第1回から続き。
http://d.hatena.ne.jp/char_blog/20141125/1416942394
トークセッション
(自己紹介省略)
倉橋 先程、小形さん形部さんから公式にグリモアを名乗って良いと言われたので。
小形 これから全国至るところに現れると思います。
倉橋 そうですね。是非気軽にグリモアと声を掛けていただけたらと。仮に富野さんからふざけるなと言われた時には止める可能性が……。
小形 問題ございません。
倉橋 第1回もやったんですけど、今回からのの方もいるという事で、小形さんから今回のG-レコの始まりの経緯と、形部さん参加という事で、簡単にご紹介いただければと。
小形 はい。一応この企画自体は2007年ぐらいから、富野さんとやってまして、始めは「ガンダム」って付いてなかったんですけど、元々シナリオ段階からG-セルフとか、ミノフスキー粒子とか、ガンダム用語がいっぱい出てたんで。もうそれだったらガンダムとしてやってしまえと。そちらの方がバンダイさん始め展開できるかなという事もあって、そういう風になったと。形部さんには、2010年?
形部 2010年の終わり頃。
形部 入っていただいて。始めまだ安田さんが入っていなかったんで、色んなガンダム、G-セルフの前のデザインとか色々やったりとかしていただいて。だいたいモビルスーツ今回たくさん出てくるんですけど、安田さん1割、形部さん9割とか。
倉橋 偏ってますね(笑)。
小形 偏ってます。それぐらいの物量をやっていただいて。
倉橋 安田さんがやられたのがG-セルフとレクテンですね、今(モニターに)出てる。他はほとんど。
小形 他は形部さんのものを色々指示を出していただいたりとか付属でこんな風な感じで良いんじゃないですか、って言っていただいたり。
形部 レックスノーも。
小形 そうですね、レクテンのバリエーションという感じですね。
形部 後バックパックは全部安田さん。
小形 元々形部さん自体は、G-レコに至るまでの経歴というか。
形部 15年ぐらい前まではゲーム会社に勤めてたんですけど、そこからフリーになってからは広告のイラストばっかりやってきて。アニメの仕事もしたかったんですけど、ちょこちょこっと誘っていただく事はありながらも、そんなにガッツリできる様な事はなくて。一度富野さんと全然違う話で関わった時に、サンライズさんの河口さんにポートフォリオをお渡しした時に来た仕事が、前の「セイクリッドセブン」っていう仕事です。
小形 スーツデザインですね。
倉橋 メカではなかったんですね。
形部 変身後のスーツをデザインしていたんですけど、今回突然お電話いただいて参加する事になったのがこの現場です。
倉橋 その時は富野さんが直接?
形部 直接電話を。
小形 非通知の電話で。
倉橋 無視してたって奴ですね(笑)。運命みたいな感じなんですかね、出逢いというか。
小形 今回いきなり「メカ描いてくれ」っていう電話が?
形部 その時言われたのが、一応ガンダムの世界観なんだけど、ガンダムじゃないものをやりたいから、ちょっとメカやってみない? って言われて。
小形 翻訳すると(会場笑)、富野さんの話ってちょっと分かりにくいんですけど、ガンダムなんだけど、今までとはちょっと違うシルエットとか、そういったものを出したいと。新しいものを重ねていかないと、今までと同じ様なものになってしまうので、それは自分の中に対する戒めでもあるんですね。すぐ自分の手癖で同じ事をやってしまうんで、なるべくそうならない様に新しいものを何か足してって、物語を作りたい、というので、多分形部さんみたいな人に、今までメカ描いた事ないんだけど、富野さんの中では「NIKEのシューズをデザインした人」という事になっているので。広告を描いた?
形部 NIKE FREEの広告やったんです。
小形 それで勘違いして。
倉橋 シューズ自体の。
小形 デザインをしたと。
倉橋 中々分かってもらえないとこですね(笑)。
形部 良かったです、勘違いしてくれて。
小形 勘違いしなかったら今ここにいなかったですからね。
倉橋 違う形のモビルスーツになってる訳ですからね。
形部 ありがたいです。
倉橋 この流れでやられて、まず最初にG-セルフの前にグリモアのデザインを最初上げられてたんでしたっけ?
小形 最初はマックナイフ。
倉橋 マックナイフでしたね。
小形 先週の放送を見ていただいた方いらっしゃると思うんですけど、モンテーロさんがお亡くなりになられて。突然の不幸が訪れまして。当時にこのエルフ・ブルックもやられ。相打ちって形に一応なりましたんで、マスクさんが機体を乗り換えないといけないので。今週10話、今ネットにも出てましたけど、「進撃の巨人」の荒木さんとWITさんが作った10話の最後の方に出てくるマスク次ののモビルスーツ、マックナイフ。これに近い形のモビルスーツを一番最初に形部さんから提案いただいた。
形部 あれはもう企画が全然出来上がる前というか。まだふわっとしている時に、なんとなく出したものがあったんですけど、これがマックナイフだったんですけど、また拾っていただいて今回。
倉橋 まだガンダムというのを意識する前の段階で?
形部 あの時には既にミノフスキー粒子とキーワードいただいてたんで。割と意識はしてたんですけど。1回目にかなりガンダムを意識したものを出したんですよ。そしたら「何か違うな」って言うので、半ばヤケクソ気味で(会場笑)。
小形 これも一旦保留って形になったんですよね。
形部 そうです、はい。
小形 その後モンテーロとかグリモアを出してるんですけど、その後安田さんのG-セルフが出てきて、ガンダムが決定して。安田さんのG-セルフは今回目が特徴じゃないですか。そうするとマックナイフも目が特徴だったんで、それもあって、あのデザインありましたよね、って話になって、マックナイフが出る事になったんです。何気に富野さんは、今回の26本で50体以上のモビルスーツが出てくるんですけど、その中で一番マックナイフを気に入ってるらしいんで。言ってました。
形部 ほんとですか。それはやっぱり劇中で良い感じで?
小形 そうですね。これまだ動いてるところこれからなんでアレなんですけど。11話12話、10話はちょっと出てくるだけなんですけど、11話12話でガッツリと戦闘シーンがあって、特に12話は凄い。派手な動かし方をしてるんで。今プラモデルの、テストショットですか? あれだと関節部分とかまだこれからだと思うのでアレだと思うんですけど。もっと近接格闘に向いてるって言うか、やっぱり動かして面白い感じに見えそうなイメージですね。
名田 形部さんのデザインされたイメージを見て、凄い良く動くな、ってのは伝わってきましたので、それは再現しようという事で、今そういう関節仕込んでおります。
小形 本編中でもマスクがくるくるコマの様に回りながら。
形部 回りましたか。良かった。
倉橋 では画面に(モニターに設定画)。スノーボードのハーフパイプみたいに。ああいう感じかなというイメージで。
形部 スカイダイビングしている人みたいなイメージで。空中で色々できるってコンセプトなんで。
小形 あれが飛行形態って感じで。
名田 モモンガスーツでしたっけ。ああいう感じで。
形部 変形する必要がなく、手足が翼の代わりになるっていう、そういうイメージですね。
小形 ああいう風に股も広げられるっていう。他にもマックナイフの画稿ってあったりします?
倉橋 これとかです(武装画稿)?
小形 お尻から何か出てきますね。フォトンボム。これ富野さんが、トミノならではの使い方を12話してますんで。皆さんお楽しみにしていただければと。誰が使うんだっていう(会場笑)。ほんとあのオヤジは、って皆思う様な使い方をしてます。なんで、ギミック的にも動かし方的にも、今までのモビルスーツにない様な動かし方をしているんで、非常にマックナイフは面白いなと思います。
形部 実はこわかったんですよ。マックナイフが一番ガンダム界から遠いじゃないですか、デザイン的に。だから世に出るのが一番こわかったんですよ。
倉橋 最初に僕らも設定資料で見た時には、何だこれ、って。
名田 そうですね。
倉橋 思いますよね。
名田 ええ。
倉橋 凄いなと思ったんですけど、でも色んな横並びで見ていくと、違和感はあるんですけど、まとめられて、こういう世界観もありだな、という風に段々カッコよく見えてくると言うと間違いかもしれませんけど、プラモデルになったのも、そういう流れなのかなと。
小形 マスクのキャラクターがね、ああいうちょっとおバカって言ったらおかしいですけど、おかしな変態キャラクターになってきたじゃないですか。
倉橋 そうですね。
小形 だからちょっとファニーな感じの印象があっても、マスクだったら乗りこなせるんだなと(会場笑)。
倉橋 5話冒頭から野球でやる様な円陣組んでましたもんね。
小形 こんな事やって。
形部 先週は飛び降りてました。
倉橋 びっくりしましたよね。
小形 富野さんはこういう自由に可動ができるっていうところを利用して、色んな芝居をつけさせてますね。股間がやたら気になるみたいですよ。気になるみたいです。そういった表現を凄いしてる。これも本編お楽しみにしていただければと思います。
倉橋 ちょっとマックナイフから離れるんですけど、股間で思い出したんですけど、コクピットにトイレあるじゃないですか。あれもやっぱり?
小形 あれは単純に理由としては、今回宇宙で戦闘とか生活をするっていう事が基本として考えられてて。短距離の戦闘とかは何時間単位で帰ってこれるんですけど、もう少し宇宙に放り出されて、一週間とか漂う事になった時とか、そういった時用に考えられて今回のコクピットは作られている。そういった時にやっぱりオムツだけではカバーできない部分もあったりとか、生活の基本となる部分がコクピットに付いてて安心……安心じゃないですね、宇宙空間にいる分にはまだ生きてられるけど、じゃないと頭おかしくなっちゃう。っていうのと、富野さんがちょっと若干、何度も言ってるんですけど、お年を召してきて、頻尿になってきたんで。やっぱりトイレが近くにないと落ち着かないんですよ。これって我々まだ若いって言っても中年差しかかってきている訳じゃないですけど、富野さんが言うのは「お前らの30年後の姿がこれだから、今の内に嗤っとけ」って(会場笑)。「皆分かる様になる」って。そういう深いね、今回は。
倉橋 ちなみにトイレのデザインは形部さんしてないですよね?
形部 してない。
小形 でもコクピット。
形部 コクピットはやりましたけど。一番初めに安田さんがG-セルフのコクピットをやられてて。残りの勢力をその後に引き継いだ感じで全部やりました。
小形 そのコンセプト、今回は結構早い段階でありましたよね。
形部 そうですね。
小形 だからパイロットスーツも一応お尻のとこまでチャック開く様に。あれは富野さん流のモロじゃないセクシーさを、そういったところで見せたい、っていうのが一応あるみたい。
倉橋 伝わっているかは……(笑)。
小形 そうですね。10話でそういった感じのシーンがあるんで。
倉橋 期待大という事ですね。
小形 そうですね。今週のMBSは木曜日で、TBS金曜日で。「進撃」の荒木さんとWIT STUDIOがグロス回でやっていただいて。本当は他の人様のスタジオで作っていただいた回なんですけど、神回にしていただいてるんで。本当、凄い。高トルクパックが大活躍。是非。まだちょっとラインナップないんですか? 高トルクパックは。
名田 まだ予定入ってないんですけど、ちょっと今週の見たら分かんないですね(笑)。
小形 皆さん見ていただいて、バンダイの静岡工場グリモアさん宛に「高トルクパックを出して下さい」って。多分書かざるを得ない回になります。色々何か頼み事がある際はグリモアさん宛で。
名田 静岡ホビーセンター グリモア宛で。多分届きます。
倉橋 大丈夫大丈夫、言っときますから。
小形 10話だとウーシァがちょっと、山根さんが元々描いたデザインを、形部さんがリファインしている感じですよね。
形部 そうですね。神回なのに僕のは出てこない……。
小形 アルケイン一応予告でも出てましたけど。ちょっとスカート部分千切られたりしてましたけど。
形部 マズいですね、一応女の子モビルスーツなんで。
名田 実際狙って描いてますよね。
形部 普通にやって欲しいんですけどね。もっと活躍して欲しい。ウチの息子も凄い待ってるんで。
倉橋 バンダイの人も待ってます、活躍を。
小形 形部さんの息子さんの名前で投書とかをちょっとウチのスタジオ宛に、富野由悠季宛に。「もっとお父さんのアルケインを活躍させて下さい」って(会場笑)。
倉橋 多分お子から言ってもらった方が効くと思います。
形部 ほんとですか。
名田 「変形が見たいです」(会場笑)
倉橋 それは是非。今からでも何とかしていただきたい。
小形 おいくつでしたっけ、お子さん。
形部 8歳です。
小形 「8歳の少年からこんな手紙が来ました」って言ったら一番響くかもしれない。
形部 あっ……書かせます(会場笑)。
倉橋 結果的に小形さんのとこにしわ寄せが来るかもしれない。
小形 可能性はあります(会場笑)。でもしょうがない。
形部 でも20何話くらいで変形したら凄いですよ。
倉橋 キターなりますよね。
小形 今のところ残念ながら予定は。
倉橋 予定は未定ですからね、まだ分かんないですよ。
小形 さっきの話の補足で、モンテーロがお亡くなりになっちゃって。第1回目トークショーあって、その時に「もう出ない」って僕言っちゃったんですけど、まだ出る可能性あるみたいで。
形部 そうですそうです。一応見ましたけど。
小形 シナリオ段階ではまだ少し残ってた?
形部 見ました。最後の方に……。
小形 濁してもらえれば(笑)。可能性の話です。まだコンテで変わる可能性があります。なんでお亡くなりになってしまったんですけど、買っていただいて色々遊びを。さっきもアイーダ専用のモンテーロが初めあったと。
名田 形部さんがTwitterなどで上げていただいてるんですけど、黒かったり赤かったりというのがあって。赤いの見た瞬間に、これ良いなーってのがあって。一気に赤く塗って組み立ててみました。
小形 今回モンテーロは特にコクピットのお立ち台って呼ばれてる部分が富野さんから指示が。
形部 そうですね。初めに指示が「胸の突起は何なんだ」というのが聞かれて。
小形 デザイン画稿ありますか(モニターにお立ち台画稿)?
形部 胸の突起の説明をすると「何だ、下らない」っていう事になって。「それなら何かお立ち台的なもの付けてくれ」って言われたんですね。
小形 これがクリムの初登場の時の足場にして。舞台装置みたいな。富野さんの、やっぱり考え方で、モビルスーツなんだけど、あくまでもキャラクターの舞台装置としてまずは機能させたい。結構コクピット周りは今回足場とかそういったのを凄い意識して。
形部 ありましたね。立てないとか、これだと落ちちゃうとか。厚みの事とか凄い言われました。
小形 想像しますよね。「自分が、本当にこのコクピットに入った時に、この鉄がこんな分厚いのがある訳ないだろ」とか。「自分がここに立った時を、ちゃんとお前らは想像しろ」って事をずっと言われました。
形部 最近までずーっと言われてます。中々難しいじゃないですか。コクピットのデザインなんてやると思ってなかったんで(一同笑)。やってみると難しかったですね。
小形 特に人が対比物として出てくるところなので、そこで平気で分厚くしちゃったり、でっかくしちゃったりしてたら、一気に。富野さんはリアルロボットで言葉嫌いらしいんですけど、やっぱりそこでも嘘だって事が子供ながらでも分かってしまう。言わないでも。そういうのは極力なくせってのが富野さんのやり方ですね。
倉橋 前回ですね、アルケインくらいまでプラモデルの順番ごとにトークしてきたんですけど、続きという事でジャハナムから。
小形 クリムがいない間にモンテーロがまさか射出されてお亡くなりになってしまう。悲惨な事故が。
倉橋 事故なんですね(笑)。
小形 残念ですがクリムがこちらへ乗り換えるという事で。クリムはこっちに乗り換えて活躍をしていきますので。天才ぶりを発揮する作戦をいくつも慣行することになります。
形部 宇宙に出てからがクリムの本領発揮になってますよね。
小形 まぁ、天才ぶりの本領とだけは言っておきましょうか(会場笑)。
倉橋 今のところ「天才」っていうは自称天才なのかくらいの程度になってますよね。
小形 作品の中でも宇宙出てからも「流石天才だ」って事は言われてますんで。多分天才なんでしょう。
倉橋 楽しみですね。
小形 形部さん、このデザインはジオン系を意識した感じで?
形部 そうですね。やっぱりガンダムやるからにはザク枠って要るかなと思って。地上用のやつと合わせて、けっこうあの時に色々出したんですけど、その内に拾っていただいたのが宇宙用になったっていう。
小形 そうですね。色んなジャハナムのラインナップがあったと思うんですけど。なんかデザインってありましたっけジャハナムの(地上用設定画がモニターに出る)。こういうのも打ち合わせの段階で形部さんから色んなアイデアを。結構カットシーとかもバリエーションを形部さんに描いてもらって(カットシーバリエーションの形部氏画稿がモニターに出る)。
形部 画面で見切れる程度に、こういうのもちょこちょこ出たら良いかな、って。
倉橋 バリエーションですね。
形部 描いてたんですけど。カットシー隊長機。一応また別にデレンセンのも描いたりしてるんですけど。ちょっとデザイン違いってのもちょこちょこたまに挟んでます。
倉橋 なるほどなるほど。これプラモデル的にも是非。
形部 そうですね。
倉橋 バリエーションとかMSVとか外伝とか絡めて。
小形 まずカットシーを出してくれないとね。
名田 まずカットシーを出さないと始まらないんですけど。
倉橋 カットシー欲しい方どれくらいいらっしゃるんですか?
名田 あ、圧倒的だ。
倉橋 これは熱い要望を。
小形 やっぱりジム系の量産機って欲しいですよね。
名田 今回ちょっと前半戦、敵側がね、プラモデル的に薄いので。こういうところで敵側を充実させていきたいなっていうのは考えてます。
倉橋 カットシーを選ばなかったのは名田ですので。
小形 グリモアを優先して。
倉橋 まぁでもこんだけ要望があればもしかしたら皆さん応援次第では可能性あるかも。
小形 カットシーそうですし、ジャハナムも色々バリエーションを描いてもらって。肩の色違いとか色んなのやっていただいた中に、これがあったんですよね。
名田 初めから宇宙用って事だったんでしょうか?
形部 あの時ってのは結構どの勢力も関係なしに、もうとにかく数を思いつくままどんどん。とにかく整理も何にもなく出していた時で。その中で拾っていただいたって感じなんですけど、どっちかって言うとこれは始めのラフから形が変わってなくて。地上用はすっごい時間掛かりましたけど。
小形 これから地上用に落としていったって感じ?
形部 いや、全然関連性がなくて。地上用は地上用で。そういう意味では僕の中でA案B案C案って感じで描いてたものから拾っていただいたのが、同じ名前だったんです。まさか同じ名前だとは思ってなかったんですけど。
倉橋 別の機体のつもりだったんですね。
形部 この世界のザクとグフぐらいの違いのつもりだったんですけど。でも宇宙用ジャハナムってなってたんで、渋くて良いですよね。
倉橋 そうですね。ジャハナムはデザインがカッコ良いので社内的にも評判で。
形部 安心感がある感で(会場笑)。
小形 マックナイフも冒険的なシルエットですけどね。
形部 ヤケクソですからね(会場笑)。
小形 そういう方が良く出るのもありますから。
形部 そうですね。今回40とか50体。そうなってくると、その中で見た事ない奴もいれば安心感なやつもいて。ガンダムっぽいやつもいてっていう。そういう風な厚みを持たせるには、あれくらいの数必要だったのかなと思います、今だと。
倉橋 いやー、凄いです、あの量。まだまだこれからも発表されるモビルスーツ、色々ありますからね。
小形 何かあの辺に飾ってありましたけど、ジャイオーンとか(モニターに形部氏画稿)。
形部 ジャイオーンも元々青かったですよね。
小形 元々全然違う、もっとガンダムガンダムしてたんですよね。
形部 僕のスケベ心の結晶というか(会場笑)。もう売りたくてしょうがない感じで。すっごいガンダムだったんですよ初め。
小形 これ、ちょっと出てくる勢力とか言えないんですけど、もっとガンダムっぽかったんですよね。
形部 顔も完全にガンダムでした。なんかやり取りしている間に、完全に大詰めって時に、富野さんがこう赤鉛筆で顔に十字を二つギャッって描いたんです。「これにして下さい」って言ったんです。
小形 いきなりですよね、あれも。ずーっとそれまでは、そっちのガンダムのフェイスの方で、ずーっと動いてて。
形部 しかもサンライズの佐々木さんが推してくれて。
小形 ウチのエグゼクティブプロデューサーが「これを必ずキット化しろ」って明言して。動かしてたんですけど。たぶん佐々木は違うものだと(会場笑)。まさか自分が言ったジャイオーンがこうなってるとは、分かってないと思います。
形部 もう赤鉛筆でガッと(会場笑)。
倉橋 まさに赤入れってやつですね。
小形 カラーリングも青系統のカラーリングですよね。
形部 全身青かったですよね。でもクリムとかが出てきたので、色々直しましたよね。顔も初め十字とかだとカッコ良いんですよ。僕も元のやつより好きなんですけど、ちょっと若干スケベ心が残ってて(会場笑)。横線を目に錯覚できる様に緑で。口にガンダムの横線2本をモニター的なセンサーの一部として、だまし絵的に入れたりしてて、一応。
倉橋 そういう設定だったんだ。
小形 赤線入れた時に富野さんはなんか自信満々に「これは絶対新しい方向性になったから」って言ってましたね。
形部 確かに良いですよね。
小形 ちょっと今までにない方向性ですよね、ガンダムの。
形部 そうですね。センサーのモニター的な一部として、ガンダムの顔に構成されているっていうのは珍しいですね。
倉橋 いつか昔の青かったものも、どこかでお見せできればな、って感じですよね。作品で活躍した後になるかと思いますけど。
小形 ビルドファイターズでそのまま出しちゃえば良いのに。
倉橋 なるほど!
形部 あー、そうか。
倉橋 元ジャイオーンみたいな。
小形 同じプロデューサーだし、どうせエグゼクティブプロデューサーは同じですからね。
形部 仕事一個生まれる(会場笑)。
倉橋 夢の共演が。
小形 広がりますね。
倉橋 こんな形で。
小形 ジャイオーンは今後出てくるので。凄い印象的な活躍をすると思いますので。これ、やっぱカッコ良いですよね。シンプルでありながら、後ろの背負いものもかなりでっかくて。
形部 スケベ心です(会場笑)。やっぱり背負いものをしてるガンダムってのが、富野さんの作品だとあっち方向に行きずらいというか。そういうものも出したいな、ってのもあったんですね。だから今回また数があるので、その中に紛れ込ませて。上手く引き合わせてくれて良かったです。
倉橋 展開するとこういう感じになるわけですね。
名田 キットの方でもそこの辺再現されてまして。指? 指なのかな? こう動く様になっております。同じ様にビームサーベルも刺せる様になってまして。
倉橋 本当に動くところ早く見たいなって思いますね。
名田 結構先ですよね?
小形 今の予定は、19、20、21辺りですよね。
形部 その辺りだと思います。
小形 今週は10話なんで。
倉橋 まだまだですね。発売は2月なんで。
小形 ジャイオーンがキット化されましたけど、ジャイオーンの他にも、こんな感じのを結構描いてらっしゃいますよね? 形部さんが。
形部 そうですね。
小形 まだこれも言えない情報だと思うんですけど、結構色んなものを描いていただきましたよね、最後の方。
形部 はい、結構出ますよね。
小形 いっぱい乗り換えますよね、皆さん。
形部 そうですね。良いんですか(会場笑)?
小形 誰がどれに乗り換えるって言わなければ大丈夫なんで。
倉橋 小形さんがOKなら、何喋っても。
小形 僕も後半のシナリオ読んでいて、誰が何乗ってるか分かんないくらい。キャストの皆さんにも、「僕これからどうなるんですか?」とか、クリムとかに「ジャハナムのまんまなんですか?」とか、あった様なない様な、ってぐらいいっぱい出てきますよね。
形部 いっぱい出てきます。
倉橋 キャラが結構多いですからね。
小形 これがあるところにいったところで、皆何故か乗り換えちゃうんですよね。
形部 あー……良いんですか(会場笑)?
小形 あるところです。あるところでいっぱい乗り換えちゃって。色んなシルエットが出てくる事になりますよね。
形部 そうですね。ここからはもう、凄いです。
小形 何でもありみたいな感じ。
倉橋 考えられないというデザインというか。
小形 結構、何気に今のところマックナイフ冒険してますけど、デザインラインの幅からすると、今見えてるものって抑えてるつもりです。
形部 おかしいですよね。
小形 こっから先に何これ? みたいなのが。
倉橋 マックナイフなんか普通に見えちゃいますもんね。
小形 普通に。たぶんマックナイフが一番中間地点に立っているぐらいになるぐらいのものがいっぱい出てきます。
名田 ネタ被ってないですよね。
小形 そうですね。
名田 それが凄いなと思いましたけど。
形部 完全に枯渇しましたね、今回は(会場笑)。
倉橋 出しきっちゃいましたか。
小形 メカデザイナーとして。大丈夫、多分こっから10年くらいは「ジャイオーンみたいなのを描いて下さい」とか、そういうのがいっぱい来ますから。
形部 ありがたいですね。
小形 今、だいたいウチのスタジオに、キャラとかメカの集合っていうか対比図があるんですけど、その対比図が大変な事になってます。人数もさる事ながら、大きさも色々違っていて。更新されてるの見て「何これ?」って思うくらいの。
倉橋 高さもそうですし、横も。
小形 色々今回は、本当仕込んでるなと。
倉橋 形部さんのデザインって、ギミックとかもしっかり仕込まれてるじゃないですか。デザインだけじゃなくて動きとか。
形部 ジャイオーンのこの辺のギミックなんて、本当にこうなるなんて思ってないですもんね。
倉橋 そうなんですか。
形部 こうなって欲しいとか考えますけど、何とかなりましたね(会場笑)。難しいですよね、何かが収まってそれが展開して、みたいなのをかなり今回入れましたけど。やっぱ難しいですね。
倉橋 まぁHGなんで、できる範囲になっちゃいますけど、皆さんG-レコ頑張ってやってく中で、MGとか。
小形 最高級のもありますよね。
倉橋 あー。全てを再現するみたいなものも。
形部 あれ(PGUC)ができるなら何でもできますよ。
倉橋 第三の形態みたいなのもできちゃいますもんね。
小形 開きすぎじゃないかと思うぐらい開いてる感じのまで行っちゃいましたもんね。
名田 小形さん。
小形 僕が。ユニコーンもやってたんで。いやー、こんな開くもんなんだな、って(会場笑)。終わった記念にこれも買っていただけたら。
倉橋 是非是非。
小形 HGの方は逆にG-レコやビルドファイターズいっぱいありますんで、そちらの方で。まずはこれ、いっぱい集める事で、最終的には皆さんの力がこう(PG)なるっていう。
倉橋 すいません、本当代弁していただいて。
小形 名田さんがG-レコをやってきて、苦労された点とかあるんですか?
名田 逆に、TV番組と同時に展開する場合って、設定が上がってこない、とか、色々苦労話はあるんですけど、今回に限っては、形部さんがどんどんね、描いて下さるので。やりやすかったですね。
形部 って事は、次からもうちょっと適当でも良いと(会場笑)。
名田 それは困りますんで。
小形 でも、形部さんがいっぱい描いてくれたからこそ、全部富野さんは入れ込んだんだと思うんですよ。今回使われてない、バリエーション違いは使われてないですけど、モノとして描いたものはある程度使ってますよね。
形部 そうですよ。ほとんど拾っていただいたですよ。
小形 ですよね。あればある程あの人は入れ込んでいくんで。
名田 じゃあこれ(G-アルケイン)もそろそろ……(会場笑)。
小形 アルケインの対艦砲がでっかいサーベルになるっていうギミックもあるんですけど。たぶんこの設定自体を富野さん忘れてたんで。
倉橋 出た。
小形 残念ながらその可能性が高いかなと。
倉橋 ここまでできちゃったというか発売してますからね。
形部 あと、ビームワイヤーも今まで出してないですもんね。
名田 丸ごとじゃないですか。
小形 高齢なんでそこはご勘弁していただきたいなと。
形部 でも(今後は)分からないですよね。
小形 まだ分からないですけど、こないだ「変形しないんですか?」って言ったら「変形なんかするの?」って言ってましたから。
形部 もうちょっと(御禿に)教えて下さい。
小形 教えたんですけど……時間がないなぁ、って。
倉橋 形部さんのお子さんに(手紙を)書いてもらうしかないですね。
形部 それはもう、富野さんの似顔絵も書かせます(会場笑)。
小形 一番来ると思います。
倉橋 お子から。
小形 今一番デカいキーワードになってるんで。一番それが良いと思います。
形部 本当ですか? やりますよ(会場笑)。
倉橋 皆さんもアルケイン変形するとこ見たいですよね? やっぱりプラモデル変形する訳なんで。
小形 あとは姫様のポンコツ具合が……。
倉橋 そうですね。活躍をご期待しつつ。
小形 後の話数でも自分でダメだって事を認める発言をずっとしてましたよ。
倉橋 今後成長みたいなのはないんですか?
小形 アイーダですか?
倉橋 アイーダが成長していく。
小形 アイーダがダメな分ベルリが頑張るっていう(会場笑)。
倉橋 美しいのかもしれないですけどね。プラモデル的にはアルケインが……。
小形 僕アルケイン凄い好きなんですよ。こういう女性的なシルエットって中々なくて。
形部 僕も一番お気に入りはアルケインなんですよ。今回いっぱい言ってますけど。
小形 頭とかあの時、髪飾りを意識、富野さんが言ってましたよね? 髪飾りがどうとかこうとか。
形部 そこの角の部分ですね。
小形 あそこを花魁のあれじゃないけど。
形部 その話の後に、一回僕勘違いしたと思うんですけど、全部描き変えたんですよ。凄い何て言うんですかね……女っぽいやつを一回描いたんですよ。全身黒のアルケインを。その時はここが花魁みたいに。
小形 盛ったやつですよね。
形部 はい。「これじゃない」と(会場笑)。「これはやりすぎ」。
小形 やる過ぎるのは嫌うんですよ。今回はやっぱりシルエットの方を重視する方向性で、兎に角描き込みとか、色分けもそうですよね。色分けパーツ分けとかを兎に角シンプルにしろと。実際UCとかやってると、やっぱり描き込んだ方がカッコ良く見えるし、楽な場合っていっぱいあるんですけど、それをさせてくれないんですね。もうシルエットと動きの面白さで魅せろという凄い高い難易度のものを突き付けられてて。それはデザイナーさんに対してもたぶんそうで。
形部 はい。
小形 たぶん色々、こういうところにリボンのマーク付くんですけど、情報量増やせば増やす程、カッコ良く見えるものなんですけど、今回はそれではない方向性をもっと探れ、っていう様な挑戦のさせ方を凄いさせてますね富野さん。
形部 モンテーロの背中のリテイクがあったんですけど、その時に富野さんのメモで「アニメーターにもっと楽をさせてやって下さい」って。
小形 でも一番アニメーター困らせてるの富野さんなんですよ(会場笑)。線は減らすんだけど、描き難いアングルとか、(設定に)ないアングルとったりとか動かし方とかさせるんで。一番辛い。綺麗に描けない、富野さんのコンテの求めてるものって中々本当に上手くないと。結構その辺はありますけど、でも、違うラインが今後生まれてきますよね。
形部 それは後半にですか。
小形 後半にかけて。
形部 そうですね……後半はもうプラモデルになる様なやつは結構少ないっていうぐらい。
倉橋 後半はプラモデルにしたいな、カッコ良いな、ってものと、これプラモデルきついな、無理でしょ、っていう物理的にきついなってものが。
小形 モビルスーツの範疇を超えてしまっている要素が。
倉橋 概念を覆すというか。
小形 アレをどういう風に使うのか僕でも疑問ですからね(会場笑)。一番凄いのは……これはアレとかソレとか言う話になっちゃうんですけど。一番ヤバいやつというか形的に攻めたやつとかって、モビルスーツっていう感覚じゃないですよね。
形部 そうですね……そうですね。
小形 難しいですね。
形部 変なのもいますし、ジャイオーンみたいなストレートなのもちょうど半々ぐらいで出るんで。後半は結構良いと思います。
小形 ジャイオーン系みたいなのがたぶん何体も出てくると思います。
倉橋 UCなんかは皆さん応援して下さったんで、結果的にネオジオングまでキット化できたんで。
小形 あんなものをキット化できるなんて僕も思わなくて。やってる時に「これ最後のノリでいけませんかね」と頼んだ結果ああなってくれたんで本当良かった。皆さんの応援のおかげだなと思ってるんですけど。
倉橋 G-レコもこれから次第では可能性があると。ネオジオングの開発担当も名田だったんで。
小形 ご迷惑を本当お掛けしました。
倉橋 ゴールデンウィークぐらいはゲッソリしてましたから。
名田 死に掛けてました。あの後ナイチンゲールでも死に掛けてですね。今アサルトパックで死に掛けてます。何か赤くてデカいものばっかり作ってる(会場笑)。質問1 ヘカテーは?
小形 ヘカテーは、あれは宇宙用のモビルスーツなんで。あの時ミック・ジャックが乗ってきたのは運用試験をしてたんですね。だから一瞬でいなくなっちゃったんですけど、あれはアニメ的には宇宙で出てきます。
倉橋 今ほとんど宇宙ってそんなに行ってないですよね、ちょぼちょぼと顔出す程度で戦場は宇宙って感じじゃないですよね。
小形 そうですね。まぁネタバレですけど宇宙に行きますんで。今度10話でメガファウナに帰って。そしたらもう上に上がるしかないんで。上には何かいるんじゃないか、って匂わせてるんで。そこでヘカテーは充分活躍すると思います。
倉橋 ご期待下さいという事ですね。プラモデルはちなみに可能性としては?
名田 活躍してくれさえすれば。人気が出さえすれば。前向きに行きますよ。
倉橋 やる気は満々。
小形 バンダイ ホビー事業部グリモアさん宛に投書を送ってもらえれば。
名田 グリモア宛に「ヘカテー出せ、カットシー出せ」と。
小形 僕もヘカテー結構好きで。ちょっとドムっぽいじゃないですか。一応効果さんも今回フィズサウンドの西村さんってUCと劇場Zやってる音効さんなんですけど。たぶんヘカテーのとこにはドムっぽい音が付いてる。
形部 そうなんだ。楽しみです。
小形 今回活躍しますんで、是非キット化の方も宜しくお願い致します。質問2 アメリア軍のエフラグが3種類ある理由
小形 僕もサブフライトの名前覚えられないですね。エフラグがどれで、ダベーが……。
形部 それキャピタル。
小形 キャピタルでしたっけ(会場笑)?
形部 レイドルと。
小形 グリモアを載せるやつ。
形部 あとフライスコップ。海賊部隊のやつですね。あれも結局、エフラグを出す時の案として出したんですよ。そしたら全部使ってくれたっていう。実はアメリアはビレイ。三角のやつを描いたんですけど。あれも最終的には海賊カラーになってたじゃないですか。だからややこしくはなってるかも分からないですけど。
小形 一応勢力別には描いてはあるんですよね。
形部 そうです。一応分けてるんですけど。質問3 6話の欠番カットについて
小形 所々で僕も話をしてるんですけど、ぶっちゃけた話をすると、カッティングの時に富野さんが落としたんです(欠番)。OPのラストの3カット。エルフ・ブルとリフレクター。あそこ色替えたんです。わざとノーマルに替えたんです。後ろにリフレクター残ってるんですけど。あの3カットってのは、本当は本編中のデレンセンが死ぬ間際のあそこのカットに入る予定だったんですけど、カッティングって言って定尺を出す作業があるんですけど。その時に富野さんが、あれってG-セルフとエルフ・ブルがいて、交差してる戦いなんですね。で、一回交差して、二回交差目でやられる予定だったんですけど、二回同じ動きが入ってるのが嫌だと。その時の朝に見た日本映画が、一番肝心な居合い斬りみたいなので、斬ったところがなかったんですね。編集でそれをなくて。もう、この段階(斬る前)とこの段階(斬った後)で。抜いた段階と終わった後っていう編集の繋ぎ方で。肝心なところは皆の頭の中で想像させる。今回はコクピットの二人の描写だけでそれをやってるイメージで切ったんですね。だからMAD職人の方とかいたら、それ通りに本編と繋ぎ直してみると良く分かる様になってるんですけど(注:ちょっと違うけどsm24822786とか)。ちなみにあそこのシーンって、ベルリとデレンセンが何でお互いが乗ってるかって分かったかって言うと、あれ接触回線じゃないんですよ。NT的なピキーンってやつに若干近いんですけど、最後のところの間際にデレンセンのチョップか何かを、エルフ・ブルのチョップをベルリが避けてるんですよ。それの時に1話であった、鞭を避けるシーンがあるじゃないですか。お互いがお互いの体の動きを見て解った。「あいつベルリなんじゃないか」「あいつデレンセンじゃないか」。そうやって分かり合って、ああいう結果になって。それってたぶん富野さんの解釈するNT的な方向性なんだと思いますね。
倉橋 これまでのNTより具体的に分かり易いというか。
小形 そうなんです。まぁ若干、富野さんってΖガンダムの時からちょっとオカルトチックになってきましたけど、本来は人が持ってる感受性とか、達人同士だとそういう事が伝わるという事が言いたいんだと思うんで。6話の構成ってのはそういう事になってます。だけど分かり難いっちゃ分かり難いんですけどね(会場笑)。カット落とした事も含めて。あそこのシーン、凄い上手い原画さん(メカ作監の中谷氏のTwitterによれば高谷氏)がやってて。UCで言うとネオジオングが最後戦ったとこの原画さんがやってて。で、これ落とすなと。落としてくれるなと言ったんですけど。「いや落とす」って。じゃあ落とすなら、僕が版権としてもらうか、OPに付けてくれって言ったら「分かった」って、OPに付けてくれた。
倉橋 なるほど、それでOPに使われてると。
小形 というのが真相です。
倉橋 面白いお話ありがとうございます。
(注:御禿が観たという日本映画は、「おしどり喧嘩傘」、「おらんだ左近事件帖」10話、「大江戸操作網」の中で居合い斬りシーンがあるものが該当するのではないだろうか)質問4 ゴンドワンはいつごろ出てくるか
小形 一応この世界っていうのは、これも分かり難いんですけど、アメリア、今で言う(北)アメリカ大陸ですね。ゴンドワンってヨーロッパなんです。この話の前までその二大勢力が大陸間戦争をしていたんです。たぶんクリムはモンテーロに乗って大陸間戦争を戦ってたんだろうと。青かどうか分かんないですけど。もしかしたら黒いモンテーロだったかもしれない。で、戦ってたっていう勢力があって。今もこの話の裏ではゴンドワンって勢力がいるんですけど、ちょっとアメリア側の方にカメラが入っちゃってるんで、それが見えてない。今後もゴンドワン側にはカメラを振らないんですけど、ゴンドワンから接収してきた艦ってのがちょうど今回の10話で出てくるかな(ガランデン)。
倉橋 なるほど。存在はあると。
小形 存在はあります。キーワードとしては出てくるんですけど、カメラがどうしてもそっち側に振ってあるんで、中々それが見えてこないという形ですね。なんでゴンドワンって名前は出てきますけど、中々そっちの方にカメラは行かないって状態です。質問5 モビルスーツのイメージソース
倉橋 グリモアが特殊部隊で、アルケインが女の子。
小形 モンテーロとエルフ・ブルックのイメージの元は何ですか。
形部 モンテーロは元々海賊部隊っていうキーワードがあったんで。その内に出てきたグリモアが黒ヒゲっぽい、一番海賊の手下っぽい、あるじゃないですか。デッキクルーって感じのイメージでできたので。じゃあクリムが乗るので、ちょっとカッコ良い感じの、マント背負ってサーベル持ってる様なのいるじゃないですか。
倉橋 偉い人ですね、いわゆる。
形部 そうです。それでいて、頂点にアイーダが船長として後頭部がデカいモンテーロがいる、っていう感じ。
小形 このカラーリングの。
形部 そうです。ピンクと赤の。で、考えてたんですけど。頭とか猛禽類のイメージで、何かちょっと鷹っぽいイメージでやってます。
小形 エルフ・ブルック、これ何からとってきたんですか?
名田 これがよく分かんないですね。
形部 エルフ・ブルックは……そうですね、特に何もないですね(会場笑)。
小形 モチーフはないと。
倉橋 えー。降りてきた感じですか。
形部 一番初めにエルフ・ブルがいたんですよ。エルフ・ブルは結構お気に入りで。かなりこねくり回してる内にできてきた形なんですけど、それの発展型っていうのでできたので。……そうですね。どう? って言われると具体的にはないんですけど。何か気の利いた事言いたかったんですけど。
倉橋 いえいえ。
小形 これはじゃあ、突然これが書きたくなったと。
形部 そうですね。どっちかと言うとギミックの塊って言うか、変形させるために、ここはどうした方が良いかな、って形を組んでいった感じなんですよね。今までガンダム中にはない様な変形をしたい、ってので股開きの変形にして。その時に、この辺りの関節とかを変形のために組んでいったって感じですね。
名田 パカッと開きますよね、股の辺りが。
形部 股が開くだけだと間抜けなので、この辺りもスライドしながら、こうしなっていくのを考えるのに、この形になったと。
倉橋 時間ないって言って僕が聞きたいだけなんですけど、この発射台って、これも形部さんですか。
形部 そうです。これ(モニター)まだラフの稿なんですけど、これ元々富野さんからラフが来たんですよ。元々ランディングギア付けてたんですよ。付けてたんですけど、ああいう風な形で飛ばしたい、って、ちょっと考えてくれないか、って。
倉橋 これも結構アニメ見て。
形部 面白いなと思った。今後の告知
名田 今のところG-レコ、これだけの種類が出ています。これも偏に購入していただいた、応援していただいたお陰であります。今後も応援していただけると、皆さん幸せになる展開が待ってると思いますので。
倉橋 無理に上手く言わなくて良いですよ(笑)。
名田 買って下さい、と。応援して下さい。宜しくお願いします。
形部 僕はまだアルケインが変形したりとか、そういうの諦めてないんで(会場笑)。この先まだ結構話数もあって。40から50のモビルスーツがいて。今まで出たのを引いていただいて、この先どれだけの密度があるか分かると思うんですけど。僕も凄く楽しみで。さっきも言いましたけど白箱も来ないんで(会場笑)。毎週、毎週、すっごい楽しみなんですね。そういう意味でも皆さんも楽しみにしていただければなと。宜しくお願いします。
小形 今週放送の10話が先程も言ってる荒木さん演出でWIT STUDIOさんグロス回で。本当他のスタジオの事なんで言いたくないですけど、悔しいぐらい神回になってますんで、今回ばかしは見逃すと、多分凄い損をするかなと思ってます。G-レコ結構複雑な内容になってるんですけど、メカ戦に関しては、富野さん流石だなと思う様な空間のとり方とか、メカとキャラクターの出し方とかしてますんで。まずそこを楽しんでいただいて。話の方は、富野さん73歳ぐらいになってますんで、我々よりもあまりにも経験値が高くなっちゃって、その人が僕らに対して色々なメッセージを含んで、今回話を作ってるんですけど、それを読み解くのは、一緒にいる僕ですら中々読み解けない部分があるので。時間は掛かるかなと思うんですけど。今回、これからどうやって生きていけば良いのか、富野さんみたいに、僕らクリエイターサイドだったら70までどういう風にアニメ業界で生きていけば良いのかとか、ものを作っていけば良いのかとか。後は皆さんがどういう風に暮らしていけば良いのかっていうヒントが、凄い隠された作品になってますんで。まずはメカ戦とか楽しんでいただいて。後々そういったところを読み解いていくのも今回の楽しみ方だと思いますんで。最後まで見放さずに皆さん見ていただければ、応援していただければと思いますので。最後の方、僕もゾッとするくらいメカ戦がいっぱいあると思いますので。お楽しみにいていただければと思います。宜しくお願いします。
倉橋 G-レコは毎週金曜日深夜1時55分からTBSでやってます。色々事情があって若干時間は前後しますんで。
小形 中々安定しないですね。TBSは最近安定してるんです。MBSだと何故か日米野球が延長したとか。
倉橋 バレーから始まりそんな感じで。
小形 親善試合はいいだろって思うんですけど(会場笑)。バレーボールが入ったりね。
(案内中略)
小形 富野さんもね、年齢いってるんで。TVシリーズはもうたぶんできないと思うんで。
倉橋 ほんとですか?
小形 ほんとです。皆さん居るから全然大事にしないんですけど、居なくなって初めて分かりますから(会場笑)。居なくならない内に親孝行していただけると。