ガンプラEXPO2014 Gのレコンギスタ トークセッション第1回メモ

トークセッション

倉橋 MC担当させていただきます、バンダイの倉橋です。宜しくお願いします。
小形 サンライズでプロデューサーをやってます、小形尚弘です。今日は宜しくお願いします。
形部 今回メカデザイナーやってます形部です。宜しくお願いします。
名田 バンダイ ホビー事業部の名田ことグリモアです。宜しくお願いします。
小形 先程馬場さんの方からご紹介あったグリモアさん。
倉橋 そうですね。先程裏でですね、小形さん形部さんからも公式にOKいただきまして。
小形 元々、名田さんをごらんになって形部さんがデザインされたのがグリモア
形部 (笑)
小形 今日から公式になりましたので、名田さんの事宜しくお願いします。
名田 グリモアと呼んでいただければと思います。
(説明中略)
小形 かなりこの企画長くやってまして。たぶん一番最初2007年とかそれぐらいだったと思います。富野監督が、たぶん「リーンの翼」が終わったか終わらないかぐらいの時からちょっと始めて、今に至るって感じなんですけど。最初はガンダムって付いてなくて、メカものをやりましょうって話になって。ロボットが出てくるガンダムの様なメカものをやりましょうって話だったんですけど。2007年から始まって、その時からG-セルフって名前あったんです。
倉橋 ガンダムじゃなかったけどGは付いてた。なるほど。
小形 これ明らかにガンダムだよなと社内でも騒然となりまして。このままガンダム付けずに生で言っても良いんだけど、大人の事情ってのがあるじゃないですか。やっぱりG-セルフって付いて、ガンダムそのものみたいな感じのストーリーラインで来てたので、だったら皆でちゃんと、バンダイさん含めて、応援できる様な感じのガンダム案件にした方が良いんじゃないかって社内でなって、今に至るって感じですね。形部さんに入っていただいたのは、あれは何年ぐらい前ですかね。
形部 丸4年ぐらい。
小形 4年ぐらい前ですかね。
形部 2010年の終わりぐらいに電話いただいて。そっからです。
倉橋 元々形部さんは富野さんとはどういう知り合いだったんですか?
形部 全然関係ないCM的なコンペがあったんです。そこでちょっと絡ませていただいて。で、ちょっと写真一緒に撮らせていただいて。それだけの関係です。
小形 富野さんって、この人が良いって突然連れて来るんです。形部さんも、ちょっとこの人にメカを頼みたいんだと。富野さんずっとコンセプトとしてG-セルフってガンダム系で決まってたんですけど、やっぱりザクみたいな、ああいったシルエットが欲しいと。それが新しいシルエットで欲しいとずーっと言ってまして。それを企画してる最中もずーっと探してってたんですけど、その中で出てきたのが形部さんの名前で。ちょうどあの頃ってウチの「セイクリッドセブン」とか。
形部 「セイクリッドセブン」の終わりぐらいで。でも始めの頃には主役のガンダム的な奴を描きましたよね。
小形 始めは兎に角、あの時安田さんも合流してなくて。それこそ何も決まってない状態と言うか。
形部 ガンダムじゃないと言われましたよね。
小形 主役機含めて色々描いていただいたんですよね。
形部 その時に描いた内の一つがマックナイフ
小形 そうですね。マックナイフは何気に一番最初に近い、形部さんから出してきてもらったのが、この後紹介する、あそこで今プラモの原型があったマックナイフっていう。本編だともうすぐ出てくる機体なんですけど(モニターにデザイン形部稿が表示される)。これに近いものがまず形部さんから上がってきて。その時点ではG-セルフも何も無くて。やっぱり凄い特徴的じゃないですか。一旦これは保留になったんですよね。
倉橋 なるほど。一発目から攻めすぎた感じだったんですかね。
形部 全然描けなかったんですよ、全然。ロボットも全然描いた事もなくて。
小形 それまでロボットを描いてきた事は?
形部 子供の時は描いてましたけど。イラストレーターやってからはもう女の子とかだけなんで。巨大ロボットとか全然描いてないです。
小形 ここに富野さんが何故か発注すると。
倉橋 来たんですかね何かビビッと。
小形 富野さんはずっと、こないだもイベントで僕ら話ましたけど、形部さんの事をNIKEのシューズをデザインしたとずっと思ってて。
形部 最近まで。
小形 たぶん今も思ってる。
形部 マジですか。言っといて下さい(笑)。
小形 いやいやそのままで良いかなーと。「靴とかをデザインできるんだからロボットもデザインできるはずだ」富野さんの謎理論。
形部 (靴のデザインを)やってない。一切やってない。
小形 形部さんに発注する事になって、まずこの形態(マックナイフ)が上がってきて、違うからもうちょっと、と言われたんですよね。
形部 その前にもう一個あったんですけど、それがもう「全然違う」って言われて。これを上げた時に「形は面白いけど……」っていうので一回保留になって。そこから安田さんが合流。
倉橋 一回G-セルフ描いてるんですね。
形部 G-セルフというか……。
小形 あの時はもうG-セルフでしたよね。
形部 一応設定にはG-セルフとありました。マンマシーンの頃。
小形 まだモビルスーツじゃなくてマンマシーンの頃。「ガイア・ギア」か何かの。あれを富野さんが引っ張ってきてるのか、忘れて(新規のつもりでい)るのか分からないんですよ。始め企画の段階ではモビルスーツじゃなかったんです。マンマシーンっていう言い方をしていて。それがガンダムとの監督の中での差別化だったんですけど、それが途中からモビルスーツにすりかわっていて、ガンダムにしたいという事になった。その途中から、2010年から、形部さんからガッツリ入ってもらって、メカをどんどん描いてってもらった。
形部 安田さんがその後入られるんですけど、それから加速した感じがしますね。
小形 そうですね。まずは富野さんって色んな情報を集めて、それをどんどん肉付けしていく、ってやり方なんで、アイデアが周りで多ければ多いほど、それを物語化していくやり方なんですね。G-レコでは形部さんが、安田さんが入ってから確かに固まってきた感じがしてきたんですけど、安田さん何せ手が遅いんで。全然何体も出てこないんで。だいたい安田さんが一体描いている内に形部さん10体くらい描くみたいな。そのくらいスピード差があるんで。でも今回の作品が今の形に成り立ったってのは、形部さんのエネルギーというかパワーがあって、それに富野さんが乗っかってここまでできてる、ってのは結構あったので。
形部 安田さんが入られて、ヤバいな、ってのがあって。クビにならない様に兎に角やったと、それだけなんです。怖くて。
倉橋 安田さんになっちゃうんじゃないかと。
形部 安田さんになる、ってのは何となく分かってたんですけど。一応富野さんの作品なんで、名だたるメカデザイナーの方がどんどん来られる可能性あるじゃないですか。「これは終わったな」と思って。
小形 山根さんが一番最初に入ってたんですよね。山根さんが企画当初からあったんですけど、山根さんはあくまで戦艦の方をやってて。実際山根さんの方でもガンダム一回やってるんですよ。ああじゃないこうじゃないが結構長く続いて。その過程に形部さんもいたっていう。
形部 ちょうど山根さんのメカが次回出るじゃないですか。ウーシァ。
小形 それちょっと形部さんも手を入れてますよね。
形部 なんかクリンナップをしましたけど。
小形 後で話をしますけど、面白いやり方を今回採っていて。
倉橋 安田さんは後からで形部さんからだったんですね。
形部 結構ヤバい時があったんです。非通知で無視してたんです。2ヶ月くらい。
小形 富野さんの携帯って何故か非通知で来るんです。
倉橋 それは小形さんでも?
小形 僕でも。携帯非通知着たら「着た! ヤバいぞ」と。何か情報漏えいを気にしてると。でも非通知でかけてくる人いないですよね。富野さん以外。
形部 あとマンションの勧誘とか。
小形 安田さんが入ってから、形部さんはメカ描くのが初めてだったんで、設定周りとかコンセプトの部分とかが、今考えるとバラついてた感じが。
形部 そうですね。
小形 例えば富野さんのやり方が見た感じでどんどん配置を決めてっちゃうんで。
倉橋 敵とか味方とか。
小形 そうそう。キャピタルだったりアメリアだったり、そういったとこを印象で決めていくんですよ。だけどそれって本当はメカのラインでいくとキャピタルはこういう技術体系だからこういう風にしてこういうコクピットになりました、とか。アメリアはこのくらいの技術は積んでいるから、このくらいのデザインで、というのを普通はやっていくんですけど、富野さんはそういう事ではなく物語から入っていっちゃう。それを安田さんが入って整えていったって感じに。
形部 その後もどんどんシャッフル、シャッフルで、しょうがないからって一回皆で集まって「どうしようか」っていう。
小形 デザイナーさんだけで集まって。安田さんと形部さんとコヤマさん、吉田さん。集まってそれぞれ今出てるメカを全部並べて「ここはそれぞれここに寄せた方が良いんじゃないの」とか会議をやりました。
形部 例えばアメリアとかだと十字の目があるじゃないですか。ああいうのの色についても統一したりとか、キャピタルはセンサーの色が全部統一されてるんですけども、オレンジと緑。ああいうのも揃えたりとか。レクテンのディティールをカットシーに盛り込んだりとか。何となく均したんです。
倉橋 バンダイグリモアが黙っちゃってるので。
名田 今回の「Gのレコンギスタ」シリーズなんですけど、コンセプトと言いますか全体的に、小さなお子様でも簡単に手にとっていただいて、最後まであきらめずに作り上げる。作り上げてこそ楽しいんじゃないのかなと。積んどく方結構いらっしゃりますけども。そうじゃなくて買ったらその場で箱を開けて作ってしまうと。去年から始まったBF1期ですとか、オールガンダムプロジェクトですとか、そういたっところからPC002というのを使っています。これを使う事で結構簡単にプラモデルを組むことができます。関節部分に通常よりもちょっと柔らかめの素材を使っております。可動する部分に全部ポリキャップを仕込めば良いかっていうとそうでもなくて、可動する部分で何が大切かって言うと摩擦力なんです。摩擦力さえ確保できれば別にポリキャップをわざわざ仕込む必要はない、っていう考え方で作られています。今までオールガンダムでいうと関節部分にしか使ってなかったんですけど、それを「Gのレコンギスタ」シリーズでは積極的に活用しています。今回のデザイン、今までオールガンダムでいうと関節部分グレーしかなかったんですけど、関節部分今回結構カラフルなんですよね(笑)。なのでたくさん新色を作りました。
小形 今回形部さんデザインはカラーリングの使い方が凄く斬新で、色が今までのモビルスーツ系の、ロボットアニメ系と違う感じが凄いします。
名田 今までは記号というか、メカはグレーとかそういう感じに決まってましたけど、本当にカラフルなんですよね。グリモアはブラウンだし、アルケインは赤だし。モンテーロはダークイエローだったり。今までのグレー一色って訳にもいかなかったので、それに合わせて。
小形 これはデザインする時に、何か気をつけて?
形部 逆に言うとあんまり気をつけてないからだと思うんですよ。ルール的なものがまず頭の中にないので。こうじゃなきゃいけないというのがまずない。隣に赤があった方が良いなと思ったら関節でも赤く塗っちゃう。
小形 映える感じはします。
倉橋 ちなみにグリモアはどういったイメージでデザインとかされてたんですか?
形部 特殊部隊の人たちの服装とか見てると、結構凄い防弾チョッキとか着てるからゴツいじゃないですか。樽みたいになって。ああいうものから描き始めたんですけども、始めはもっと頭は小さかったんですよ。かなり皆でこねこねこね回してやっていく内に、富野さんが最後に「こういうちょっと怪人っぽい頭にしようか」ってラフを描いてくれたんですよ
小形 だいたい今回のデザイン皆そうなんですけど、富野さんって出てきたものを全部そのままストレートでOKって、なったことがないんで(会場笑)。そこが凄くて、今年73歳にもなるお爺ちゃんが、メカに対する造詣の深さというか、富野さんに言われた通り直すと、かっこいいってなるんです。
形部 特に今回のジャイオ……(会場笑)。
小形 ジャイオーンも最初っから全然違う方向性になりましたしね。グリモアはさっき見ていただいた画稿は、安田さんが描いた画稿で。元々形部さんがグリモア描いてたんですけど、安田さんがまとめてみる、って言ってこれを描いた。そういうのも凄く勉強になってて。普通はやらない。一人のデザイナーさんが統一してやるってのがあれなんですけど、これ今回富野さんがやる時共通してて、「一人の人間がやったものだと凄い天才じゃない限り良いものにならない。自分がガンダム創った時も色んな人のアイディアが入ってそういう風になったから、基本はそういう作り方をしたい」って。あの人は今年色々騒動になった佐村河内の話じゃないですけども、ゴーストライター推奨派なんです(会場笑)。音楽の菅野さんとかにも打ち合わせの時に、「僕はゴーストライター使って良いと思ってるから」って(会場笑)。菅野さんが「僕自分で一人で書きますよ」って。「いや、使って良いから使ってよ」って。平気で言っちゃう様な人なんですけども。ただ色んな人の力が重なって、こうなるってのはグリモアは特にそうでしたし。
形部 そうですね。グリモアを組み立てる時に特にそういうのが濃い作業だったんで。その後はたくさんがあるので、皆でこねくり回してというより手分けして、ないんですけど。これは徹底的にやったおかげでその後にやるものの流儀というかメカものの方向性みたいなものがズバッとできたので。だいたいこれに合わせる形でラフをクリンナップしていけばなんとかなる。
小形 一番最初にお話したザクに替わるシルエットってのがこのグリモアで、富野さんの中では手に入ったかな、っていう。
倉橋 最初にグリモアが世に発表された時に、話題になりましたからね。
小形 量産機っぽい量産機って感じがしますね。
倉橋 おなかに玉が入ってるじゃないですか。それでガンプラも可動範囲が。
名田 上下にボールジョイントが入ってます。そのおかげで今まで以上の腰部分の可動を実現。
小形 形部さんこれはデザインの時から結構球状のコクピットは使われてますけども。何か意識があったって訳ではない?
形部 一番初めから球状の部分はあったと思うんですけども。さっき言われた通り、上に上下のスイングの可動と肩に回転の可動を持たせれば良いなと思って。ガンダムに関わるって事は、プラモデルになると嬉しいなってのがあるじゃないですか。だからそういう意味で遊べる要素というのを意識して入れてます。
名田 その分本当に作りやすかったです(笑)。プラモ化のことをよーく考えていただいて。
形部 それをやりすぎたのがアルケインですね。
倉橋 あー、そうですね。後でじっくり。
小形 (グリモアキットは)作画さんも遊んでますね。
倉橋 ではグリモアの話はここまでにして。
小形 こないだ発売にされたばっかりなのにお亡くなりになってしまって(会場笑)。まさかまさかまさか。
倉橋 それを聞いたので発売を11月の上旬に。元気な内にと思いまして。
小形 活躍かどうかは分からないですけど、インパクトはありましたよね。クリムというキャラクターが立ったキャラクターだったので。それの搭乗機でモンテーロはかなり目立ちましたけど、まさかあんな死に方をするとは(会場笑)。9話って話数がちょうどメガファウナって海賊船が移動してキャピタル・タワーの方に戻ってくって話で、唯一、本当はメカ戦入れたくなかった話なんです。僕は「メカ戦今回無しで良いんじゃないですか?」って、作画キツいし、毎回毎回入ると。「今回は情景描写とキャラクターでイケるんじゃないですか」って富野さんに言ったんですけど、「いや入れる」と。「今回は必ずメカ戦を入れて、そこで子供を惹き付けたいんだ」と言うので、出てきたシナリオがまさかのモンテーロ放置してやっつけるっていう。
形部 囮でしたね。
小形 でも刺し違えたという事になりますから。
形部 あんまり普段と変わらない強さでしたね。
倉橋 そうですね(会場笑)。
小形 エルフ・ブルックもね、形部さんのデザインで。
形部 ああ、同時にやられた。乗り捨てましたからね。
小形 ずっと「バララ、バララ」って(笑)。女の名前を叫びながら。
形部 脱出装置くらい付いてないのかなって。
小形 あれはシナリオの段階だと、マスクの超人的な肉体を表すためのシナリオだったんです。ただちょっと面白い感じに(会場笑)。たぶんコンテ描いている内に面白くなっちゃった。
倉橋 悪乗りってやつですね。
小形 ウサ耳のバララまで出てきて。あれも初め、吉田さんが提案したんです。富野さん初め結構怒ってて。「こんなの俺が一番嫌いなタイプじゃないか」(会場笑)。吉田さんが今回こういうのにしたいと言って、もっとデカかったんです耳が。それを富野さんが「これくらいだったらガマンの範囲だ」と言ってラフを描いてましたね。
倉橋 却下しないのは優しさなんですね。
小形 却下する時は却下します。無碍に却下する時あります。
エルフ・ブルックの試作がでてくる)
小形 こいつ(モンテーロ)にやられたエルフ・ブルックの方が先にデザインとして上がってきた……?
形部 いや、こっちでしたね(モンテーロ)。最近データ漁った時に探ってみたんですけども、結構これが早めに上がってきた。グリモアをやってる時に途中で出てきてて。
小形 先に青じゃなかった時?
形部 一番初めにクリム用は青って決めてたんですけど、途中でちょっと迷って黒にしました。あと銀色とか。
小形 あと形部さんにやってもらって凄い印象的だったのが、エルフ。ブルックの足が長い。そういうのが形部さんのデザインの特徴だなと。
形部 僕も立体になって良かったなと思いますけども、最近まで大丈夫なのかなと思ってました(会場笑)。僕みたいな素人がやって良いのかなっていう感覚まだ引きずってましたけども、これを見るとやっぱ良いなと。
小形 (モニターにサーベル発振テストの元ネタの形部氏イラスト)これ7話か8話にあったと思うんですけど、これもまず形部さんがデザインの時に描いてきてくれて、これを富野さんが採用したっていう。
倉橋 マスク機が腕組んでましたよね。
形部 組ましとけば良かったです。
小形 それを付け加えるのが演出の、富野さんの仕事なんです。キャラクター付け。このビームサーベルが足から出るってのは、これはどの辺から生まれたんですか?
形部 キャピタル・アーミィ自体が、空中戦メインで行こうっていう方向性でなんとなく決まってたじゃないですか。で、カットシーがあって。カットシーは明らかに飛べそうな羽があって。その流れで行きそうな時に、カットシーって足にサーベルがあるじゃないですか。それの発展版みたいにしようと思って。こいつ自体は飛行形態に変形するんで、どちらでも使える様なものを付けようかな、ってことで付けたんですけど。元々はエルフ・ブルがいるじゃないですか。ブルは足にサーベル付いてないんですけど、あいつはそれ用にビームライフルがあって。ビームライフルがこういうエネルギーを集中させる為の武器としてあったんですけど。こいつではそれを取り払って足にエネルギーを集中させる装置を付けようと思ったんですけど……本編ではビームライフル持ってましたよね(会場笑)。
小形 全部富野さんは汲み取りはするんですけど、たぶんデザイナーさんが考えた事と全く違う事をやってくる。そのままやってきたんじゃ富野さんが居る必要性がない訳で。それに手を加えて「俺だったらこう使う」ってのが今の映像なんですね。メカ戦になってる。
形部 凄い面白いですよね。
小形 こんな使い方するんだって。
倉橋 形部さんも映像を見ておっ、って思うことも結構あるんですか。
形部 思います。しかも何か今回白箱とかも来ないんで。
小形 すいません(会場笑)。
形部 放送を凄く待ってるんですけど、毎回家族全員でおーっ、と。
倉橋 Twitterでいつも呟いてらっしゃいますけど、さっきのエルフ・ブルック(の編隊絵)なんかも「使ってくれてたんだ」って。
形部 発振テスト。そのまま出てきたんですっごい嬉しかったです。感動しました。
小形 富野さんは本当基本的に、デザイナーさんの意見も僕らの意見とかも、話をするとちゃんと聞いてくれて、それをバックしてくれるんです。物語に。
倉橋 なるほど、反映させてくれるんですね。
小形 バンダイさんからの意見とかも時々あって、それに対して凄い文句を言いながらも、ちゃんとやる(会場笑)。
名田 やっぱり文句は出るんですね(笑)。
小形 誰がやっても文句は言います(会場笑)。今回も安田さんが一番怒られて。安田さん手が遅いんで後出し後出しするんです。だからバックパックを後から全部出してきて。バックパック後からなんです。シナリオ全部終わった後に安田さんがバックパックを「実はガンダム7種類なんです」って。大激怒。実はコアファイターも入ってますとか。また大激怒です。「そんなもん使えるか!」って言ってましたね。
形部 言ってましたね。
小形 それを激怒した一ヵ月後に5話のコアファイターの換装の、使わないって言ってたにも関わらず使ってるなぁって。
形部 実際面白くなりましたね。
名田 「飛んじゃってー」のやつですね。
倉橋 ちなみに使わない話が出たんで、次のちょうど発売になってますアルケイン。これはバンダイとしても是非おうかがいしたい部分。買っていただいた方はわかるんですが変形するんですよね。これは形部さんのイラストなんですけど、今のところ作品の中で変形したシーンがないじゃないですか。いつ出るのかなと心待ちにしている方もいらっしゃると思うんですけど……。
小形 富野さん凄い忘れっぽいんで。ちょうどこの画稿です。たぶんこれを貰った事を忘れてる。
倉橋 この一枚を忘れてる?
小形 プラモデルが出ますよって時に、テストショットが来て、変形ギミックも入ってて、「富野さんこれ、アルケインって変形しますよね?」ってちょっと聞いてみたら、「えっ? えっ? アルケインって変形するの?」(会場爆笑)。
倉橋 なるほど、忘れてらっしゃったと。
形部 あー……。
小形 すいません。
倉橋 それはもう責められないというか何と言うか……。
小形 流石にこれだけ設定量があるとね。
倉橋 そうですね。
小形 形部さん的には初めから変形考えて?
形部 結構初めの方に出したと思うんですよ。ギミック自体は。
小形 富野さんすぐ忘れる(会場笑)。
倉橋 (笑)結構大事ですよね、変形。
小形 アルケイン自体は始め存在してなかったんですよね。始めアルケインはなくて。赤いモンテーロアイーダ乗せるつもりだったんです。
形部 それに、これより先に赤いモンテーロ描いたんです。それがあって、クリムに乗せるために頭を削ったのがこっち(HG モンテーロを指して)。
小形 アイーダも、これ乗せるって訳じゃなかったんですけど、色々考えて、ガンダムになった前後か後くらいで、やっぱりG-セルフが1体あって、G系統のモビルスーツが欲しいな、って話になって、だったらもう一体、G系のモビルスーツを出しましょうって話になって、アルケイン。名前も違いましたよね。
形部 アーレントです。
小形 そっからアイーダが乗る事になって、非常に女性のラインを意識してる?
形部 そうですね。始めはガンキャノンポジションみたいなイメージがあったので。
倉橋 ガンダムの隣にいるみたいな。
形部 あと、抑えで普通のガンダムがいても良いかなと思ったんで。凄く箱型って感じの四角いガンダムを描いてたんですけど、でも監督的にもっと女性のなら女性のラインを入れようという事でやったんです。結果的に良かったというか。
小形 今もう変形しないんですけど、あんま活躍もしてない(会場笑)。僕も結構アルケインのライン大好きなんですけど、しかも狙撃できる様になってる。でもこないだエルフブルをやっつけるのに一発を。
名田 最後の止めの一発ですよね。
小形 漸く。アイーダ自身も自覚し始めて。
形部 アイーダのキャラクターが出てきたので、変形しないのも已む無しかな、という空気が世の中に出てません?
倉橋 作品の流れを見てくと、ここで急に変形しても……と思わなくもないんですけど、いつか「再現」って言葉使いたいなって気持ちはあるかなと。
小形 この三体、どれも魅力のあるキャラクターで、良いキャラクターみんな乗ってるんですけど、スパロボとかGジェネに出てきた時の数値がちょっと気になりますよね。毎回毎回やられるじゃないですか。モンテーロの首とれたりしてますもんね。
形部 どうなんでしょうね。
小形 どうなんでしょうね。
倉橋 高めに設定してほしいですね。
形部 対艦ライフルも開いて出るじゃないですか。これはどうなんです?
小形 これもコンテの段階では確認してないですね。
倉橋 プラモデルも搭載してます。
小形 だいたい本編見ていただくと分かる様に、アイーダさんはやっぱお姫様なんで、戦わせちゃいけないってのがあるんですね。で、やっぱクリムが一番先頭を切って闘って、ベルリがアイーダを守りながら闘うって図式になってて、どうしても活躍しにくいって言い訳をしてます。そういうポジションにどうしてもなってしまう。そうすると、中々接近戦とかもあんまないんで、これも使いどころがないのかな、って思ったり、自分の中では解釈してます。
倉橋 確認ですけど、忘れてるわけじゃないですよね?
小形 忘れてる可能性はあります(会場笑)。あの画稿ごと忘れてる可能性があります。
名田 ここぞって時に出ますよね?
小形 出してもらいたいんですけどねー。アイーダにここぞって場面があるのかどうかが分からないですね。
倉橋 是非一言言っておいていただけると。
小形 分かりました。「ありますよね?」って。これ(HG)を机の上に置いておけば良いんですね。「なんだこれ?」って。酷い使われ方をするかもしれない。穴掘るとか。
倉橋 是非プラモデルを作りながら、いつ出るかな?と想像しながら楽しんでいただければと思います。時間が残り15分になったので、まだジャハナムとかいるんですけど、第2回もあるので、そちらに回させていただいて、質問コーナーをしていきたいと思います。

質問1 モンテーロがやられましたが、ビームジャベリンの出番はあるんですか?

小形 富野ガンダムってのは、散り際も一つの美学じゃないですか。すぐ復活してきちゃうのもアレなんで。ここからは皆さんがプラモデルを買っていただいて、是非モンテーロを、自分はこうしたかったというのを再現していただけると。ビームジャベリン、他のマシンにないですので。
形部 変な武器はこれからいっぱい出ます。
小形 クリム君は、もう発表されてると思いますけど、ジャハナムに乗り換えて、カッコよく闘いますんで。すいませんが、皆さんがカッコよくしていただいて。
倉橋 自分のビームジャベリンを作っていっていただければと。
小形 これ(形部稿)ジャハナム
倉橋 どういう風に出てくるか楽しみですね。

質問2 レクテンとカットシーのキット化の予定は?

名田 皆さんの応援次第にかかっております(笑)。
倉橋 いつも通りの答えです(笑)。
名田 本当はですね、アレとかコレとか出す予定になかったものが、グリモア効果によりまして、皆さん人気出ましたので、そのお陰でラインナップ増えたというのもあります。更に応援していただければ、きっと、きっとね、あると思います。応援お願いします。
小形 カットシーとか、量産機・ジム系統で。
形部 それにカットシーは一番プラモデルを意識したんです。
倉橋 おっと! 気まずいとしか言い様がないです(笑)ヤベェ。
小形 これがまだ出てないと……。
形部 ギミックとかも凄い盛ったんです。かなりプラモ的な感じを意識したんで。
倉橋 これがですね、僕らも最初、どれをやるかっていう色々打ち合わせとかあるんですけど。正直レクテンとかカットシーを見た時にですね、結構複雑なところがありまして。グリモアモンテーロの方を選んだ形になってるんですけど。名田が言った通りの事もありますし、これからのレクテンの事を思い出す以上に色んなモビルスーツが出ますので。
小形 アホみたいに出ます。
形部 多すぎると思います。話数より多い。
小形 僕ですら後半のモビルスーツ、誰がどれに乗るのかわかんなくなる(会場笑)。26本のテレビシリーズなんですけど、50体以上のモビルスーツが出ますんで。後半の名前、僕全然覚えられなくて。よくキャストの皆さんから「私次何乗るんですか?」とか言われるんですが、まず乗り換えたかどうかが分かんなくて。「ちょっと、設定制作に聞いてからお答えします」って。
倉橋 バンダイとしてもですね、やりたい魅力的なモビルスーツ多いので。本当に皆さんの応援次第というところがありますので、是非宜しくお願い致します。
名田 選りすぐりのものを出していきますので。

質問3 途中からガンダムになったのは、富野さんがノリノリだったのかどうか。

小形 何気に、富野さんは、そういった商売的な事が絡むのは嫌いじゃないんですよ。富野さんは、自分としてはガンダム以外のものをやりたいっていう想いが、やっぱりクリエイターなんで強いんですけど、あの人の中でどこか、ガンダム以外のものを、ガンダムじゃないと良い話ができないんじゃないか、って自分もいて。今回は「ガンダムにしましょう」って言った時に、抵抗とか全くなくて。「だったらもっとこうやろう」とか、逆に良い方に話はいきました。
倉橋 なるほど。「ガンダム」付けるのは本当デカいもんですよね。
小形 そうです。
倉橋 作品としても、これまでの流れで作るのかどうかとか色々。
小形 そうですね。結局「ガンダム」付いてなくても、ミノフスキー粒子とか頭から出てました。
倉橋 そうなんですね。
小形 そうです。色んなガンダム用語がもう入っちゃってたんで。それは全く別のラインでやってたなら、別に出てくる必要もないんですけど、それだった付けないと色々とマズい。
倉橋 皆さんも分かんなくなっちゃいますもんね。
小形 こういう風に今ラインナップしてもらってるのも、まず「ガンダム」って付いてなかったら、中々まだ難しいと思うんですよ。それなりに作品の人気が高まって売れていかないと、たぶん初め2体だけとかって感じだったと思うんですけど。こういう風にラインナップできるのはガンダムのお陰かなと思ってます。

質問4 モンテーロの商品名に「クリム・ニック専用機」とあるが量産機がいるのかどうか。

名田 商品名自体はですね……商標の問題がありまして(会場笑)。「モンテーロ」っていうのに。単体で使っちゃいけないっていう決まりがあったので、「クリム・ニック専用機」を付けまして、機名表記という形で。法律的なものなんですけど、そういう事情があります。
倉橋 法的な大人の事情っていうところではあるんですけども。とは言え「クリム・ニック専用機」と付いているという事は、作品的にはどうなのか、小形さん?
小形 モンテーロ自体は、作品で見えてくるのはクリムのモンテーロだけなんですけど。富野さんが忘れるくらい、形部さんがいっぱい描いてくれているんで、何かしら出てくる様な、世界を拡げる仕組みにはなっています。
倉橋 仮に例えば、G-レコでMSVとか外伝とかをやるためにってとこは。
小形 富野さんが忘れてた部分をいっぱい補完していただけると助かるんですけども。
倉橋 ネタはいっぱい転がってると。
小形 そうですね。
名田 グフとかドムみたいに、エース機が最初にいて、その後に量産機みたいな。
小形 そうですね。一応富野さんの中では、そういう風に世界観を拡げる様にできてるんで。エルフ・ブルックエルフ・ブルの関係とか。エルフ・ブルが試作機で、これ(HG)が量産機。エルフ・ブルが試作機だと、ワンオフなんで特殊な性能があるというのが富野さんの考え方。
倉橋 という事はモンテーロの登場というのは可能性はゼロじゃないという事ですね。
小形 ゼロじゃないけど……まぁゼロに近いかな(笑)。本編中ではゼロに近いかな。
名田 赤いのとか黒いのとかありますし。
小形 そうですね。あの世界では存在はしてるけど、カメラに映し出されるかどうかはちょっと微妙かな。
倉橋 今は静かに喪に服していただくのが一番かなと。
小形 皆さん香典代わりにモンテーロを買っていただければ。

質問5 今後G-レコのMSV展開があるかどうか

倉橋 あるもないも言えないんですけども、ないって言う理由はないですよね。
小形 形部さんもそうですけど、バンバンやってほしいですよね。後はバンダイさんに投書なりTwitterなり送っていただければ。「G-レコのMSVはいつ始まるんですか?」ってグリモアさんに。と、始めてくれる。
倉橋 バンダイ グリモアって書いていただければ届きますんで。
小形 皆さんはがきをお待ちしております。
名田 「静岡ホビーセンター グリモア宛」って書けば大体届きますんで。
倉橋 これは本当に大人の言い方になるんですけど、現場はやりたいです色々と。ただまぁ当然大人の事情があるので、是非皆さんで声を上げていただけると、僕ら的にも力になるので、是非応援していただけたらなというところになりますね。特にMSVはウチだけじゃなくて色んな出版社さんとか巻き込んでやっていけると思うんで。是非やりたい、という感じでよろしいでしょうか。

質問6 GBFTに登場するかどうか。

小形 折角ガンダムが2本ラインで動いているので、お互い交換したりできたら良いんじゃないのかな? と思ったんですけど、これも色んな大人の事情がありまして。サンライズだけで作ってるものではないんで。TV局とか、そういった権利関係が一番ネックになっていて。だけど今回初めてですよね、キャンペーンを。
倉橋 バンダイビジュアルさん含めて。
小形 やると思いますので、そういったところでやっていけたらなと。色んな制約の中をバンダイさん、ビジュアルさん始め、関係各社が凄い頑張ってキャンペーンやってますんで。是非あちらの方も見ていただけたらと思います。
倉橋 一ユーザーとしては、G-セルフがBFに出たら凄い楽しいなと思うんですけどね。その機会が、絶対に永遠にないかと言われればわかんないですけど。
小形 BF自体がああいったものなんで、ずっと続いていく中で、どんどんガンダム出てくるものがあるんですけど、同時に動いているものは、やっぱり中々サンライズバンダイの関係だけじゃなく、色んなTV局とか代理店とか出てくるので、そこは中々難しかったかなと。
倉橋 その想いは捨てずにチャンスは狙っていきたいなと。

質問7 デザインが敵っぽいジャハナムが味方になっている理由

小形 アメリアの方向性が、どっちかというとアーマーザガンとかもそうなんですけども、アメリアの技術体系がちょっとジオンっぽい方向性なのかな、ってイメージは作ってる側にもあったんで、その方向性になってます。どっちかとしたら、レクテンとかカットシーとか連邦の方向性がキャピタルに入ってる。G-セルフとかは、ちょっと進んだ技術に見えるのかな、っていう様な感じ。
倉橋 味方にいる理由というのは?
小形 味方にいる理由は、たまたまだと思います(会場笑)。アメリアを敵だと思ってる人たちもいれば、主人公がアメリア側のメガファウナに行っちゃってるんで味方に見えちゃうだけで。富野さんの作品って多面性が凄いあって。それいてで分かりにくいと思うんですけど、見た感じの「こいつは敵だな」とか「こいつは味方だな」っていう事じゃなくて、今の世の中と同じだと思うんですけど、色んな勢力が混じって、誰が味方か敵か分からない状態でやってて、たまたま主人公が今海賊船に乗って、メガファウナにいるんで味方側に来てたりする。「Ζ」で言うとエゥーゴ側に来たという関係性と同じだと思うんですね。たまたまアメリアの方の技術体系が、デザイナーサイドとしてはジオン系な感じになってるって事はあります。
倉橋 今後の可能性としては、逆側になる可能性も。
小形 可能性もあれば、っていう事ですね。

質問8 G-セルフの装甲について

小形 G-セルフはですね、安田さんが今回デザインしたんですけど、富野さんから出されたお題が「光のガンダム」「光ガンダム」っていうお題から、安田さんあれデザインして。安田さん的には、あれは全部光装甲でできている。モニター画面みたいな。HGとの問題が色々あると思うんですけど、実はダクトみたいに見えるのも、安田さんの頭の中では、ヘッドライトあります、車のヘッドライト。上に表面にガラスがあって、その後ろに映ってるもの。あれって実体があるんじゃなくて、モニターの中に表示されてるもの、というのが安田さんの考え方。なんで、全身がモニターみたいにできている。だから色も自由に変えられる。それをやってるのはリフレクターパックとか6話でやっている、発動している時に色が変わるんですけど。今後も、今週、宣伝ついでに、いよいよ「進撃の巨人」の荒木監督のWITさんグロス回。言ってしまうとあんまり、他のスタジオのアレなんで悔しいんですけど、神回になってます。それでも高トルクパックが出てきますけど、その時に色が若干変わって見える、そういった表現をしています。今回のガンダムというのは、色が自由に変えられる。ただ、4話で「スコード!」って言って出てきた光は、僕らもよく分からない(会場笑)。あれは何だったのか、富野さんの中ではちゃんと理論があると思うんですけど、僕らもちょっとあれは分からない。安田さんはなんか「あれはフォトン・なんちゃら・なんちゃらなんじゃないのか」みたいな事を言ってはいましたけど、富野さんにちゃんと聞いてみないと分からない。聞くと「そんなの知るか!」って言う事があるかもしれない。だから出しちゃったんでしょうね。
倉橋 勢いがありますからね。

初出画稿

マックナイフ形部稿背面と詳細
バックパックにはカットシーと同じアームを取り付けられる。指と脚部の円部分にビーム砲、脚部内側にグレネード。股間がMG ガンダム1.0の逆に開き、中にフォトンボムが縦に2本収納。フォトンボムはフォトンバッテリーを搭載したミサイル。
エルフ・ブルックのサーベル発振編隊イラスト
G-アルケインの変形画稿
ジャハナム形部氏注意書き
ジャハナムビームライフルは元々実弾用のものを改修。


第2回へ続く
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