ガンダム展メモ

大阪会場に行ってきたのでメモ。東京会場は変化があれば行きます。

開会式

告知がなかったので立ち会えず。以下文字起こし記事。消えたときのためにコピペ。
http://buzzap.jp/news/20140712-tomino-art-of-gundam/

おはようございます。昨日、一応この会場をざっと見て正直とても驚かされました。自分自身が現場で見ていた、つまりスタジオで見ていたものっていうのは全部現場作業(電波産業?)の絵でしかなかった、マテリアルでしかなかったものがこういう形で35年経ってまとまって見せてもらって、とてもびっくりしたことが起こりました。

それはどういうことかというと、我々は実際に暮らしをしている中で、毎日一生懸命です。ですから色んなことを忘れているということを思い知らされました。35年前のアニメの原画とか背景芸術ですが、それが持っているビビッドな力というものはどういうものかということを思い知らされました。

ことに大河原邦男中村光毅の絵が持っている力というものは、今我々がデジタル時代になって絶対に忘れちゃいけないものを見せられたことにとても衝撃を受けました。お年を召した方はそういうものがどういうものかっていうことを見抜いて欲しい。これから大きくなっていくお子達には「一見こういう風に楽しく見れるものなんだけど、すごい何かが含まれている」ということを、より感じていただけたら嬉しいと思いますし、そういう展示になっていると思いますので、ぜひ見ていただきたい。

楽しんでくださいとは言いません。今言ったことを考えていただきたい。お子達はとにかくわぁっとして見ていただいて結構なのでぜひ見ていただきたいと思います。何よりも今回こういう形で催場をご提供いただいてガンダム展を開催することができました。関係者の皆様、心から御礼申し上げます。どうも本当にありがとうございました。

日経TRENDY 未登場キャラも!? 大阪で過去最大規模の「ガンダム展」、富野総監督が思いを語る!
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――まず、今回の「機動戦士ガンダム展」をご覧になった感想から。
富野氏: 安彦さんや大河原さん、中村さんの描いた原画を見て、ガンダムが支持されたのは彼らの個々の能力と生真面目さがあったからで、その技量のすごさを改めて思い知らされた。
さらに今回、10年ぶりにスタジオに入って分かったことは、スタッフのアーティスティックな能力の劣化が顕著なこと。デジタルに頼りすぎてアプリの言うがままになっている。しかも、世間がそれをよしとしている。同じことはクリエーターだけでなく社会全般の価値観にもいえる。このままいけば、今後20年でとんでもないことが起きると思う。
――ファーストガンダムは当初52話の予定だったが、43話に短縮された。ところが、熱心な視聴者からの声などで支持を広がり、再放送が決定した。最初の構想通りで進んでいたら、今のエンディングとは違っていたのか。
富野氏: 予定していたストーリーはあった。打ち切りになった話を聞いたときは、正直「クソッ」と思った。ただ、あのエンディングでまとめ直した瞬間、「やったぜ、これでいける」と確信した。アニメの物語というのは1人の作家が全ての思いを語ってはいけない。スペアを残しておいたほうがむしろ結果的にいいことを教えられた。
――当時のガンダムファンは35年たって大人になったいまもガンダムを愛し続けている。その理由をどう分析するか。
富野氏: 巨大ロボットを単なる乗り物にしたからだと思う。つまり、映画的な物語というのはメカに乗ることではなく、ドラマという人の関係性を示すことであって、それにこだわっただけのこと。一見安易だけど、安易でなければ1000万人には伝えられない。本来、僕は民族や言語を越えて分かるような図版として物語を見せたいという思いがあり、映画にはそういう力があると思う。人の関係性を動くだけで分かるような物語を作りたいと思っていた。
ファーストガンダムのキャラクターは全て好きだし、僕自身、手が出せない存在になっている。その後もガンダムを超える作品を作りたいと思いながら、作れなかったことに大きな敗北感を感じている。
――最新作は宇宙世紀が終焉し、新たな世紀を迎えた設定になっている。視聴者の子供たちには戦いの歴史を踏まえたうえで警鐘を鳴らす内容になるのか。
富野氏: 終末論で描くのも、警鐘を鳴らす物語にするのも簡単だ。ただし、メッセージ性を持った作品はエンタテインメントとしては面白くないと思っている。 表面的には明るく楽しいロボットアニメにしておいて、そのなかに問題の芽をまいておくしかない。それは演繹的に得た手法であって、ルックスとしては絶対的に“巨大ロボットモノ”に見せるべきだと思う。
――本展では最新作に登場する宇宙エレベーターが展示されているが、そこに込めた思いは。
富野氏: 未来永劫、宇宙に行く手段はロケットしかないが、絵空事の世界だから宇宙エレベーターを作った。と同時に、工学的には今後2000年たっても宇宙エレベーターは実現できないと言い切れる。ところが、実現できるかもしれないと言って研究している人がいる。実現しなくても今後100年くらいは国民の税金を使って研究してみることには意味があると思う。要するに、宇宙開発の予算を確保すれば、基礎研究や応用研究がもっと可能になるし、一般の認識を変えるきっかけにもなる。宇宙エレベーター交通機関として考えることもでき、それを次の世代に考えてもらいたい。
――最新作で伝えたいことは。
富野氏: いまの世の中で起きている現実の一直線上にある“夢”の実現が、パラダイスになるとは到底思えない。僕が考える本当の夢は、あと2000〜3000年は人類に生き延びてほしいということ。僕が考える夢を実現するためには世間全体の意識を変える必要があるが、アニメはそれに適した媒体ではないかと思っている。
 オピニオンリーダーになる次の世代を育てるためにも、最新作は新しい種をまく作品にしたい。ファーストガンダムの世代を再教育するには手後れかもしれない(笑)ので、とくに10代の若い世代をターゲットにしていきたい。