Gのレコンギスタ後の富野由悠季監督次回作について

Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック」に収録の宇野常寛氏との対談で語られた、富野監督次回作の情報についてまとめました。ムックに収録された内容と、宇野氏が自身のラジオ番組で未収録な部分について語った内容です。

オフィシャルガイドブック収録分

富野 ロボットものをもうちょっとファンタジーにしてみようという作品をサンライズでやらせてもらえそうなんです。であれば、ハリウッドで作るというような馬鹿な話はやめて東京で作るべきものは考えています。今回の『G-レコ』でもうひとつ確認できたのは、手描きのアニメは間違いなく残るだろうってこと。変なもので、ハリウッドが3Dをやればやるほど、手描きのアニメが逆にレアになる。このレアさ加減を、今の10歳以下の世代にわからせる作品があるべきなんじゃないのかと考えています。それを『G-レコ』を作った中堅のアニメーターたちが働けるうちに手描きでやる。そういう目標が出てきたので、もう2、3年はがんばらせてもらいたいと勝手に思ってるのね。
(中略)
ただ、種まきをするだけでは済ませたくはなくて、俗にいう作品賞を取れるようなものにはしたいよね。

THE HANGOUT 延長戦6/29での宇野氏の発言

宇野 G-レコで富野監督と4時間半対談したんですよね。まだ全然原稿とか上がってきていないんで。どっかで記事になると思うんで。訳分かんない事の意味とかについて色々聞いたりしてますよ。
結構オフレコな話とかもいっぱいあったんで。富野監督次回作ね。こんな事やりたい構想とかね。たぶん載っけられないと思うんですよね。もう一本やるならこれをね、こんなフォーマットでやりたいって発言。僕すごく嬉しかったんですけど。いいなぁ、あれはやっぱり。何となく察してください、みたいなね。実現したら良いなと思うんですけど、ほんとでも構想レベルだから具体的な話には何にもなっていないと思うんですけどね。引退じゃなかったですね。もう一回やりたいって言ってましたよ。

THE HANGOUT 延長戦 9/22での宇野氏の発言

宇野 収録されないけど次の新作の話ですね。僕は非常に楽しみにしてますね。(番組で)鼻歌とかで仄めかそうと思ったんだよね。

前々回の記事で、宇野氏の6/29のラジオ発言から、既存活字作品の映像化、もっと言うと宇野氏の反応から「閃光のハサウェイ」の映像化では? と、推測というか妄想を書きました。
そしてムックには、発売前情報に反して、上記のロボもの次回作の話が収録されていました。
では、宇野氏の語った次回作の話とイコールなのかと言えば、私は違うと考えています。もしかしたら同じ作品かもしれませんが、カットされた話の箇所が違うのではないでしょうか。と言うのも、宇野氏の話と一致しないんですよね、ムックの内容は。宇野氏がああまで反応するのか、フォーマットの話がない、鼻歌で仄めかせる内容(具体的なタイトル)でない、など。また、ムックでは話の前半部分に次回作の話がありますが、カットされた話の大半はG-レコの話が終わった後の、富野監督が最近読んだ本などの雑談1時間分だったそうです。確かに、対談の終わりはそういう流れになっています。カットされた次回作のもっと具体的な内容も、そこで語られていたのではないでしょうか。
ちなみに「ファンタジー」は、ムック対談の文脈上、嘘八百的なニュアンスであって、いわゆるバイストンウェルもの的な意味合いではないと思われますので、そこを勘違いしない様に。

オオカゼノオコルサマ・LegacyEffects提携作品

ではこちらがシフトしたのか、と言うと、前述の次回作はサンライズの企画なので、これとは別なのではないでしょうか。
オオカゼノオコルサマとLEの間に立っていた実制作会社が降りた、とかで、だから企画自体はまだ残ってると思われます。