サンライズフェスティバル2015白南風 Gのレコンギスタ オールナイトトークショーメモ

すいません途中までです。総集編作業と思われるラッシュ発言まで。

トークショー

谷口 ひとりずつご挨拶をいただいていこうと思います。それではまず石井マークさん。
石井 主人公ベルリ・ゼナムを演じています、石井マークです。今日は宜しくお願いいたします(拍手)。この会場がとてもすごいので、たぶんお家とかでG-レコを観てる方は家とはまた違った感覚で観れると思うので、お楽しみに。宜しくお願いいたします(拍手)!
谷口 続きまして、吉田健一さん、宜しくお願いいたします。
吉田 こんばんは。大画面で観られるのはちょっと厳しいんですけど(場内笑)。楽しんでいただければと思います。今日はどうもありがとうございます(拍手)。
谷口 形部さん。
形部 メカデザインの形部一平です。宜しくお願いいたします(拍手)。
谷口 それだけでいいんですか?
形部 はい。
谷口 はい、了解しました。そして菅野祐悟さん。
菅野 音楽の菅野祐悟です。宜しくお願いします(拍手)。ここに立つ事になったの、一時間前くらいに決まりました(場内笑)。突然なぜか今僕ここにいるんですけど、皆さんにお会いできて運が良いです。宜しくお願いします。
谷口 菅野さんをお連れした張本人ですね。
小形 はい、一時間前にたまたま菅野さんにお会いしてお連れしました。サンライズの小形です。宜しくお願いします(拍手)。今日は大入りですね。あそこの席とか図書室みたいですごい(ボックスシート)。
石井 ウェーイ。
小形 勝ち組ですよ。
谷口 勝ち組って言っちゃダメですよ。
小形 ダメですか。朝までゆっくりとお楽しみください。
谷口 じゃあ富野さん。お願いします。
富野 富野です。ほんとに今日は皆さんこういう風に来ていただいてありがとうございます。実は今、はじめてこの瞬間に、これだけの皆さんがいらしていただけるのが分かりましたので、自信を持ちました。ので、申し訳ございませんが、皆さん方のお力を借りたいと思います。ご存知の通り、今日現在、東日本一帯の豪雨で、ああいう水害に遭い、家が流され、未だに親族を探してらっしゃる方がいらっしゃる。それから、水もまだひいてません。それで皆さん方の力をお借りしたいのです、15秒間。彼の地に皆さん方の若々しい力を投げ与えたいと思いますので、15秒間黙祷を捧げたいと思いますので、皆さん方ご起立をお願いいたします(観客起立)。明日降るかもしれない雨が、本当になるべく早く上がる様に、そして被災に遭った皆さん方が立ち上がる様に、皆さん方の力を東日本一帯に投げ与えたいと思いますので、15秒間の黙祷をお願いいたします。黙祷。

(15秒間黙祷)

谷口 はい、ありがとうございます。
富野 ありがとうございます(場内拍手)! 皆さん方はこの様にいらしていただけるという事で言えば、やっぱり今力がある訳だし、余力がある訳です。本当にこういうものが、日本中に広がれば良いと思っています。そして、そして、いきなりG-レコに繋げます。この様な気分を作品に投げ与えたいと思って作りましたけれども、皆さんがご存知の通りの結果になっております。その意味ではちょっと、ちょっと悔しいかな(場内笑)。ご着席ください。今日の事で言うと、びっくりしている事があります。菅野さんは何で来たのいったい(場内笑)?
菅野 すいません、お邪魔させていただいて。実はですね、今日、皆さん多分ご存知だと思うんですが、澤野弘之さんという作曲家の方のライブがZepp東京でありまして。小形さんにお誘いいただいて一緒に見ておりまして。
小形 この業界で、二大若手音楽家と言われている二人が、僕一緒にたまたま連続してご一緒させていただいたので、菅野さんに会って、「実は富野さんとこういうのあるんですけど」って言ったら、ついでに来ていただきました。本当はこういうところ……ですよね、監督。菅野さんに来ていただく場としては。
富野 違う違う違う違う。来ていただくんだったら、そりゃ菅野さんの都合があるだろう! これだけ皆さん方の前でね、菅野さんもこの格好で来るつもりなかったんだからね。これっきりだったんだね。
小形 これはでも、なかなかレアですね。
富野 無礼だろ!
菅野 メイクしてカッコいいスーツ着てここに立ってますね、絶対に。
富野 こうやってお尻が二つに分かれてるから(燕尾服のジェスチャーしつつ)。
谷口 話長くなるんで。お掛けください。もう、初っ端から飛ばしすぎですよ。まだ時間あるんですからね。
富野 全然時間ない。
谷口 あぁ、そうですか。じゃあトークショーっぽい聞きまわししていいですか。
富野 だったら、任せる(後ろに下がりつつ)。
石井 下がらないでくださいよ。
谷口 それではですね、あらためまして、G-レコの本放送を終えられて。あらためてG-レコというものに対しての皆さんの、こんだけ、菅野さんもいらっしゃるという事でこれだけ各セクションの方が集まられたので、一言ずつね、振り返って感想いただきたいと思うんですけど。石井さんどうでした?
石井 そうですね、あらためてG-レコという作品を振り返ると、やっぱり、本当にちょっとした日常がたくさん出てくるので、観てて生活観溢れる描写とかに癒される部分とかもあって。すごく観やすかったなと思いますね。
谷口 その生活感を描いていただいたのが、隣に座られている吉田さん。
富野 だけど吉田さんは「大画面で観られるのイヤだよなぁ」って(場内笑)。
谷口 でも吉田さん、こないだの夜のG-レコ研究会、惜しくも来れなかったという事なので、そこを吉田さんから語りたい事いっぱいあると思うんで。
吉田 いやいや、色々語っちゃったんですよね、今まで(なんば紅鶴イベントなど)。
谷口 えっ? でも今石井さんが仰られた様に、色々G-レコって生活面においても、富野さんが作った様式って言うんですかね、風俗的な感じ? 生活含めて、それを吉田さんたち演出されていったと。
吉田 はい。もっとちゃんとやりたかったなぁって思いますけどね。
谷口 細かい動きとか芝居とか?
吉田 うん、そうですね。もうちょっと目が届けばなと悔しい感じ。
小形 すいません、ごめんなさい。
吉田 あ、いやいや(場内笑)。
石井 え、どういう事?
吉田 違う違う。単純に作業量がデザイン含めて多かったんで。今回は追いつかなかった、自分の能力が。
富野 だからトミノがみんないけないの(場内笑)。あれだけキャラクター出されたら、作画チェックなんかやってる暇ねぇじゃねぇか!
石井 多かったですもんね、確かに。
谷口 吉田さん、ちなみに何体くらい描かれたんですか? キャラ的に言うと。
吉田 分かんないです(場内笑)。はい。
谷口 でもこないだムック(キャラクターデザインワークス)、出されてましたよね。
吉田 あ、出た。でもあれだと収まってないよ。
谷口 ええ、あれよりももっといっぱいあるって事ですよね。
吉田 ある。トワサンガのテレビクルーとか。
石井 へぇー。
谷口 「トワサンガのテレビクルー」ってパッと思い出せません。
吉田 オリジナル作品ってのもあるんですけど、あれはちょっと他人任せにしづらかった。いじんなって言うか(笑)。「こんなんモブキャラにいます」とか設定制作が言いに来たら「やる」
って言って。
谷口 半ば意地になられた。
吉田 意地になった。
谷口 でも監督からのオーダーも結構あったんですけど。
吉田 もちろんそうですけど、今回メインでないけど結構目立つキャラクターの数がかなり多かったんで、手の抜けないキャラ、パッと出せないキャラが多かった。
富野 いや、だからそんな風にするつもり全然なかったのよね。なんかみんなが出てきちゃって。
吉田 ある程度は想像はできてたんですけど、監督の作り方の場合は、出るだろうって想像は出来てたんですけど。自分の想定の。
富野 すごいね(場内笑)。
谷口 お二人で以前組んでやられてたキングゲイナーの3倍か4倍くらいの物量ですもんね。
吉田 キングゲイナーは結構ちゃんとポンと3、40人作ったら、割とそれを使いまわしていったんですよ。最初にキングゲイナーは作画に入る前に40人ぐらいは終わったんですよね。
富野 そうなの(場内笑)?
吉田 だから、結構作画の方に手を入れていたんですけど。で、G-レコは追いつけなかった(笑)。
谷口 半端なかったんですもんね。あとはロードムービーという事もありましたよね。
吉田 あと監督とのデザインを最初からやるというのが初めてだったんで。
谷口 前は確か西村キヌさんと中村さんに。
吉田 そうそう。原案の方がいたんで。
富野 キングゲイナー知らない人がいるから。
谷口 いや、ここに来られる方、キングゲイナー知らない方いませんよ。
富野 そんな事ない(場内笑)。
谷口 10周年です、見てください(ダイレクトマーケティング)。
石井 さりげなくボソッと。
谷口 僕やってたんで。
吉田 そうなんだよね。
谷口 ありがとうございます。ちなみにキャラクターも多かったんですけど、メカも半端ない数がありましたね。
吉田 多かった。
谷口 今げんなりした顔してますけど、形部さん。どうでした、メカいっぱい描かれてて。
形部 いや、僕はこの作品4年やらしていただきましたけども、ここに入る前はメカデザイナーではなくて。今はイラストレーターというよりもメカデザイナーと言われる事が増えるくらいになったのも、妙な座りの悪い感じがするぐらいの。なのでとにかく一生懸命やってたっていうだけです(笑)。
谷口 でもだいぶ鍛えられましたよね。
形部 いや本当です。本当にもう、いつも言ってるんですけども。四年間学校に行ってた様な感じで。その都度その都度皆さん教えてくれるっていうか。
谷口 なんかスパルタアニメ塾みたいな感じになってましたよね(場内笑)。
吉田 言いたい放題言うんだよね。
谷口 (アニメ制作)初めてではないんですよね。
吉田 二作目?
形部 二作目ですね。
谷口 吉田さんが「この線が引っかかる」とか仰られていましたよね。
吉田 言います言います。
形部 吉田さんとコヤマさんにはアニメ的なデザインの仕方、打ち合わせの度に教えてもらってましたね。
谷口 富野さんとのやりとりはどんな感じだったんですか?
形部 富野さんとのやりとり、僕はほんとにとにかく企画が中盤くらいになるまで僕のロボットが出るのかな、ってくらいの気持ちでやってたので。なのでとにかく数ばっかり出してたんですけど僕は。で、ある日富野さんが打ち合わせでいらっしゃった時に「これ全部使う」言われて。
吉田 出すからですよ(場内笑)。
形部 申し訳ない。
谷口 覚えてます? 富野さん。
富野 それは覚えてますし、形部君とは僕基本的に打ち合わせやってないんですよね。こういう言い方が許されるかどうか分かんないんだけども、勝手に出てくるのね(場内笑)。こんなに出てきてどうしようかな、困ったなと思って。だけどもそれの時にひとつだけ年寄りが気をつけた事があるのは、キャリアのある人が、キャリアの判断でやるときっと古いものになってしまうだろうから、青少年のこういう風に書いてくるんだったら、使って見せなくちゃいけないんだろうと思って、「全部使う」って言った訳です。そしたらほんと酷い目に遭って(場内笑)。こんな事言うんじゃなかったっていう反省がものすごくあったんで。後ろの5、6本のコンテのチェックをするのが、ほんとに実を言うとイヤでした。嫌いなメカばっかり出てくるから(場内笑)。
谷口 ちなみに何が嫌いでした?
富野 ジロッド(場内笑)。
谷口 かわいそうに。
石井 ジロッドだったんだ。
谷口 形部さん泣きますよ。でもね、形部さんはクビにならない様にって。
形部 僕としては逃げ切ったって感じ(場内笑)。もう嬉しいです。形になった時の気分って言ったら本当に。1話を家族で観たんですけど、ほんと感動しました。富野さんの作品で僕のメカが出てくる。
富野 いや、ウンと言いながらあれ1話には出てこなかった……。
谷口 出てますよ。グリモアとか出てるでしょ。
富野 グリモア、あ、そうか。
形部 カットシー
谷口 冒頭から。
形部 カットシー頭に出てるじゃないですか。
吉田 俺描いた(場内笑)。
谷口 じゃあ誰がラライヤを助けたんですか。
富野 すいません、今思い出した事で、昨日も1話の実を言うと、ラッシュ見てて。すっかり忘れてた(笑)。
小形 24時間前に見てたじゃないですか。
谷口 小形さん。
小形 すいません。
谷口 気抜いちゃダメですよ。後は菅野さんに伺っていきたいんですけども。今も劇伴の曲が流れてますけども。
菅野 はい。これはG-レコ反省会ですかね(場内笑)? このネガティブ空間。
谷口 いや、感想を伺ってるだけですから。なんとなく反省会っぽくなってるだけです。
石井 皆さんの感想がなぜか反省会っぽくなっている。
谷口 そうですね。石井さんにはあとでもう一回反省してもらいます。
石井 えっ? マジですか。
谷口 菅野さん。
菅野 いや、僕は本当に嬉しいです。後悔はありません。
谷口 前向きですね。
富野 だけどさ、菅野さんがそう言って信じられる?
谷口 同じ壇上に菅野さんがいる事が信じられません。
富野 ねぇ、あんな巨匠がさ、あんな事言うなんて絶対嘘だろ。
谷口 こういういじり方をしすぎた感じですかね。
菅野 喜ぶんで大丈夫です。
谷口 劇中曲ってのは、一番最初に打ち合わせをして菅野さんが作られているんですよね。その後追加で楽曲発注ってのはあったんですか?
菅野 はい、追加で。
小形 後半は追加でしたよね。
菅野 全部で三回?
小形 そうですね、三回ぐらい。
菅野 僕も物量で言ったら結構頑張りまして。100曲以上書きましたね。サントラ辞書みたいに厚くなって。
小形 形部さんがジャケット描いて。
菅野 ありがとうございます。
小形 あれほんとは吉田さんが描く予定だったんですよね(場内笑)。「これ描けない、ごめん、形部さんに頼んで」って。形部さんに一週間であれ実は描いてもらったんですよ。素晴らしい。
吉田 そんな事ばっかり(笑)。
富野 だけどそれは今の話は音楽の話じゃないじゃない。
小形 でも監督さっきから巨匠巨匠言われてますけど、その巨匠にトイレの曲(ハイフン・スタッカート)書かせたのも監督ですよ。
谷口 しかも一回しか使わなかったですよ。
小形 そうです。
富野 そうなんだけども、実を言うと、ここに来る1時間前に、あの曲をちょっと必要があって、3回くらい聴いてきたんです。今みたいな言い方、ものすごくムカッとくるの。
小形 すいません、申し訳ない。
富野 歌詞カードをとにかく読んでください、もう一度。ほんと好き! あれを私は、我ながらじゃなくて、井荻麟として名曲だと思ってます。これ以後流行る!
小形 なるほど。
富野 っていうくらい巧妙な作りになってて、ほんとに好きですね。
小形 あの3話のラストでかかったトイレの曲です。
菅野 はいはいはい。いやー、歌詞見た時びっくりしましたけどね。
小形 まさかこんなのを書く事になるとは。
菅野 いやいや。嬉しいですよ、もちろん。監督の詞ってのは「Gの閃光」も書かせていただいて、もうメロディーが詞で決まっちゃってるんですよ。なので、作曲は僕はもう、してない様なもので。監督の詞を見て、僕が鼻歌を歌うと、もうそれがそのままGの閃光であったり、トイレの曲だったりするので。多分木の中に彫刻があって削りとってるだけだってよく言うじゃないですか。そんな気持ちですよ。だから埃をパタパタはたいたらGの閃光のメロディーが出てくるみたいなくらい、詞に力が本当にあって。
小形 巨匠に言われてますよ、監督。
菅野 僕結構若いつもりでいるんですよ(場内笑)。

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