.57 代理人さんから富野総監督への質問 Q.G-レコで正直嫌いなMSは?

嫌いなのは……え、なんなんだろう。つまり嫌いというのはデザインワークをしている中でこちらが思っている様な方向でまとめられなかったモビルスーツが何種類か、何種類かって言うかあります。その名前はすいません、固有名詞を忘れてしまいましたので、今言えません。

Q.アイナ・サハリンさんからベルリへの質問 Q.ベルリさんはどうして操縦が上手いんですか? 僕に教えてください。

ベルリ「操縦システムがユニバーサルスタンダードだからというのと、G-セルフは僕にしっくりくる様に出来ているからなんです」

Q.59 スクウェアブランケットさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでのお気に入りの女性キャラは誰ですか?

これねぇ。だけど、お気に入りの女性キャラクターっって本当に難しくって。本能的にみんな好きなんですよ。だからその中で特にと言われる事の方が困る感じがあります。と同時に、みんな嫌いです。どうしてかって言うと、僕と友達になってくれるようなのはまずいないだろうなぁ。

Q.60 リョクさんから富野総監督への質問 Q.第三話にて、ベルリとアイーダG-セルフの格納庫へ向かい、そのままテリトリーを脱出する描写がありますが、なぜクンパ大佐はベルリ達を逃がしたのでしょうか?

多少それは疑問があります。何故かな?って事を立ち入って考えると。ただ、クンパ大佐の立場で言うと、大人社会だけでグダグダグダグダやってるんで、これに子供が入ってきたら、もうちょっと事態がグチャグチャになって、クンパが思っている様にです、早い時期に地球圏とか人類の殺し合いが始まるんじゃないのかなと思ったんでしょうね。だと思います。

Q.61 元気に生きたい阪神ファンさんから富野総監督への質問 Q.僕は今17歳なのですが、19話のクレッセント・シップ内での話し合いのシーンでアメリア中心の考え方しかできなかったアイーダに対して、ノレドが批判するシーンがありましたが、どのようにしたら、物事を正しく見る事が出来ると思いますか?

すごく簡単な言い方をします。広く遍く勉強をする努力をしていただきたい。その事が間違いなく広い知識を手に入れるという事になるという事です。これだけは保証します。ただこれができる人が、大人でも殆どいない事です。

Q.62 ゆうさんからマスクへの質問 Q.お前浮気したですか? いつもバララの足を触るなんて不潔です。

マスク「男と女の仲というものは、一つの物差しでは計れないものだ」

Q.63 SHINYOさんから富野総監督への質問 Q.アメリア、キャピタル・アーミィ、ドレット軍などの陣営は、どれも戦争に慣れていないのに戦争に興味を持っていて、好戦的なイメージです。昔のガンダムシリーズで描かれている戦争は非常に厳しいものえと表現しているが、G-レコでは遊びのような戦争を描かれているのはなぜですか。

戦争慣れをしてない歴史を持っていたら、本当は好戦的になんかなる訳ないんじゃないのか、と思えるのかもしれませんが、それは違います。宇宙で生きるとか、それから自然の中で生きるっていう事を、やはりこの千年、始めてきた時に、人類という動物は、そういう自分が出来ないものに対しての敵愾心もすごく育っていく様になる。その事が実を言うと、戦争をする、戦うという事を、自分の中のものにしていってしまった。それが目覚めたのがこの物語の時期であった、という風にしました。本当に意味は分かっていないのだけれども、面白くってしょうがない、そういう風になってしまった、という様に物語を作りました。

Q.64 ゆりみ えなさんから富野総監督への質問 Q.G-レコのMSの動力源は全てフォトンバッテリーによって駆動されていますが、これは、ヘルメスの薔薇の設計図の段階でフォトンバッテリーになっているのか、設計図の段階では核融合炉なのを製造する時にフォトンバッテリーに変更しているのか教えてください。

長い歴史の中での事ですから、どっちがどっちだか分かりませんが、その両方とも行なわれた事なのではないでしょうか。

Q.65 CODE:3010975さんからベルリへの質問 Q.第8話あたりで、ベルリは箸を使っていましたが、リギルド・センチュリーの時代にも和食や中華料理は残っているのですか? もし残っていたらベルリの好きな和食はなんですか?

ベルリ「和食や中華だけじゃなくて、洋食でも僕は箸を使ってますよ。好きな和食は、カツ丼ですね」

24歳の作家志望の若者さんから富野総監督への質問 Q.クリエイターを志すものとして質問させていただきます。富野監督は「Gのレコンギスタ」以外にも様々なアニメ作品を監督し、また小説なども多数執筆していらしゃいますが、その原動力はいったいどこから湧き出されているのでしょうか? また作品を作る上で、いつも心がけていた事などはありますでしょうか? 可能でしたら教えて下さい。

いや、原動力は「暇だと怖い」です。つまり、人から相手にされてない、っていう事は、本当に寂しい事なんです。作品を作ると、貶される事も含めて「分かりにくいんだよてめぇ」と言われる事も含めて、実を言うと、相手がいる事でしょ? これはね、本当に生きてく上で本当に原動力になるんです。それで、作品を作る上で気をつけている事があるとすればこういう事です。自分の作ったものを見てくれる、二回り三回り若い人達がいるだろう、その若い人達に対して、嘘をつかないものを作りたいと思ったという事です。ですから、自分の思いの丈を分かってくれという事ではなくて、こういう物語で伝えられるメッセージがあると設定した時に、そのメッセージが、嘘でないもの、真っ当なもの、というものをものすごく一生懸命考えてきました、という事だけです。

Q.67 ボルボックスさんから富野総監督への質問 Q.宮崎監督は長編アニメーションから引退されましたが、富野監督は引退とかは考えていますか?

体力の続く限り仕事をしたいと思ってます。それだけの事なんだけど、とっても重要な事もありまして、体との相談で、どこまで保つのかという不安にとりつかれてるので、今は体力的な不安?を忘れる為に、仕事をしたい、し続けるしかないと思います。

Production Works Street

富野コメント

Q.アニメの仕事を志したきっかけ、経緯を教えて下さい。
A.大学卒業の年に就職先がなく、たった一社受験した会社、虫プロダクションで採用させていただいたのが縁です。そのために、アニメの仕事しかできない自分になってしまいましたので、この歳までつづけることになったのです。

Q.あなたが影響を受けたものを教えてください。
A.いろいろあるはずですが、何がと問われても答えようがありません。見たもの読んだもの、経験させてもらったものから影響を受けたのでしょう。特別影響を受けたものはないと思います。できる範囲でやることしかできないですから、勉強不足を自覚しています。

Q.アニメの仕事において、この先目指していること、やってみたい仕事を答えてください。
A.ぼくの場合はもはやそれはありません。仕事をさせていただける機会があれば、それをやるだけなのです。ぼくはそのような立場のスタッフです。

Q.将来アニメの仕事を志している人へ一言お願いします。
A.アニメが好きなだけでしたらこの仕事につくことをおすすめしません。アニメのスタッフになりたいと考えているのでしたら、勉強できる間は広くいろいろなテーマを自覚的に学んでほしいです。むろん、一つのジャンルをしっかり勉強するのでも構いません。それが良いスタッフを生む下地になります。理由はここで説明しているスペースはありませんが、アニメや映画を学ぶことはしない方がいいでしょう。これには大変大きな問題を含んでいるのですが、信じてください、と言っておきます。

展示脚本表紙の年齢
  • ベルリ 17歳
  • アイーダ 19歳
  • ノレド 16歳
  • ルイン 20歳
  • マニィ 16歳
  • ラライヤ 18歳

ニュータイプブースの富野色紙

50へ向けての31年
目を見る事が今日
富野由悠季 2015/2・30

アニメ現場真剣しゃべり場 仲氏発言

  • 21話作監さんと、仕上がりが良かったですよという話
  • 平均動画枚数8000枚のところ、最終回は12000枚。
  • 宮森さんが優秀過ぎて辛いです。
  • これだけは言っておきたいのですが、富野さんはとても気配りのできる方です。伊達に70まで業界で仕事をしていません。

僕たちはメカアニメジェネレーション~鬼才誕生直前SP~ 富野発言分

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/i/150223-i030.html
http://mechatsuku.estar.jp/

コメント
富野由悠季監督
「メカアニメを創ることだけが目的ではなく、今後の新しい作り手を芽吹かせるプロジェクトになると感じている。この特番を期待して見ていただきたいと同時に、ぜひ参加していただきたいと思う」

アバン

色んな事を放り込み過ぎてて、自己破綻しているという風に感じます。
自信がないから顔出せないんでしょ。
ほんとの事はもう言いません。

御禿登場

佐野 どうですか、ご覧になって? 7人の。
富野 今日までよく辿り着けたという意味で本当にご苦労様と言いたいし。それから実を言うとこの企画が新人にとって、とんでもない新企画になるんじゃないのかなという風に思っています。俗に言う、我々の言う「出口」です。出口がない所でやってどうする、というのが、こういう出口をを想定しているんです。今回は。そういう企画なので。何よりもです、諸君に会えた事が本当に嬉しい。

暁光のディーンドライブ

PV前

富野 嫌ですね、そういう話(デザイナーが96年生まれ)聞くとねー(会場笑)。
佐野 富野さん、おいくつでいらっしゃる?
富野 うるせぇ(そっぽを向く)!

PV後

竹山 全然詳しくない普通のおじさんの意見として言わせていただくと、どっかで見た事ある様な画なんですよね。これを僕みたいにそんなにアニメが大好きで、ってない人が、これを果たして観るだろうか? というのが正直ちょっと感じたのはあります。
富野 そうじゃなくて、こういうものは好きな人が観るんだから、そういう話はしなくて良い(笑)。
佐野 竹山さんにダメ出しなんですね。
富野 どうしてかと言うと、僕がそういう発想で、アニメが嫌いな人にも観てもらおうと思って、頑張って作ってもだいたい叩かれる訳です。
佐野 作品自体はどうですか?
富野 いやいや、率直な感想なんて言えません。傷つけるだけだから。だから良いとこのお話をします。立枯さんが思ってらっしゃる事は本当によく分かって、その思いだけで物語を作れば良いのになァ、っていうのが、高所恐怖症を表現する少女が、何故か地面に立ったまんま、とか。シートに座ったままにいるんで。高所恐怖症の少女の話だなんて思えない! メカを使っても、おそらくそういう表現はできるはずなんです。つまり新しい表現を見つける必要があるんじゃないのか。そういう意味で自分自身でとても高いハードルを設定してしまったので、むしろ今その解決策が見えないと、迂闊に制作する事をしてはいけませんよ、という風に言えます。
立枯 他のロボットアニメだと、ロボットが力の象徴だったり……。
富野 つまりロボットが邪魔だったでしょ(笑)?
立枯 違います。怖いときに一番身近にいるのがロボットで。
富野 だから、今仰られようとしているところ。どういう風な表現にするかという事と、その表現をする為に必要なストーリーがある訳です。そのストーリーが、骨格が全く見えてないから。
立枯 あー……。
富野 見た目風な画がならんじゃってて。思いは本当に正しいんですよ。だからその部分をもう少し具体的にどう表現するかという事と、その表現の為のストーリー。もう一度再構築する必要がありますよ。

エンスージアスト

PV前

富野 基本的にプロの仕事をなさってるし、それを目指してるらしい。ですからこれ以上言えないのは、この後動画見せていただかないと、実を言うとストーリーとの関係性。ちょっと見えないんで。今これ以上の事は言えません。

PV後

富野 レース主体でやってもそれなりのマーケットはあるし、何よりもこういうアレンジの仕方はプロの手なので、基本的に全く問題ないと思います。問題なのは褒める為のストーリーラインが見えていないというのがあって。美男美女で良いんですが、美男美女が完全、この年齢設定(29歳)のキャラクターで良いのかという部分に関して言うと、僕は損だと思う。やっぱりあと10歳若くしちゃっても良いと思う。それでマーケットを長く引っ張るというのがテクニックとしてとっても重要。
水野 年齢に関しては、企画の時点より上に引き上げたんですね。諦めが漂う年齢だと思うんですよね。
富野 今の話で分かったの。だから、29歳は敵にするんですよ。敵にして、遅咲きなんだけどもお前らには絶対に勝てる、っていう何かを持ってる、っていう様なものを置くだけでもネクスト、ネクスト、ネクストのステージに積み上げられるんじゃないかなと思います。

deadEndSparks

PV後

富野 本当の事はもう言いません。だけど別の意味で本当の事を言います。個々の表現の在り方とか、3Dを使う事を含めてですけど、そりゃプロだからやってみせるよ。当事者、つまり現場にいる人間が考えていく時に嵌る、蛸壺に嵌ってるかもしれないかもしれない可能性をちょっとだけ垣間見ます。
menbow 意図してごちゃごちゃさせてどうなっていくか、っていう分かりにくさをちょっと強調しすぎたってところはあるんですけど。
富野 そういうとこで言えばです。せっかく「中二病」という様な着眼点を持っていながら、あまりにもバックグラウンドに自分たちが今まで我慢してた物語が作れるんじゃないかと思って、色んな事を放り込み過ぎてて自己破綻をしているという風に感じました。
竹山 いいですね盛り上がってきましたね。
富野 (肩にタッチする)ありがとうございます。

STAR STORKS~星のゆりかご~

PV前

富野 (バツイチだけどチョコをもらった話に対して)ちょっと待って、コレそういう番組かよ!

PV後

富野 年長者の立場から言った時、「あーあ、こんな昔のもの、出してもらっちゃ困るんだよね」っていう歴史的な観点はあります。が、吉田さん今ものすごく良い事言った。「メカの温かみ」。今僕ね、リアルガンダム大っ嫌いなのね。リアル過ぎて。この方向性っていうのはあって、メカだけで良いよ、って。ここまで割り切ってる企画って初めてじゃない? 提案があります。毎日3分か4分のショートショートで毎回シリーズもの。そういうスタイルってあるんじゃないのかな。

RS計画

PV後

富野 僕には想像力がないから、記憶以外に失くすものがあるのか、という部分が全く想像がつかないんで、それについての回答をきちんと持ってらっしゃる作家だったら、素敵だなと思いますけれども、匿名の方の事情も分かっております。アマチュアだったら、名前出せます。「プロだからこうなの分かってくれよ」そんなの画像見れば分かるよ。

ラスト

富野 こういうレベルで来るとは思ってなかった、というのがあるので、これ以後これを契機に立ち上げていきたいなと思います。やはりちょっとだけ違う目線から見たらこういうものが作れるという意味では、それほど「メカもの」とかいう部分がまだ落ち込む必要はないな、こういうアイデアがあるんだという事を教えてもらえたという意味で、本当に参考にもなったし勉強にもなったし、ちょっと負けてられないからどうする? という事を考えなくちゃならない。本当に今日はここに出させていただいてありがとうございます。で、今後はみんなで頑張っていきましょう。