僕たちはメカアニメジェネレーション~鬼才誕生直前SP~ 富野発言分

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/i/150223-i030.html
http://mechatsuku.estar.jp/

コメント
富野由悠季監督
「メカアニメを創ることだけが目的ではなく、今後の新しい作り手を芽吹かせるプロジェクトになると感じている。この特番を期待して見ていただきたいと同時に、ぜひ参加していただきたいと思う」

アバン

色んな事を放り込み過ぎてて、自己破綻しているという風に感じます。
自信がないから顔出せないんでしょ。
ほんとの事はもう言いません。

御禿登場

佐野 どうですか、ご覧になって? 7人の。
富野 今日までよく辿り着けたという意味で本当にご苦労様と言いたいし。それから実を言うとこの企画が新人にとって、とんでもない新企画になるんじゃないのかなという風に思っています。俗に言う、我々の言う「出口」です。出口がない所でやってどうする、というのが、こういう出口をを想定しているんです。今回は。そういう企画なので。何よりもです、諸君に会えた事が本当に嬉しい。

暁光のディーンドライブ

PV前

富野 嫌ですね、そういう話(デザイナーが96年生まれ)聞くとねー(会場笑)。
佐野 富野さん、おいくつでいらっしゃる?
富野 うるせぇ(そっぽを向く)!

PV後

竹山 全然詳しくない普通のおじさんの意見として言わせていただくと、どっかで見た事ある様な画なんですよね。これを僕みたいにそんなにアニメが大好きで、ってない人が、これを果たして観るだろうか? というのが正直ちょっと感じたのはあります。
富野 そうじゃなくて、こういうものは好きな人が観るんだから、そういう話はしなくて良い(笑)。
佐野 竹山さんにダメ出しなんですね。
富野 どうしてかと言うと、僕がそういう発想で、アニメが嫌いな人にも観てもらおうと思って、頑張って作ってもだいたい叩かれる訳です。
佐野 作品自体はどうですか?
富野 いやいや、率直な感想なんて言えません。傷つけるだけだから。だから良いとこのお話をします。立枯さんが思ってらっしゃる事は本当によく分かって、その思いだけで物語を作れば良いのになァ、っていうのが、高所恐怖症を表現する少女が、何故か地面に立ったまんま、とか。シートに座ったままにいるんで。高所恐怖症の少女の話だなんて思えない! メカを使っても、おそらくそういう表現はできるはずなんです。つまり新しい表現を見つける必要があるんじゃないのか。そういう意味で自分自身でとても高いハードルを設定してしまったので、むしろ今その解決策が見えないと、迂闊に制作する事をしてはいけませんよ、という風に言えます。
立枯 他のロボットアニメだと、ロボットが力の象徴だったり……。
富野 つまりロボットが邪魔だったでしょ(笑)?
立枯 違います。怖いときに一番身近にいるのがロボットで。
富野 だから、今仰られようとしているところ。どういう風な表現にするかという事と、その表現をする為に必要なストーリーがある訳です。そのストーリーが、骨格が全く見えてないから。
立枯 あー……。
富野 見た目風な画がならんじゃってて。思いは本当に正しいんですよ。だからその部分をもう少し具体的にどう表現するかという事と、その表現の為のストーリー。もう一度再構築する必要がありますよ。

エンスージアスト

PV前

富野 基本的にプロの仕事をなさってるし、それを目指してるらしい。ですからこれ以上言えないのは、この後動画見せていただかないと、実を言うとストーリーとの関係性。ちょっと見えないんで。今これ以上の事は言えません。

PV後

富野 レース主体でやってもそれなりのマーケットはあるし、何よりもこういうアレンジの仕方はプロの手なので、基本的に全く問題ないと思います。問題なのは褒める為のストーリーラインが見えていないというのがあって。美男美女で良いんですが、美男美女が完全、この年齢設定(29歳)のキャラクターで良いのかという部分に関して言うと、僕は損だと思う。やっぱりあと10歳若くしちゃっても良いと思う。それでマーケットを長く引っ張るというのがテクニックとしてとっても重要。
水野 年齢に関しては、企画の時点より上に引き上げたんですね。諦めが漂う年齢だと思うんですよね。
富野 今の話で分かったの。だから、29歳は敵にするんですよ。敵にして、遅咲きなんだけどもお前らには絶対に勝てる、っていう何かを持ってる、っていう様なものを置くだけでもネクスト、ネクスト、ネクストのステージに積み上げられるんじゃないかなと思います。

deadEndSparks

PV後

富野 本当の事はもう言いません。だけど別の意味で本当の事を言います。個々の表現の在り方とか、3Dを使う事を含めてですけど、そりゃプロだからやってみせるよ。当事者、つまり現場にいる人間が考えていく時に嵌る、蛸壺に嵌ってるかもしれないかもしれない可能性をちょっとだけ垣間見ます。
menbow 意図してごちゃごちゃさせてどうなっていくか、っていう分かりにくさをちょっと強調しすぎたってところはあるんですけど。
富野 そういうとこで言えばです。せっかく「中二病」という様な着眼点を持っていながら、あまりにもバックグラウンドに自分たちが今まで我慢してた物語が作れるんじゃないかと思って、色んな事を放り込み過ぎてて自己破綻をしているという風に感じました。
竹山 いいですね盛り上がってきましたね。
富野 (肩にタッチする)ありがとうございます。

STAR STORKS~星のゆりかご~

PV前

富野 (バツイチだけどチョコをもらった話に対して)ちょっと待って、コレそういう番組かよ!

PV後

富野 年長者の立場から言った時、「あーあ、こんな昔のもの、出してもらっちゃ困るんだよね」っていう歴史的な観点はあります。が、吉田さん今ものすごく良い事言った。「メカの温かみ」。今僕ね、リアルガンダム大っ嫌いなのね。リアル過ぎて。この方向性っていうのはあって、メカだけで良いよ、って。ここまで割り切ってる企画って初めてじゃない? 提案があります。毎日3分か4分のショートショートで毎回シリーズもの。そういうスタイルってあるんじゃないのかな。

RS計画

PV後

富野 僕には想像力がないから、記憶以外に失くすものがあるのか、という部分が全く想像がつかないんで、それについての回答をきちんと持ってらっしゃる作家だったら、素敵だなと思いますけれども、匿名の方の事情も分かっております。アマチュアだったら、名前出せます。「プロだからこうなの分かってくれよ」そんなの画像見れば分かるよ。

ラスト

富野 こういうレベルで来るとは思ってなかった、というのがあるので、これ以後これを契機に立ち上げていきたいなと思います。やはりちょっとだけ違う目線から見たらこういうものが作れるという意味では、それほど「メカもの」とかいう部分がまだ落ち込む必要はないな、こういうアイデアがあるんだという事を教えてもらえたという意味で、本当に参考にもなったし勉強にもなったし、ちょっと負けてられないからどうする? という事を考えなくちゃならない。本当に今日はここに出させていただいてありがとうございます。で、今後はみんなで頑張っていきましょう。