Gのレコンギスタ後の富野由悠季監督次回作について

Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック」に収録の宇野常寛氏との対談で語られた、富野監督次回作の情報についてまとめました。ムックに収録された内容と、宇野氏が自身のラジオ番組で未収録な部分について語った内容です。

オフィシャルガイドブック収録分

富野 ロボットものをもうちょっとファンタジーにしてみようという作品をサンライズでやらせてもらえそうなんです。であれば、ハリウッドで作るというような馬鹿な話はやめて東京で作るべきものは考えています。今回の『G-レコ』でもうひとつ確認できたのは、手描きのアニメは間違いなく残るだろうってこと。変なもので、ハリウッドが3Dをやればやるほど、手描きのアニメが逆にレアになる。このレアさ加減を、今の10歳以下の世代にわからせる作品があるべきなんじゃないのかと考えています。それを『G-レコ』を作った中堅のアニメーターたちが働けるうちに手描きでやる。そういう目標が出てきたので、もう2、3年はがんばらせてもらいたいと勝手に思ってるのね。
(中略)
ただ、種まきをするだけでは済ませたくはなくて、俗にいう作品賞を取れるようなものにはしたいよね。

THE HANGOUT 延長戦6/29での宇野氏の発言

宇野 G-レコで富野監督と4時間半対談したんですよね。まだ全然原稿とか上がってきていないんで。どっかで記事になると思うんで。訳分かんない事の意味とかについて色々聞いたりしてますよ。
結構オフレコな話とかもいっぱいあったんで。富野監督次回作ね。こんな事やりたい構想とかね。たぶん載っけられないと思うんですよね。もう一本やるならこれをね、こんなフォーマットでやりたいって発言。僕すごく嬉しかったんですけど。いいなぁ、あれはやっぱり。何となく察してください、みたいなね。実現したら良いなと思うんですけど、ほんとでも構想レベルだから具体的な話には何にもなっていないと思うんですけどね。引退じゃなかったですね。もう一回やりたいって言ってましたよ。

THE HANGOUT 延長戦 9/22での宇野氏の発言

宇野 収録されないけど次の新作の話ですね。僕は非常に楽しみにしてますね。(番組で)鼻歌とかで仄めかそうと思ったんだよね。

前々回の記事で、宇野氏の6/29のラジオ発言から、既存活字作品の映像化、もっと言うと宇野氏の反応から「閃光のハサウェイ」の映像化では? と、推測というか妄想を書きました。
そしてムックには、発売前情報に反して、上記のロボもの次回作の話が収録されていました。
では、宇野氏の語った次回作の話とイコールなのかと言えば、私は違うと考えています。もしかしたら同じ作品かもしれませんが、カットされた話の箇所が違うのではないでしょうか。と言うのも、宇野氏の話と一致しないんですよね、ムックの内容は。宇野氏がああまで反応するのか、フォーマットの話がない、鼻歌で仄めかせる内容(具体的なタイトル)でない、など。また、ムックでは話の前半部分に次回作の話がありますが、カットされた話の大半はG-レコの話が終わった後の、富野監督が最近読んだ本などの雑談1時間分だったそうです。確かに、対談の終わりはそういう流れになっています。カットされた次回作のもっと具体的な内容も、そこで語られていたのではないでしょうか。
ちなみに「ファンタジー」は、ムック対談の文脈上、嘘八百的なニュアンスであって、いわゆるバイストンウェルもの的な意味合いではないと思われますので、そこを勘違いしない様に。

オオカゼノオコルサマ・LegacyEffects提携作品

ではこちらがシフトしたのか、と言うと、前述の次回作はサンライズの企画なので、これとは別なのではないでしょうか。
オオカゼノオコルサマとLEの間に立っていた実制作会社が降りた、とかで、だから企画自体はまだ残ってると思われます。

サンライズフェスティバル2015白南風 Gのレコンギスタ オールナイトトークショーメモ

すいません途中までです。総集編作業と思われるラッシュ発言まで。

トークショー

谷口 ひとりずつご挨拶をいただいていこうと思います。それではまず石井マークさん。
石井 主人公ベルリ・ゼナムを演じています、石井マークです。今日は宜しくお願いいたします(拍手)。この会場がとてもすごいので、たぶんお家とかでG-レコを観てる方は家とはまた違った感覚で観れると思うので、お楽しみに。宜しくお願いいたします(拍手)!
谷口 続きまして、吉田健一さん、宜しくお願いいたします。
吉田 こんばんは。大画面で観られるのはちょっと厳しいんですけど(場内笑)。楽しんでいただければと思います。今日はどうもありがとうございます(拍手)。
谷口 形部さん。
形部 メカデザインの形部一平です。宜しくお願いいたします(拍手)。
谷口 それだけでいいんですか?
形部 はい。
谷口 はい、了解しました。そして菅野祐悟さん。
菅野 音楽の菅野祐悟です。宜しくお願いします(拍手)。ここに立つ事になったの、一時間前くらいに決まりました(場内笑)。突然なぜか今僕ここにいるんですけど、皆さんにお会いできて運が良いです。宜しくお願いします。
谷口 菅野さんをお連れした張本人ですね。
小形 はい、一時間前にたまたま菅野さんにお会いしてお連れしました。サンライズの小形です。宜しくお願いします(拍手)。今日は大入りですね。あそこの席とか図書室みたいですごい(ボックスシート)。
石井 ウェーイ。
小形 勝ち組ですよ。
谷口 勝ち組って言っちゃダメですよ。
小形 ダメですか。朝までゆっくりとお楽しみください。
谷口 じゃあ富野さん。お願いします。
富野 富野です。ほんとに今日は皆さんこういう風に来ていただいてありがとうございます。実は今、はじめてこの瞬間に、これだけの皆さんがいらしていただけるのが分かりましたので、自信を持ちました。ので、申し訳ございませんが、皆さん方のお力を借りたいと思います。ご存知の通り、今日現在、東日本一帯の豪雨で、ああいう水害に遭い、家が流され、未だに親族を探してらっしゃる方がいらっしゃる。それから、水もまだひいてません。それで皆さん方の力をお借りしたいのです、15秒間。彼の地に皆さん方の若々しい力を投げ与えたいと思いますので、15秒間黙祷を捧げたいと思いますので、皆さん方ご起立をお願いいたします(観客起立)。明日降るかもしれない雨が、本当になるべく早く上がる様に、そして被災に遭った皆さん方が立ち上がる様に、皆さん方の力を東日本一帯に投げ与えたいと思いますので、15秒間の黙祷をお願いいたします。黙祷。

(15秒間黙祷)

谷口 はい、ありがとうございます。
富野 ありがとうございます(場内拍手)! 皆さん方はこの様にいらしていただけるという事で言えば、やっぱり今力がある訳だし、余力がある訳です。本当にこういうものが、日本中に広がれば良いと思っています。そして、そして、いきなりG-レコに繋げます。この様な気分を作品に投げ与えたいと思って作りましたけれども、皆さんがご存知の通りの結果になっております。その意味ではちょっと、ちょっと悔しいかな(場内笑)。ご着席ください。今日の事で言うと、びっくりしている事があります。菅野さんは何で来たのいったい(場内笑)?
菅野 すいません、お邪魔させていただいて。実はですね、今日、皆さん多分ご存知だと思うんですが、澤野弘之さんという作曲家の方のライブがZepp東京でありまして。小形さんにお誘いいただいて一緒に見ておりまして。
小形 この業界で、二大若手音楽家と言われている二人が、僕一緒にたまたま連続してご一緒させていただいたので、菅野さんに会って、「実は富野さんとこういうのあるんですけど」って言ったら、ついでに来ていただきました。本当はこういうところ……ですよね、監督。菅野さんに来ていただく場としては。
富野 違う違う違う違う。来ていただくんだったら、そりゃ菅野さんの都合があるだろう! これだけ皆さん方の前でね、菅野さんもこの格好で来るつもりなかったんだからね。これっきりだったんだね。
小形 これはでも、なかなかレアですね。
富野 無礼だろ!
菅野 メイクしてカッコいいスーツ着てここに立ってますね、絶対に。
富野 こうやってお尻が二つに分かれてるから(燕尾服のジェスチャーしつつ)。
谷口 話長くなるんで。お掛けください。もう、初っ端から飛ばしすぎですよ。まだ時間あるんですからね。
富野 全然時間ない。
谷口 あぁ、そうですか。じゃあトークショーっぽい聞きまわししていいですか。
富野 だったら、任せる(後ろに下がりつつ)。
石井 下がらないでくださいよ。
谷口 それではですね、あらためまして、G-レコの本放送を終えられて。あらためてG-レコというものに対しての皆さんの、こんだけ、菅野さんもいらっしゃるという事でこれだけ各セクションの方が集まられたので、一言ずつね、振り返って感想いただきたいと思うんですけど。石井さんどうでした?
石井 そうですね、あらためてG-レコという作品を振り返ると、やっぱり、本当にちょっとした日常がたくさん出てくるので、観てて生活観溢れる描写とかに癒される部分とかもあって。すごく観やすかったなと思いますね。
谷口 その生活感を描いていただいたのが、隣に座られている吉田さん。
富野 だけど吉田さんは「大画面で観られるのイヤだよなぁ」って(場内笑)。
谷口 でも吉田さん、こないだの夜のG-レコ研究会、惜しくも来れなかったという事なので、そこを吉田さんから語りたい事いっぱいあると思うんで。
吉田 いやいや、色々語っちゃったんですよね、今まで(なんば紅鶴イベントなど)。
谷口 えっ? でも今石井さんが仰られた様に、色々G-レコって生活面においても、富野さんが作った様式って言うんですかね、風俗的な感じ? 生活含めて、それを吉田さんたち演出されていったと。
吉田 はい。もっとちゃんとやりたかったなぁって思いますけどね。
谷口 細かい動きとか芝居とか?
吉田 うん、そうですね。もうちょっと目が届けばなと悔しい感じ。
小形 すいません、ごめんなさい。
吉田 あ、いやいや(場内笑)。
石井 え、どういう事?
吉田 違う違う。単純に作業量がデザイン含めて多かったんで。今回は追いつかなかった、自分の能力が。
富野 だからトミノがみんないけないの(場内笑)。あれだけキャラクター出されたら、作画チェックなんかやってる暇ねぇじゃねぇか!
石井 多かったですもんね、確かに。
谷口 吉田さん、ちなみに何体くらい描かれたんですか? キャラ的に言うと。
吉田 分かんないです(場内笑)。はい。
谷口 でもこないだムック(キャラクターデザインワークス)、出されてましたよね。
吉田 あ、出た。でもあれだと収まってないよ。
谷口 ええ、あれよりももっといっぱいあるって事ですよね。
吉田 ある。トワサンガのテレビクルーとか。
石井 へぇー。
谷口 「トワサンガのテレビクルー」ってパッと思い出せません。
吉田 オリジナル作品ってのもあるんですけど、あれはちょっと他人任せにしづらかった。いじんなって言うか(笑)。「こんなんモブキャラにいます」とか設定制作が言いに来たら「やる」
って言って。
谷口 半ば意地になられた。
吉田 意地になった。
谷口 でも監督からのオーダーも結構あったんですけど。
吉田 もちろんそうですけど、今回メインでないけど結構目立つキャラクターの数がかなり多かったんで、手の抜けないキャラ、パッと出せないキャラが多かった。
富野 いや、だからそんな風にするつもり全然なかったのよね。なんかみんなが出てきちゃって。
吉田 ある程度は想像はできてたんですけど、監督の作り方の場合は、出るだろうって想像は出来てたんですけど。自分の想定の。
富野 すごいね(場内笑)。
谷口 お二人で以前組んでやられてたキングゲイナーの3倍か4倍くらいの物量ですもんね。
吉田 キングゲイナーは結構ちゃんとポンと3、40人作ったら、割とそれを使いまわしていったんですよ。最初にキングゲイナーは作画に入る前に40人ぐらいは終わったんですよね。
富野 そうなの(場内笑)?
吉田 だから、結構作画の方に手を入れていたんですけど。で、G-レコは追いつけなかった(笑)。
谷口 半端なかったんですもんね。あとはロードムービーという事もありましたよね。
吉田 あと監督とのデザインを最初からやるというのが初めてだったんで。
谷口 前は確か西村キヌさんと中村さんに。
吉田 そうそう。原案の方がいたんで。
富野 キングゲイナー知らない人がいるから。
谷口 いや、ここに来られる方、キングゲイナー知らない方いませんよ。
富野 そんな事ない(場内笑)。
谷口 10周年です、見てください(ダイレクトマーケティング)。
石井 さりげなくボソッと。
谷口 僕やってたんで。
吉田 そうなんだよね。
谷口 ありがとうございます。ちなみにキャラクターも多かったんですけど、メカも半端ない数がありましたね。
吉田 多かった。
谷口 今げんなりした顔してますけど、形部さん。どうでした、メカいっぱい描かれてて。
形部 いや、僕はこの作品4年やらしていただきましたけども、ここに入る前はメカデザイナーではなくて。今はイラストレーターというよりもメカデザイナーと言われる事が増えるくらいになったのも、妙な座りの悪い感じがするぐらいの。なのでとにかく一生懸命やってたっていうだけです(笑)。
谷口 でもだいぶ鍛えられましたよね。
形部 いや本当です。本当にもう、いつも言ってるんですけども。四年間学校に行ってた様な感じで。その都度その都度皆さん教えてくれるっていうか。
谷口 なんかスパルタアニメ塾みたいな感じになってましたよね(場内笑)。
吉田 言いたい放題言うんだよね。
谷口 (アニメ制作)初めてではないんですよね。
吉田 二作目?
形部 二作目ですね。
谷口 吉田さんが「この線が引っかかる」とか仰られていましたよね。
吉田 言います言います。
形部 吉田さんとコヤマさんにはアニメ的なデザインの仕方、打ち合わせの度に教えてもらってましたね。
谷口 富野さんとのやりとりはどんな感じだったんですか?
形部 富野さんとのやりとり、僕はほんとにとにかく企画が中盤くらいになるまで僕のロボットが出るのかな、ってくらいの気持ちでやってたので。なのでとにかく数ばっかり出してたんですけど僕は。で、ある日富野さんが打ち合わせでいらっしゃった時に「これ全部使う」言われて。
吉田 出すからですよ(場内笑)。
形部 申し訳ない。
谷口 覚えてます? 富野さん。
富野 それは覚えてますし、形部君とは僕基本的に打ち合わせやってないんですよね。こういう言い方が許されるかどうか分かんないんだけども、勝手に出てくるのね(場内笑)。こんなに出てきてどうしようかな、困ったなと思って。だけどもそれの時にひとつだけ年寄りが気をつけた事があるのは、キャリアのある人が、キャリアの判断でやるときっと古いものになってしまうだろうから、青少年のこういう風に書いてくるんだったら、使って見せなくちゃいけないんだろうと思って、「全部使う」って言った訳です。そしたらほんと酷い目に遭って(場内笑)。こんな事言うんじゃなかったっていう反省がものすごくあったんで。後ろの5、6本のコンテのチェックをするのが、ほんとに実を言うとイヤでした。嫌いなメカばっかり出てくるから(場内笑)。
谷口 ちなみに何が嫌いでした?
富野 ジロッド(場内笑)。
谷口 かわいそうに。
石井 ジロッドだったんだ。
谷口 形部さん泣きますよ。でもね、形部さんはクビにならない様にって。
形部 僕としては逃げ切ったって感じ(場内笑)。もう嬉しいです。形になった時の気分って言ったら本当に。1話を家族で観たんですけど、ほんと感動しました。富野さんの作品で僕のメカが出てくる。
富野 いや、ウンと言いながらあれ1話には出てこなかった……。
谷口 出てますよ。グリモアとか出てるでしょ。
富野 グリモア、あ、そうか。
形部 カットシー
谷口 冒頭から。
形部 カットシー頭に出てるじゃないですか。
吉田 俺描いた(場内笑)。
谷口 じゃあ誰がラライヤを助けたんですか。
富野 すいません、今思い出した事で、昨日も1話の実を言うと、ラッシュ見てて。すっかり忘れてた(笑)。
小形 24時間前に見てたじゃないですか。
谷口 小形さん。
小形 すいません。
谷口 気抜いちゃダメですよ。後は菅野さんに伺っていきたいんですけども。今も劇伴の曲が流れてますけども。
菅野 はい。これはG-レコ反省会ですかね(場内笑)? このネガティブ空間。
谷口 いや、感想を伺ってるだけですから。なんとなく反省会っぽくなってるだけです。
石井 皆さんの感想がなぜか反省会っぽくなっている。
谷口 そうですね。石井さんにはあとでもう一回反省してもらいます。
石井 えっ? マジですか。
谷口 菅野さん。
菅野 いや、僕は本当に嬉しいです。後悔はありません。
谷口 前向きですね。
富野 だけどさ、菅野さんがそう言って信じられる?
谷口 同じ壇上に菅野さんがいる事が信じられません。
富野 ねぇ、あんな巨匠がさ、あんな事言うなんて絶対嘘だろ。
谷口 こういういじり方をしすぎた感じですかね。
菅野 喜ぶんで大丈夫です。
谷口 劇中曲ってのは、一番最初に打ち合わせをして菅野さんが作られているんですよね。その後追加で楽曲発注ってのはあったんですか?
菅野 はい、追加で。
小形 後半は追加でしたよね。
菅野 全部で三回?
小形 そうですね、三回ぐらい。
菅野 僕も物量で言ったら結構頑張りまして。100曲以上書きましたね。サントラ辞書みたいに厚くなって。
小形 形部さんがジャケット描いて。
菅野 ありがとうございます。
小形 あれほんとは吉田さんが描く予定だったんですよね(場内笑)。「これ描けない、ごめん、形部さんに頼んで」って。形部さんに一週間であれ実は描いてもらったんですよ。素晴らしい。
吉田 そんな事ばっかり(笑)。
富野 だけどそれは今の話は音楽の話じゃないじゃない。
小形 でも監督さっきから巨匠巨匠言われてますけど、その巨匠にトイレの曲(ハイフン・スタッカート)書かせたのも監督ですよ。
谷口 しかも一回しか使わなかったですよ。
小形 そうです。
富野 そうなんだけども、実を言うと、ここに来る1時間前に、あの曲をちょっと必要があって、3回くらい聴いてきたんです。今みたいな言い方、ものすごくムカッとくるの。
小形 すいません、申し訳ない。
富野 歌詞カードをとにかく読んでください、もう一度。ほんと好き! あれを私は、我ながらじゃなくて、井荻麟として名曲だと思ってます。これ以後流行る!
小形 なるほど。
富野 っていうくらい巧妙な作りになってて、ほんとに好きですね。
小形 あの3話のラストでかかったトイレの曲です。
菅野 はいはいはい。いやー、歌詞見た時びっくりしましたけどね。
小形 まさかこんなのを書く事になるとは。
菅野 いやいや。嬉しいですよ、もちろん。監督の詞ってのは「Gの閃光」も書かせていただいて、もうメロディーが詞で決まっちゃってるんですよ。なので、作曲は僕はもう、してない様なもので。監督の詞を見て、僕が鼻歌を歌うと、もうそれがそのままGの閃光であったり、トイレの曲だったりするので。多分木の中に彫刻があって削りとってるだけだってよく言うじゃないですか。そんな気持ちですよ。だから埃をパタパタはたいたらGの閃光のメロディーが出てくるみたいなくらい、詞に力が本当にあって。
小形 巨匠に言われてますよ、監督。
菅野 僕結構若いつもりでいるんですよ(場内笑)。

関係者tw


劇場のサイン

G-レコの放送後の展開、そして富野次回作について

とりあえず現在の情報。制作面と内容面について時系列順で紹介。

ガンダム Gのレコンギスタ ガンプラコンテスト開催記念「富野由悠季監督ガンプラを語る!」〈前編〉

http://bandai-hobby.net/g-reco/interview03.html

富野 僕が今思っているのは、もし次をやらせてもらえるんだったら、マックナイフやエルフ系をもうちょっとモビルスーツに近いイメージで動かすことを宿題にします。

Gのレコンラジオ最終回

富野 (劇場版X部作について)ご指摘ある様な方法は過去の方法なので、別の方法は考えたいと思っていますので、今、鋭意検討中という言い方はまだできないんだけども、全く可能性がない訳でもないので、本当これはこの年齢だから言える事で年齢と競争してともかくもうちょっとやらせていただければと思います。が、これは皆が一生懸命褒めてくれないと制作費が出ませんので(笑)、いっぱい褒めてください。
石井 僕たちも続けていきたいので。
富野 あ、ベルリは出ないかもしれない。
石井 えー!
谷口 旅立ちましたからね。
(中略)
富野 (ノレドが最後に一緒に行けなかったのは)知らないよ。
寿 ベルリが帰ってくる時には、石井君はノレド待ってるんじゃないかって思ってるんだよね。私はノレド待ってないと思うんですよ。女性ってそんな感じなのかなって。
富野 はい。
石井 結局ベルリはひとりっきりか。
谷口 いや、分かんないですよ。僕が富野さんと話した時は、ノレドの性格考えたら追っかけてくるんじゃねぇのかなって。
(中略)
富野 だからその後は、きっとクレッセント・シップが宇宙に出て行った時に、自分はキャピタル・テリトリィに戻って一度降りて、それこそ自己学習の時間を手に入れるのかもしれないし、別の所に行くのかもしれない。何となく思ってるのは、きっとアイーダのいるアメリアまで行って勉強するのかな。

公開は次の最終回イベントより後なのですが、収録順という事で。

最終回イベント

富野 まだもう少し、やって良いという話があれば、やりたいと思います。
小形 またこの様な機会に皆さんとお会いできればと思いますので、これからもG-レコの方、応援宜しくお願いいたします。

公の場では初めて次の展開について言及(厳密にはホビーサイトの方が先ではありますが……)。観客も大盛り上がり。

エンタミクス2015年5月号

富野 実を言うと「まずは総集編映画で」というオファーは来ています。ただ、2クールにおさまらずに苦心したG-レコの情報量を2時間の映画にするとなっても、物語を縮めようがなく、その方法論も見つかっていません。パート4、5と何本も作っても意味が無いかもしれないし……。
――(中略)描かれていない部分を膨らませるのは?
富野 できなくはないですが、その切り口では既存のガンダムビジネスをなぞる形になってしまう。(中略)今作では外観のみを紹介した形ですから、今後は屋内の各部屋にまつわる物語を丁寧に描いていけると思っています。(中略)その先の方向性も新しい手法で見せたいという気持ちも強いんですよね。

2時間*数本の総集編と、その後の新作?のオファーがあった模様。
また、かつてG-レコを「ガンダムのようでガンダムでないもの」と企画中に表した様に、総集編の様でただの総集編でないものを求めている。

ガンダムA2015年6月号

――では次は?
富野 ノレドとの再会を描く話でもいいだろうし、そこに敵としてバララを置くとかね。24話でバララを生き延びさせてるのは、そういう思いがなきにしもあらずだったので。あとカシーバ・ミコシという奇妙な形の輸送船を登場させてないけど、内部構造を一切見せてないので、それを見せる様な物語を考えれれば、TVシリーズでよく分からないと言われた事の突破口になりそうな気はします。まぁ、これらは構想でもなんでもなくホラ話として聞いてください(笑)。でも、こうしたホラ話から何かが生まれることもありますよ。

グレートメカニックG 2015SUMMER

富野 2回戦という機運は部分的にサンライズの中にもあって、もし実現できればもう少し広く見てもらえるように創り直したいと考えています。ただ、1つ大問題があって、今までのような総集編はありえない。10年〜15年前の総集編映画が成立する時代でもありませんし、構造的にも不可能でしょう。映画での公開は理想ですが、配信論や分割上映ということも意識しています。(手を入れるとすれば)アイーダとベルリの問題が浮上してきます。(中略)たとえば映画版にした時、TV版のクレジット部分をエンディングロールまで落とすと、ベルリが歩いている可能性は十分あり得ます。(中略)ノレドが追いついてくるんですよ。きっと新潟港で待っているんです(笑)。(中略)ラライヤがいてもいいでしょうし、アイーダも(日本海を渡る)プレジャーボートの船長として登場するのもいいでしょうね。

部分的に、というのは、G-レコスタッフだった小形P以下メンバーだろうし(あと河Pか)、ある意味状況的にはNTAの「Gレコ」時代と似たようなものなのではないだろうか。適切でないかもしれませんが、ロックマンDASH3的なポジションというか。
また、このインタビュー時点では、新たな総集編的手法をまだ見出せておらず、既存の総集編のパッケージをどう現代に合わせて流通させるか……という部分に留まっている様に感じる。もちろん、まだ言えないだけかもしれない。
内容面の案についてはノレドが追っかけてくる、という部分は変わらず。

ガンダムA15年8月号 小形Pインタビュー後篇

小形 現時点ではいい突破口は見つかっていません。
富野 6月になったら考える。

AERA15年7月27日号

富野 テレビでオンエアされたG-レコは、映画で言えば未完成の零号ラッシュのようなもの。これからが本当の作品づくりだ、と感じています。発売されているBli-ray、DVDは放映されたものよりずっと楽しくなっているし。現在、さらに作品を再編集する作業に取り組んでいるところです。

現状をまとめると、

  • 事実上の総集編映画として構想中。ただし普通には尺におさまらないので新手法が必要。
  • サンライズのゴーサインが完全に出ている訳ではないが、小形Pからのオファーは出ている。そして作業に入っている。
  • 小形Pからは総集編映画の次のG-レコの展開の話も来ている?
  • 総集編的映画のラストはノレドが追いつく話?

あらたな手法が見つかるかどうかですが、SNS等の情報を見ると毎日?1スタで作業されている様ですので、あまり悲観しなくても良いのかもしれません。
素人考えですが、カシーバ・ミコシの内部を見せる手法と言うと、ダハックを受領する前後のシーンをカシーバの内部だった事にするのかなと思いました。

富野・宇野対談


この時点では対談であることは明かされてませんでしたが、後に富野対談であることが判明。

THE HANGOUT 延長戦6/29での宇野氏の発言

宇野 G-レコで富野監督と4時間半対談したんですよね。まだ全然原稿とか上がってきていないんで。どっかで記事になると思うんで。訳分かんない事の意味とかについて色々聞いたりしてますよ。
結構オフレコな話とかもいっぱいあったんで。富野監督次回作ね。こんな事やりたい構想とかね。たぶん載っけられないと思うんですよね。もう一本やるならこれをね、こんなフォーマットでやりたいって発言。僕すごく嬉しかったんですけど。いいなぁ、あれはやっぱり。何となく察してください、みたいなね。実現したら良いなと思うんですけど、ほんとでも構想レベルだから具体的な話には何にもなっていないと思うんですけどね。引退じゃなかったですね。もう一回やりたいって言ってましたよ。

なんとここで、G-レコの次展開とは別の新作構想の話が出てきます。そして宇野氏の話ぶりから、Legacy Effects提携作品ではないと思われます。あとで紹介しますが、氏はそれならそうと言及するはずです。
また、興味深いのが、既存作品の映像化であるかの様な発言である点ですね。更に宇野氏が「嬉しい」とまで言う作品というと、かつてのアマチュア時代の宇野氏のサイトを見たことがある方ならわかるでしょうが、まず浮かぶのが「閃光のハサウェイ」ですね。確かに、さびし氏のマンガ版ベルチルの終わる頃がちょうどよさげな時期でもある様な気もします。次点で「王の心」「アベニールを探して」といったところでしょうか、あくまで宇野氏の好きな富野小説で言うならば。
いずれにせよ、期待したいところです。
(追記:クロスボーンガンダムを失念してますね……ただ、宇野氏がクロボンに言及した事はないとは言いませんが、正直覚えてません)

おまけ

ちなみに、これを受けてではないですが、宇野常寛氏がラジオでこれを補強する様な内容を語っていました。
おそらくですが、オオカゼノオコルサマとLEの間に立っていた実制作会社が降りた、とかでは。だから企画自体はまだ残ってる、と。
NHKの講座記事ですがすいません、こちらは着手できていないです……作業した暁には負けない記事にしないと……)

おまけ2

このお三方の案件は同一のものなのでは、と思ったりします。その後の発表で、てんい氏の時期と一致しているのもあります。そして小川Pのtwから、3スタ新作が新ガンダムであるのはほぼ確定でしょう。
フレームロボでは、という意見もありそうですが、そちらは下田氏デザインなのと、発表タイミングが一月違うことがあります。また、秋番組であるならば、このタイミングでのコンテアップ、7月発表は充分ありえます。

NEXT Gに対する謎のブコメ

http://b.hatena.ne.jp/entry/258261763/comment/otokinoki

岡田麿里さんがシナリオを書くという、「あの花」ガンダムかねぇ?

この方は(検索したところ)角川春樹事務所の方だそうです。
出版業界では元々「あの花」ガンダムの噂があり、これが該当するのでは、というブコメに読めます(そうでないと唐突すぎるブコメなので)。
その場合、やはり監督は長井龍雪氏なのでしょうか。00参加後に小川Pが声をかけたとすれば、時期的にもちょうど良いのではないでしょうか。長井氏は富野作品についてかつてこんな発言をされてました。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw757477

影響という点では、富野由悠季(とみのよしゆき)さん(『ガンダム』シリーズで知られるアニメ監督)のほうが大きいかもしれません。富野さんの作品って、すごく生々しく人間を描きますよね。例えば、容赦なく女の人をバカにしたり(笑)。そういう作品が、僕の根っこになっていると思います。

ちなみに、熱心な富野リスペクターな荒木哲郎氏は同い年だそうです。
余談ですが、岡田里氏には、2chのスレにおいて初期Gレコに関わっていたのでは、との怪情報もあります。
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/iga/1329922442/292n-


追記:上記は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の事でした。

おまけ3

こちらは1スタの非富野新作?


使用しているTweet郡は、ちゃんと埋め込んでいるはずなのですが、うまく表示されてませんね……はてなダイアリーの仕様?
ブコメの引用に関しては、すいません、こちらははっきりした手法の情報がなかったのでこういう引用にしました。

AnimeJpan2015 G-レコ関係メモ

富野総監督とキャラクターに聞く67のQ&A

テロップは整理されていて、実際の発言とは異なっています。

Q.1 オノンさんから富野総監督への質問 Q.14話序盤でラライヤが既に回復しているように見えましたが、会談後にベルリ達みんながやっと治ったんだ!という反応を示したのはなぜでしょうか?

この質問の意図がよくわかりません。が、少なくとも記憶喪失の症状が改善していくのは、波があります。一直線ではありません。ですからベルリ達が様子を見い見いしながら確認していったので、最終的にラライヤに問いかける様な事があって、「ああ本当に安心して良いんだな」と皆思う様になった。そういう事です。

Q.2 crimeさんからベルリへの質問 Q.ベルリはいくつですか

ベルリ「17歳ですよ」

Q.3 Q.パイロットが排泄物を機内でだすシーンは何故必要だったのですか

モビルスーツに一日乗ってる様な時に、トイレに行かないで済みますか。

Q.4 笑ちゃんさんからアイーダへの質問 Q.カーヒル大尉のどのあたりに惚れましたか?

アイーダ「カーヒル大尉は、私の尊敬できる、私の向上心を刺激してくれる人でした」

Q.5 コメット岩田さんから富野総監督への質問 Q.登場人物のなかには「兵器技術・戦争技術の際限ない向上が旧世紀の悲劇を生んだ」「それを再生しないためにタブーがある」と考えている人がいますが、監督は兵器・戦争技術の向上と文化や文明、あるいは人間の生活との間の関係をどうお考えでしょうか? 例えば実在の戦闘機ではパイロットの生存率を上げることも企図されていますし、訓練の改良によって民間人を殺傷しない努力もなされています。よって、必ずしも技術向上が負の作用を及ぼさないと思えるのですが?

その考え方が、本当に「今」の時点での技術論とか技術者が思っている理想論だけを考えて言っているので、現実はそうではありません。技術革新はが次々と行なわれているのか、について体を持って暮らしを立てていられる我々にとって、どこまで必要なのかを考えると、もうこれ以上の技術革新はなくても良いのではないかとさえ思っています。

Q.6 アムロン・ムロンさんからラライヤへの質問 Q.両親の姿が見えないのですが、レイハントン、ドレット家の争いに巻き込まれて死んでしまったのでしょうか?

ラライヤ「はい、両親は……亡くなりました。なので、フラミニアさんが私のお姉さんの代わりになって助けてくれていました」

Q.7 RPさんから富野総監督への質問 Q.富野作品で特徴的なことの一つに“親との仲が良好な主人公がほぼ皆無(例外は神ファミリーとシーブックのお父さんのみ)”というのがあります。ただG-レコにおいてウィルミットさんは血が繋がってないとはいえ、ベルリのことをとても愛している様子が伺えます。これはそれまでとは違う親子関係にしようと監督が意識してのことだったのでしょうか? 単なる偶然なのでしょうか?

色々な物語を作ってみたい、という風にまだ考えているトミノですから、今回は血縁でなくても親子関係っていうのは成立するだろう、そういう親子はやはりいるだろう、という事を想像しましたので、こういう様なケースを採用しました、という事です。

Q.8 えっぴーさんからクリムへの質問 Q.ミックさんとは恋人の関係なのでしょうか? アイーダに対してはどんな感情を抱いてますか?

クリム「最初は仕事のパートナーだったが、実践を経て、気になる存在になっていったな。姫様との事は、今はあまり考えない様にしている」

Q.9 元気のGさんから富野総監督への質問 Q.トワサンガビーナス・グロゥブに住んでいる人口は何人ですか?

そんな事は知りません。迂闊に数字を決めてしまいますと、ツッコミがいっぱいあるから、やめてます。

Q.10 まーぼうさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでは地球と月を中心に物語が進まれてますが、かつて宇宙にあったスペースコロニーなどはどのようになっているのでしょうか。

全部ゴミになってます。って言うと身も蓋もない回答なので、少しだけ付け加えますと、1000年経つとゴミにもなるでしょう、という事です。

Q.11 雪之さんからマスクへの質問 Q.正直バララとマニィについて、それぞれどう思ってるんですか?

マスク「バララは戦場でよく私を支えてくれている。マニィは私の帰る所と言えるかもしれない」

Q.12 だいやまさんから富野総監督への質問 Q.シラノ5は、ずいぶん老朽化した印象を受けたのですがトワサンガは、インフラのメンテがされても、発展・開発が止まっていた状態なのでしょうか。MSも地球で製造されたものと比べてもあまり強くない印象を受けました。宇宙世紀時代の科学技術の開発をやめずに進歩を続けていたのは、ビーナス・グロゥブだけということなのでしょうか。

シラノ5が老朽化した様に見えるというのは、おそらくルックスが特殊なものだったから、つまり今までになかったものだからという風に思っています。技術論的に言えば、シリンダー型のスペースコロニーを作る以上に技術を行使していますし、それ以上に安定したスペースコロニーになっているという風に考えています。それから、第二の質問にあるモビルスーツについてなんですけど、なんで今までのガンダム系以上に強いものが出ていないんだ、って事に関してですと簡単な話です。最強なものが出てきたら、物語はその瞬間に終わります。という事はどういう事かと言うと、物語を作る必要がないんです。今回その事をG-レコでは25話26話で端的にやっています。便利すぎる道具が出来てしまったりしたら、人間っていうのは要らなくなるんですよ、という事をそろそろ思い出して下さい。

Q.13 ゆーすさんからベルリへの質問 Q.アイーダが姉だと分かった後のベルリの荒れ様はひどく、それでも18話のクレッセント・シップ内では姉として接しているように見えましたがどうやって気持ちに折り合いを付けましたか?

ベルリ「本当はまだ割り切れてないけど、強がりました」

Q.14 ぴよりガノフ胃之九十番さんから富野総監督への質問 Q.なぜ物語の舞台のひとつに金星を選んだのですか?

これはG-レコの世界観の大前提にあります、フォトンバッテリーを生産する為には、太陽に近い方が良いから金星側に行ったという事で、金星そのものを舞台にしている訳ではありません。

Q.15 榊原史弥さんから富野総監督への質問 Q.月周辺はトワサンガ、金星周辺はビーナス・グロゥブの勢力圏ですが、火星圏や木星圏に人は住んでいるのでしょうか?

金星を何故舞台にしたのかという理由を述べました。その理由に則った時に、火星、木星に人がいる訳がない!

Q.16 famineさんから富野総監督への質問 Q.G-レコ世界の人々にとって、宇宙世紀というのはただ悲惨なだけの歴史なのでしょうか?

そうだと思っています。本当に残念なのですが、宇宙世紀の時代ってのはもう(現代から)2、300年後の事です。その時代の事が楽しい未来なのかという事に関しては、ちょっと疑問があります。

Q.17 黒咲瑠璃さんからアイーダへの質問 Q.第5話でメガファウナアイーダが操縦士のステアと身を寄せ合うシーンがありましたが、あの時はどういう心境で、ステアはアイーダをどう思っていたのでしょうか。あのシーンは印象的だったのでとても気になります。

アイーダ「ステアは私以上に私の事を分かってくれる人です。だからあの時は、彼女の肩を借りたのです」

Q.18 宇宙のちりとりさんから富野総監督への質問 Q.これまでのガンダムと比べてもG-レコは特に沢山のMSや戦艦が出てきますが、みんな個性豊かで響きも良いので印象に残りとても気に入ってます。監督は機体の名称を付ける時どんな事を考えて名付けているのでしょうか? またそれぞれに由来やネーミングの縛りなどはあるのでしょうか?

本当に数をいっぱい出してみた、という意味では楽しい感覚はあります。必ずしもバンダイのプレッシャーがあったから、という訳ではありません。ですから名前を付ける事についてもかなり楽しい作業でしたが、実を言うと大変な作業で、名前を付けるというのはとても難しいんです。実を言うと縛りもありますし、いわれのあるものもあります。そういう様なものは、僕は記憶力が本当になり人間なので、全部忘れましたので、すいません、それは別の本が出たらそれで調べて下さい。

Q.19 高望千春さんから富野総監督への質問 Q.「なんじゃとて」などの独特な台詞は一体どこから出てくるものなのでしょうか? 色々考えた末に、あえてその言葉を選んでいるのか、それとも監督の中から自然んとそういった語彙が出てくるのか伺いたいです。

言葉について言えば、世代感があります。僕は僕の様な年代で聞こえてきた言葉というのが身に付いていますから、そういうものを利用する事はあります。ただ、それだけではなくて、劇の中で作品としての個性を付けようという風に考えていった時に、「なんじゃとて」という様な言葉遣いを、劇中に入れても良いんだろうという風に思っています。

Q.20 七夕さんからラライヤへの質問 Q.マンディ時代を正気に戻った今はどう思ってますか?

ラライヤ「記憶が無かった時代の事は、よく覚えていません」

Q.21 Gマスクさんから富野総監督への質問 Q.富野監督にとっては、G-レコは久しぶりに宇宙戦を演出するアニメになったと思うのですが、以前と比べて演出方針が監督の中で変わったということはあったのでしょうか。以前と比べ、変わっているように感じたので質問させてもらいました。

基本的に、変わっていません。ただそれが、以前の富野作品と違うんじゃないの、という事があるとすれば、実はそれは全部アニメーターの力です。

Q.22 だびんちょさんから富野総監督への質問 Q.クンタラについてお伺いします。作品内ではクンタラは差別される側の立場とはありますが、クンタラと差別する側とはお互いの区別がハッキリ分かるのですか? ノレドはクンタラ伝統の帽子・印・パチンコで分かります。でもマニィやマスクはクンタラと分かるアイテムはありません。そこが不思議なのですが。

それが不思議なんです、という質問がとても不思議です。我々が知っている差別されている人、そういう人達が必ずしもアイテムというかアイコンになる様なものは付けていません。ですからむしろ今回、キャラクターを作る上で本当にノレドの事で困った事があったのは、額のああいうものを取り外す事なんですが、それが絶対にできなかった時期が、制作期間内にあったという事ですから、ちょっと残念だとも思っています。

Q.23 cosmosさんからクリムへの質問 Q.モンテーロに未練は無いんですか? この浮気者!(笑)

クリム「機体に未練はあまり無いが、ジャベリンだけは持っていってもよかったな」

Q.24 節電マニアさんから富野総監督への質問 Q.「フォトンバッテリー」「水の玉」や「空気の玉」といった設定・概念を新たに作った理由は何ですか? それから「質量保存の法則」はどのように克服しているのでしょうか?

この様な質問については、一切考えないで今回物語を設定しました。その理由はものすごく単純明快で、アニメ作品を作る為だからです。
Q.25 節電マニアさんから富野総監督への質問 Q.「キャピタル・アーミー」ではなく「キャピタル・アーミィ」、「ビーナス・グローブ」ではなく「ビーナス・グロゥブ」という具合に長音の代わりに捨て仮名を用いた表記をする理由は何ですか?
活字にした時にルックスが良いからです。もちろん、そのルックスが悪いと感じていらっしゃる方もいると思いますが、「私は」カッコいいと思ったから、です。

Q.26 マスクのマスクさんからマスクへの質問 Q.マスクの付け心地は?

マスク「まるで別の何かになった様な……とはいかないが、しかし、なかなかいいものだ」
Q.27 ともさんから富野総監督への質問 Q.ガンダム作品の世界観を創る時は楽しんでいますか? 苦しんでいますか?
腹が立っている事が先です。そして作り始めるととても面白くなります。現在只今、僕のメインの仕事が終わった段階で言えば、とっても良かったな、っていうのと、分かりにくいかもしれないけどかなり楽しい仕事ができた、という記憶がありますから、不愉快な気分ってのは一切ありません。

Q.28 マスクのマスクさんから富野総監督への質問 Q.G-レコのお気に入りキャラを教えてください。

ノベルです。と言うと、当たり障りがないからです(ニヤリ)。

Q.29 神田さんからベルリへの質問 Q.リギルド・センチュリーモビルスーツはトイレが付いているのを見ました。用を足した後、掃除をするのは整備士とパイロットどちらの仕事でしょうか? それとも別にトイレ当番がいるのでしょうか? トイレのシーンが印象的なベルリ君に伺いたいです。

ベルリ「当番や整備士さんもやるけど、僕は率先してやってます」

Q.30 ドゥリさんから富野総監督への質問 Q.大陸間戦争について詳しく教えてください。アメリアは、バッテリーのために戦争をしているのか、戦争のために、バッテリーが欲しいのか、どちらなんですか?

僕はアメリアの事を調べた事がありませんから、そんな事は知りません。そして、今の回答の仕方を気に入らないとするならば、物語世界の事をすごく狭く捉えていると思います。大陸間戦争があるという設定を作った瞬間に、質問者が思われている様なのがいっぱいあって戦争が起こってます。

Q.31 スヤマックスさんから富野総監督への質問 Q.話のテンポがサクサク進むなぁと感じたのですが、2クール以上の話を圧縮してこの形になったのか、当初からこのテンポで進めると決めていたのですか?

今回に関しては当初からこのテンポです。そのテンポが実を言うとあまりにも酷すぎ、早すぎるので、ブレーキをかける様な演出を4話ぐらいまではやれました。それ以後、結局当初の予定、シナリオに準じて作らなくちゃいけなくなっちゃって、スピード感だけが見えてきて、演出のまとめ方としてはちょっと間違ってしまったな、っていう感触はあります。

Q.32 スン助さんからアイーダへの質問 Q.アイーダ様はG-アルケインの変形をまだされていませんが、変形飛行はお嫌いなのですか?

アイーダ「私の美意識に合わないからです」

Q.33 ヤマキレコンギスタさんからの富野総監督への質問 Q.G-レコのキャラクターはそれぞれモデルがいらっしゃるんでしょうか? それとも富野さんの子どもはこうでなくちゃ!を絵にしたらこうなった、という感じでしょうか?

「富野さんの子どもはこうでなくちゃ!を絵にしたら」というのが良く、というか全然分からないんですが、モデルはいません。

Q.34 アムロン・ムロンさんから富野総監督への質問 Q.リンゴは最初は捕虜という扱いを受けてましたが、いつの間にか仲間になっちゃってました。リンゴがすぐにドレット軍からメガファウナに寝返った理由やメガファウナのクルーがリンゴを受け入れた経緯を教えてほしいです。

リンゴに関して言えば、ああいう人だから、簡単に寝返ったんですよね、という言い方。初めに寝返るキャラクターだったからです。後半のリンゴの出番が少なくなるんですが、とても良いキャラクターを作れたという風に思っています。そういう意味で、かなり無責任でアッパッパーなんだよね、っていう部分が嫌いなんですが、好きですねぇ(笑)。

Q.35 manaさんからラライヤへの質問 Q.チュチュミィのことは病気が治った今でも変わらずに好きですか?

ラライヤ「チュチュミィは、フラミィだと思って大事にしていました。でも、記憶が戻ったらモビルスーツに夢中なってしまって、チュチュミィの事を忘れてました。チュチュミィ、ごめんなさい」

Q.36 上井草凛さんから富野総監督への質問 Q.G-レコは面白いですけど、分かりにくいところもたくさんありました。小説で書くと、ものすごく分かりやすくて面白い内容になると思いますが、小説を書くつもりはありますか?

僕のキャリアで言えば、小説を書くというのも許されるかもしれないと思ってます。が、G-レコは書けないと思います。と言うのは、本当に分かりにくい所もあるから、ノベルスにして解説をしたいと思ってるんですが、解説をして良い様な作品ではない気がする。G-レコは今回完全に動画作品として、アニメとして、かなり良い所に行ってると思ってます。ですからです。分かりにくいところに関しては本当に申し訳ないと思っていますが、もうちょっと分かりやすく観る方法があります。Blu-rayを是非ご覧ください。かなり分かりやすくなっています。

Q.37 WBのコックさんから富野総監督への質問 Q.僕は今、中学二年生です。G-レコにはスコード教という宗教が出てきますが現実では「イスラム国」が問題になっています。これから先、ダイクンの理想としたような人々が宗教や民族の垣根を越えて歩み寄っていけるような時代は訪れるのでしょうか。

違う宗教の人たちが、歩み寄れる様な時代が来るのか、という事に関して言えば、歩み寄る様にならなければならないという風に思っていますし、実際に宗教家の活動というのが始まってまして、横に連絡を取り合っていくという世界的な組織が立ち上がってます。数年前から。そういう様な方向に進むんじゃないのかと思っています。ちなみにスコード教という名前を作った理由があります。これは世界の最低四大宗教と言われているものの頭文字を組み合わせて作った名前です。

Q.38 ゆりみ えなさんからクリムへの質問 Q.本名のクリムトン・ニッキーニではなくクリム・ニックと名乗っているのは、海賊部隊がアメリア軍だと敵に知られるのを避けるためですか?

クリム「私はあまり偉ぶりたくないから、愛称で呼ばせている」

Q.39 イングさんから富野総監督への質問 Q.なぜ今回の舞台は宇宙世紀から数千年のリギルドセンチュリーという舞台にしたんですか? 数千年という時間の経過は宇宙世紀が始まってVガンダムの時代に至るまでの時間より膨大ですし、リギルドという年号にしてまでの監督なりの決意や考えはあるのですか?

これは本当にあります。このまま科学技術が進んでいくというのはどういう事かと言うと、資源を消費していくんです。あと何万年か人類が使ってかなくちゃと考えた時に、今の経済状態と消費文化というものでは、楽しい想像を一切できない。次の時代を担ってくれる子供達にはふさわしくないと思った、ので、こういう楽しい物語に見えるのだけれど、実を言うと何でこんなに時間を飛ばしたのか、みたいな事を今の小中学生の人達に考えてもらって、21世紀の後半を良い世紀にしてもらいたいと思うので、この様な作品の作り方をしました。

Q.40 ゆーすさんから富野総監督への質問 Q.クンタラについて質問です。作中でクンタラとして差別される、ルインやノレドの姿がありますが、とはいえ、二人の身のこなしは貧困層とは結びつかずリギルド・センチュリーでのクンタラの社会的な扱いが気になります。クンタラには孤児が多いのか、中には富豪や官僚もいて出世している者も多く、暮らしぶりは普通と変わらないのでしょうか。

あの、この質問が本当に分からないのは、人はそれほど……何と言うのかなぁ、パターン化してないんですよ。それを、パターン化しているんじゃないのかと信じ込んでいるのは、
この質問者がアニメ?の見過ぎです。もっと普通の社会の事を考えて下さい。それだけです。

Q.41 麦さんからマスクへの質問 Q.ルインの時と大分性格が違うように見えますが、マスクの性格は強化されて変わったものなのですか? それとも本性が出たということなのでしょうか?

マスク「キャピタル・ガード候補生としての私が抑圧してきた感情が発散されたもの、と言えば分かってもらえるかな」

Q.42 田中允也さんから富野総監督への質問 Q.ラストに近づいた「Gのレコンギスタ」富野監督が今後注目してほしいキャラは誰ですか?

ベルリです。

Q.43 石井歩さんから富野総監督への質問 Q.頻出する歴史政治学への執着は一体なんなのですか。若者へ向けた作品だということはインタビューなどでおっしゃっていたと思いますがやはりそういった事と関連するのでしょうか?

もちろん関連します。歴史だけ学ぶ、政治だけを学ぶという事が持っている学問の問題というのは本当に弊害が大きいと思っています。例えば歴史政治学という、やっぱりひとつのブロックとして理解するという様な想像力を刺激したいと思ってこういう言葉を使いました。

Q.44 火力主義さんからベルリへの質問 Q.ベルリが一番気に入ってるG-セルフバックパックは何ですか? 自分はアサルトが好きです。

ベルリ「僕は高トルクパックかな」

Q.45 ショウさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタは過去の富野さんが作られたガンダム作品の中で、最も勢力や派閥が多く、それぞれの思惑が複雑に入り乱れている作品と思えましたが、どうしてこの様に出来上がったのか教えて下さい。

いや、そんなに派閥はありませんよ。3つだけですよ。が、何故複雑に見えるかという理由をお話しします。平気で人間が行ったり来たりできる気分があって、味方がひょっとしたら敵かもしれない、敵が味方かもしれないという様な、構造になっているからです。

Q.46 RPさんから富野総監督への質問 Q.「G-レコは難しい」「G-レコはわからない」一部の視聴者のこんな声は恐らく富野監督の耳にも届いていることと思います。ズバリそのことについてどう思いますか?

そういう風に感じてくれるからこそです。きっと考えてくれるだろうなという風に思っています。その部分を期待するからこそ、こういう作品を作っています。

Q.47 ゆーすさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでは監督のやりたいことの何%を詰め込むことが出来ましたか?

ああ、140%ぐらいです。だから面倒臭くなっているという事もあります(ニヤリ)。

Q.48 北長六功さんから富野総監督への質問 Q.「Gのレコンギスタ」はキャラの細かい動きで、心情表現、人となりや、状況を説明するとか、昨今流行のアニメ的動作やアニメだけしか見ないオタクが喜びそうな演出を排除してリアルな演技を目指しているように感じます。例えば無重力のブリッジから出て行くのに、体を流すのもキャラによって体の使い方が違うとか、そういう現実的な所作を再現するのは恐ろしく手間がかかると思うのですが、常に意識して制作されているのでしょうか?

それについては、僕は意識している暇がありませんでした。ですから担当演出のスタッフに任せている、といった事もありますが、もっと重要な事がありまして、この種類の作品をやっているっていうアニメーター。20年30年のベテランが何人も手伝ってくださっています。そういう人達の、実を言うと手腕に縋っていますので、彼らの仕事を邪魔しない、っていうのが僕の仕事だと思ってるくらいなんで、そういう意味ではベテランのアニメーターに感謝しています。

Q.49 cosmosさんからアイーダへの質問 Q.カーヒルさんがお亡くなりになり、ベルリくんは弟になりました。さて、最近気になる異性はいますか?

アイーダ「今はそれどころではありません。私には、他にやるべき事があります」

Q.50 やってみるさんから富野総監督への質問 Q.軌道エレベータを登場させた理由はありますか。

あんなものは絶対作れない、という事を何とか言葉にしたいのですが、現実世界で言葉にすると、石が飛んできますので、アニメに登場させました(ニヤリ)。

Q.51 Mattia Garavini from Italyさんから富野総監督への質問 Q.Is ラライヤ・アクパール an ancestor of Turn A Gundam's ロラン・セアック

(笑)違うと思います。が、フィーリングとしてそういう匂いを感じるとしたら、やはりそれは作り手の僕、がまだキャラクターを作るという事についての仕分け、きちんとできてないからだと思います。が、この嗅覚はかなりすごいなと思っています。

Q.52 富野子っ子元気な子さんからクリムへの質問 Q.政権を立てるという野心をお持ちだそうですが、どのような国造りをする気ですか?

クリム「政治にあまり興味はないが、大統領という職は、私にピッタリだと思う」

Q.53 トラデさんから富野総監督への質問 Q.チアガールに男の子がいましたが、この時代はそういったことに寛容なのでしょうか? 自由な気風があるのかなと思いました。

何でいていけないのよ!って逆に聞きます。そのくらい僕にとっての男、女のあり方ってのはチアガールのグループに表されてる通りの事でして。僕にとっては感覚の中では普通の事ですから、特別な事だとは思ってません。

Q.54 まそきぃ〜さんから富野総監督への質問 Q.スコード教について教えて下さい。現在我々が考える宗教と同じようなものなのでしょうか。それとも儒教とかのように規則や教えといった(タブーを犯さないための)レベルのものでしょうか? または山岳信仰などのような民間信仰のようなものでしょうか? 月もスコード教信者がいるようですが、地球もゴンドワンなどを含めて全部この宗教でカバーしているのでしょうか。

簡単に言っちゃいますと、質問者が仰られている具体的な事例を全部含んでいます。むしろこの質問者にお聞きしたい事があるのは、何で、信じるものをこういう風に細分化しなければ理解する事ができないのか、という事の方がとても不思議だし、実を言いますと、腹立たしいくらいに嫌な事です。って言うのは、人の信じるものっていうのは、もっと大きなものをスポッと信じられるはずだし、それを統合していけるだけでの能力を持っているのに、何で自分の信じるものを細分化してしまうのかと。とても不思議です。

Q.55 G2さんからマスクへの質問 Q.マスクになってからというものの、かつての仲間のベルリやケルベスに対して忌々しげだったり、軽んじた態度を見せていますが、それは候補生時代から続く彼の本心なのでしょうか?

マスク「本心かと問われれば、ある意味そうかもしれない。しかし、戦場とは非情なものだ。今までと同じでは、戦えないのだよ」

Q.56 ベルリンさんから富野総監督への質問 G-レコの中で一番気に入っているロボットのデザインは何ですか?

G-レコにはロボットは出てきません。モビルスーツです! その上でお答えしますと、ひょっとしたらカットシーかもしれないという風に答えなくちゃいけない自分がものすごく腹立たしいんですが、何故か好きです(笑)。

Q.57 代理人さんから富野総監督への質問 Q.G-レコで正直嫌いなMSは?

嫌いなのは……え、なんなんだろう。つまり嫌いというのはデザインワークをしている中でこちらが思っている様な方向でまとめられなかったモビルスーツが何種類か、何種類かって言うかあります。その名前はすいません、固有名詞を忘れてしまいましたので、今言えません。

Q.アイナ・サハリンさんからベルリへの質問 Q.ベルリさんはどうして操縦が上手いんですか? 僕に教えてください。

ベルリ「操縦システムがユニバーサルスタンダードだからというのと、G-セルフは僕にしっくりくる様に出来ているからなんです」

Q.59 スクウェアブランケットさんから富野総監督への質問 Q.Gのレコンギスタでのお気に入りの女性キャラは誰ですか?

これねぇ。だけど、お気に入りの女性キャラクターっって本当に難しくって。本能的にみんな好きなんですよ。だからその中で特にと言われる事の方が困る感じがあります。と同時に、みんな嫌いです。どうしてかって言うと、僕と友達になってくれるようなのはまずいないだろうなぁ。

Q.60 リョクさんから富野総監督への質問 Q.第三話にて、ベルリとアイーダG-セルフの格納庫へ向かい、そのままテリトリーを脱出する描写がありますが、なぜクンパ大佐はベルリ達を逃がしたのでしょうか?

多少それは疑問があります。何故かな?って事を立ち入って考えると。ただ、クンパ大佐の立場で言うと、大人社会だけでグダグダグダグダやってるんで、これに子供が入ってきたら、もうちょっと事態がグチャグチャになって、クンパが思っている様にです、早い時期に地球圏とか人類の殺し合いが始まるんじゃないのかなと思ったんでしょうね。だと思います。

Q.61 元気に生きたい阪神ファンさんから富野総監督への質問 Q.僕は今17歳なのですが、19話のクレッセント・シップ内での話し合いのシーンでアメリア中心の考え方しかできなかったアイーダに対して、ノレドが批判するシーンがありましたが、どのようにしたら、物事を正しく見る事が出来ると思いますか?

すごく簡単な言い方をします。広く遍く勉強をする努力をしていただきたい。その事が間違いなく広い知識を手に入れるという事になるという事です。これだけは保証します。ただこれができる人が、大人でも殆どいない事です。

Q.62 ゆうさんからマスクへの質問 Q.お前浮気したですか? いつもバララの足を触るなんて不潔です。

マスク「男と女の仲というものは、一つの物差しでは計れないものだ」

Q.63 SHINYOさんから富野総監督への質問 Q.アメリア、キャピタル・アーミィ、ドレット軍などの陣営は、どれも戦争に慣れていないのに戦争に興味を持っていて、好戦的なイメージです。昔のガンダムシリーズで描かれている戦争は非常に厳しいものえと表現しているが、G-レコでは遊びのような戦争を描かれているのはなぜですか。

戦争慣れをしてない歴史を持っていたら、本当は好戦的になんかなる訳ないんじゃないのか、と思えるのかもしれませんが、それは違います。宇宙で生きるとか、それから自然の中で生きるっていう事を、やはりこの千年、始めてきた時に、人類という動物は、そういう自分が出来ないものに対しての敵愾心もすごく育っていく様になる。その事が実を言うと、戦争をする、戦うという事を、自分の中のものにしていってしまった。それが目覚めたのがこの物語の時期であった、という風にしました。本当に意味は分かっていないのだけれども、面白くってしょうがない、そういう風になってしまった、という様に物語を作りました。

Q.64 ゆりみ えなさんから富野総監督への質問 Q.G-レコのMSの動力源は全てフォトンバッテリーによって駆動されていますが、これは、ヘルメスの薔薇の設計図の段階でフォトンバッテリーになっているのか、設計図の段階では核融合炉なのを製造する時にフォトンバッテリーに変更しているのか教えてください。

長い歴史の中での事ですから、どっちがどっちだか分かりませんが、その両方とも行なわれた事なのではないでしょうか。

Q.65 CODE:3010975さんからベルリへの質問 Q.第8話あたりで、ベルリは箸を使っていましたが、リギルド・センチュリーの時代にも和食や中華料理は残っているのですか? もし残っていたらベルリの好きな和食はなんですか?

ベルリ「和食や中華だけじゃなくて、洋食でも僕は箸を使ってますよ。好きな和食は、カツ丼ですね」

24歳の作家志望の若者さんから富野総監督への質問 Q.クリエイターを志すものとして質問させていただきます。富野監督は「Gのレコンギスタ」以外にも様々なアニメ作品を監督し、また小説なども多数執筆していらしゃいますが、その原動力はいったいどこから湧き出されているのでしょうか? また作品を作る上で、いつも心がけていた事などはありますでしょうか? 可能でしたら教えて下さい。

いや、原動力は「暇だと怖い」です。つまり、人から相手にされてない、っていう事は、本当に寂しい事なんです。作品を作ると、貶される事も含めて「分かりにくいんだよてめぇ」と言われる事も含めて、実を言うと、相手がいる事でしょ? これはね、本当に生きてく上で本当に原動力になるんです。それで、作品を作る上で気をつけている事があるとすればこういう事です。自分の作ったものを見てくれる、二回り三回り若い人達がいるだろう、その若い人達に対して、嘘をつかないものを作りたいと思ったという事です。ですから、自分の思いの丈を分かってくれという事ではなくて、こういう物語で伝えられるメッセージがあると設定した時に、そのメッセージが、嘘でないもの、真っ当なもの、というものをものすごく一生懸命考えてきました、という事だけです。

Q.67 ボルボックスさんから富野総監督への質問 Q.宮崎監督は長編アニメーションから引退されましたが、富野監督は引退とかは考えていますか?

体力の続く限り仕事をしたいと思ってます。それだけの事なんだけど、とっても重要な事もありまして、体との相談で、どこまで保つのかという不安にとりつかれてるので、今は体力的な不安?を忘れる為に、仕事をしたい、し続けるしかないと思います。

Production Works Street

富野コメント

Q.アニメの仕事を志したきっかけ、経緯を教えて下さい。
A.大学卒業の年に就職先がなく、たった一社受験した会社、虫プロダクションで採用させていただいたのが縁です。そのために、アニメの仕事しかできない自分になってしまいましたので、この歳までつづけることになったのです。

Q.あなたが影響を受けたものを教えてください。
A.いろいろあるはずですが、何がと問われても答えようがありません。見たもの読んだもの、経験させてもらったものから影響を受けたのでしょう。特別影響を受けたものはないと思います。できる範囲でやることしかできないですから、勉強不足を自覚しています。

Q.アニメの仕事において、この先目指していること、やってみたい仕事を答えてください。
A.ぼくの場合はもはやそれはありません。仕事をさせていただける機会があれば、それをやるだけなのです。ぼくはそのような立場のスタッフです。

Q.将来アニメの仕事を志している人へ一言お願いします。
A.アニメが好きなだけでしたらこの仕事につくことをおすすめしません。アニメのスタッフになりたいと考えているのでしたら、勉強できる間は広くいろいろなテーマを自覚的に学んでほしいです。むろん、一つのジャンルをしっかり勉強するのでも構いません。それが良いスタッフを生む下地になります。理由はここで説明しているスペースはありませんが、アニメや映画を学ぶことはしない方がいいでしょう。これには大変大きな問題を含んでいるのですが、信じてください、と言っておきます。

展示脚本表紙の年齢
  • ベルリ 17歳
  • アイーダ 19歳
  • ノレド 16歳
  • ルイン 20歳
  • マニィ 16歳
  • ラライヤ 18歳

ニュータイプブースの富野色紙

50へ向けての31年
目を見る事が今日
富野由悠季 2015/2・30

アニメ現場真剣しゃべり場 仲氏発言

  • 21話作監さんと、仕上がりが良かったですよという話
  • 平均動画枚数8000枚のところ、最終回は12000枚。
  • 宮森さんが優秀過ぎて辛いです。
  • これだけは言っておきたいのですが、富野さんはとても気配りのできる方です。伊達に70まで業界で仕事をしていません。

僕たちはメカアニメジェネレーション~鬼才誕生直前SP~ 富野発言分

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2015/i/150223-i030.html
http://mechatsuku.estar.jp/

コメント
富野由悠季監督
「メカアニメを創ることだけが目的ではなく、今後の新しい作り手を芽吹かせるプロジェクトになると感じている。この特番を期待して見ていただきたいと同時に、ぜひ参加していただきたいと思う」

アバン

色んな事を放り込み過ぎてて、自己破綻しているという風に感じます。
自信がないから顔出せないんでしょ。
ほんとの事はもう言いません。

御禿登場

佐野 どうですか、ご覧になって? 7人の。
富野 今日までよく辿り着けたという意味で本当にご苦労様と言いたいし。それから実を言うとこの企画が新人にとって、とんでもない新企画になるんじゃないのかなという風に思っています。俗に言う、我々の言う「出口」です。出口がない所でやってどうする、というのが、こういう出口をを想定しているんです。今回は。そういう企画なので。何よりもです、諸君に会えた事が本当に嬉しい。

暁光のディーンドライブ

PV前

富野 嫌ですね、そういう話(デザイナーが96年生まれ)聞くとねー(会場笑)。
佐野 富野さん、おいくつでいらっしゃる?
富野 うるせぇ(そっぽを向く)!

PV後

竹山 全然詳しくない普通のおじさんの意見として言わせていただくと、どっかで見た事ある様な画なんですよね。これを僕みたいにそんなにアニメが大好きで、ってない人が、これを果たして観るだろうか? というのが正直ちょっと感じたのはあります。
富野 そうじゃなくて、こういうものは好きな人が観るんだから、そういう話はしなくて良い(笑)。
佐野 竹山さんにダメ出しなんですね。
富野 どうしてかと言うと、僕がそういう発想で、アニメが嫌いな人にも観てもらおうと思って、頑張って作ってもだいたい叩かれる訳です。
佐野 作品自体はどうですか?
富野 いやいや、率直な感想なんて言えません。傷つけるだけだから。だから良いとこのお話をします。立枯さんが思ってらっしゃる事は本当によく分かって、その思いだけで物語を作れば良いのになァ、っていうのが、高所恐怖症を表現する少女が、何故か地面に立ったまんま、とか。シートに座ったままにいるんで。高所恐怖症の少女の話だなんて思えない! メカを使っても、おそらくそういう表現はできるはずなんです。つまり新しい表現を見つける必要があるんじゃないのか。そういう意味で自分自身でとても高いハードルを設定してしまったので、むしろ今その解決策が見えないと、迂闊に制作する事をしてはいけませんよ、という風に言えます。
立枯 他のロボットアニメだと、ロボットが力の象徴だったり……。
富野 つまりロボットが邪魔だったでしょ(笑)?
立枯 違います。怖いときに一番身近にいるのがロボットで。
富野 だから、今仰られようとしているところ。どういう風な表現にするかという事と、その表現をする為に必要なストーリーがある訳です。そのストーリーが、骨格が全く見えてないから。
立枯 あー……。
富野 見た目風な画がならんじゃってて。思いは本当に正しいんですよ。だからその部分をもう少し具体的にどう表現するかという事と、その表現の為のストーリー。もう一度再構築する必要がありますよ。

エンスージアスト

PV前

富野 基本的にプロの仕事をなさってるし、それを目指してるらしい。ですからこれ以上言えないのは、この後動画見せていただかないと、実を言うとストーリーとの関係性。ちょっと見えないんで。今これ以上の事は言えません。

PV後

富野 レース主体でやってもそれなりのマーケットはあるし、何よりもこういうアレンジの仕方はプロの手なので、基本的に全く問題ないと思います。問題なのは褒める為のストーリーラインが見えていないというのがあって。美男美女で良いんですが、美男美女が完全、この年齢設定(29歳)のキャラクターで良いのかという部分に関して言うと、僕は損だと思う。やっぱりあと10歳若くしちゃっても良いと思う。それでマーケットを長く引っ張るというのがテクニックとしてとっても重要。
水野 年齢に関しては、企画の時点より上に引き上げたんですね。諦めが漂う年齢だと思うんですよね。
富野 今の話で分かったの。だから、29歳は敵にするんですよ。敵にして、遅咲きなんだけどもお前らには絶対に勝てる、っていう何かを持ってる、っていう様なものを置くだけでもネクスト、ネクスト、ネクストのステージに積み上げられるんじゃないかなと思います。

deadEndSparks

PV後

富野 本当の事はもう言いません。だけど別の意味で本当の事を言います。個々の表現の在り方とか、3Dを使う事を含めてですけど、そりゃプロだからやってみせるよ。当事者、つまり現場にいる人間が考えていく時に嵌る、蛸壺に嵌ってるかもしれないかもしれない可能性をちょっとだけ垣間見ます。
menbow 意図してごちゃごちゃさせてどうなっていくか、っていう分かりにくさをちょっと強調しすぎたってところはあるんですけど。
富野 そういうとこで言えばです。せっかく「中二病」という様な着眼点を持っていながら、あまりにもバックグラウンドに自分たちが今まで我慢してた物語が作れるんじゃないかと思って、色んな事を放り込み過ぎてて自己破綻をしているという風に感じました。
竹山 いいですね盛り上がってきましたね。
富野 (肩にタッチする)ありがとうございます。

STAR STORKS~星のゆりかご~

PV前

富野 (バツイチだけどチョコをもらった話に対して)ちょっと待って、コレそういう番組かよ!

PV後

富野 年長者の立場から言った時、「あーあ、こんな昔のもの、出してもらっちゃ困るんだよね」っていう歴史的な観点はあります。が、吉田さん今ものすごく良い事言った。「メカの温かみ」。今僕ね、リアルガンダム大っ嫌いなのね。リアル過ぎて。この方向性っていうのはあって、メカだけで良いよ、って。ここまで割り切ってる企画って初めてじゃない? 提案があります。毎日3分か4分のショートショートで毎回シリーズもの。そういうスタイルってあるんじゃないのかな。

RS計画

PV後

富野 僕には想像力がないから、記憶以外に失くすものがあるのか、という部分が全く想像がつかないんで、それについての回答をきちんと持ってらっしゃる作家だったら、素敵だなと思いますけれども、匿名の方の事情も分かっております。アマチュアだったら、名前出せます。「プロだからこうなの分かってくれよ」そんなの画像見れば分かるよ。

ラスト

富野 こういうレベルで来るとは思ってなかった、というのがあるので、これ以後これを契機に立ち上げていきたいなと思います。やはりちょっとだけ違う目線から見たらこういうものが作れるという意味では、それほど「メカもの」とかいう部分がまだ落ち込む必要はないな、こういうアイデアがあるんだという事を教えてもらえたという意味で、本当に参考にもなったし勉強にもなったし、ちょっと負けてられないからどうする? という事を考えなくちゃならない。本当に今日はここに出させていただいてありがとうございます。で、今後はみんなで頑張っていきましょう。

Gのレコンギスタ 第15話「飛べ! トワサンガへ」メモ

  • Gセルフトワサンガ側の名称は「YG111」(略してYG)。型式番号読み。不採用機。
  • ラライヤはドレット軍の先遣隊だった。
  • 予告のシャワーシーンはベルリ。
  • ドレット家はフォトンバッテリーの技術を拡散推奨派、レイハントン家は反対派。
  • 空気や水の玉の流通ルートも同じ。
  • ラライヤもGセルフを完全に動かせた訳ではない?
  • アリンカトはメガバズーカランチャー的な機体。機種がランチャー。名前の元ネタは金の鉱脈に餌を求める妖怪。
  • 網でビームとミサイルを防御。
  • Gセルフの装備はアサルトパックに、背中と腰にシールドとライフルをマウント。
  • リンゴのモランは赤くリペイント。ラライヤがビームの迎撃に使用。
  • ロックパイともう1機のアリンカトの隊はミッシェル隊。アサルトパックで撃破。
  • Gセルフトワサンガシールドがビーム膜(ジャイオーンの表記で言えば)?展開。
  • ベルリはライフルを使うと殺してしまうので、サーベルで接近戦。
  • ロックパイはラライヤの名前を知っている。途中までラライヤが寝返ったと思っていた。
  • ベルリの狙撃に対してのロックパイの台詞「まさか地球人に伝説のニュータイプなんてのがいるわけがないだろ」
  • トワサンガのコロニー「シラノ5」に入るメガファウナサラマンドラ。リンゴが案内人。
  • リンゴが寝返ったのはおそらくラライヤに気があるため。
  • 入ったモ村はラライヤの故郷。「G」が登場する。
  • 別の入り口から入ったクリムとミックはレジスタンス?の待ち伏せをくらう
  • ラライヤの近所の住人、フラミリア・カッレ(玉川紗己子)登場。EDのラインダンスのバララとマッシュナーの間のキャラ。レジスタンス?

ガンダム Gのレコンギスタ スペシャル上映イベント 第1回上映後トークショー メモ

小形 皆さん今晩は。年の瀬に本日ありがとうございます。G-レコ先行上映いかがでしたでしょうか。(会場拍手)ありがとうございます。なんか「ニュータイプ」とか言っちゃってましたけど。僕は当然(意図を)聞いてないんですけど。今日コミケとか行かれた方いらっしゃいますか? 「G-レコ」どうなんですかね、コスプレの人とかいたんですかね(いた模様)? 皆さんこのマスク持って行けば良かったかもしれないですね(会場笑)。「G-レコ」のBDが発売になったんですけど、買っていただいた方いらっしゃいますか? ありがとうございます。まだ半分くらい残ってるので、皆さん「妖怪ウォッチ」じゃなくて「G-レコ」のBDを宜しくお願いします(会場笑)。
(キャスト入場、佐藤氏のマスク姿に会場爆笑)
小形 かなりサービス入ってますね。皆さんに一言ずつ挨拶を言っていただければと思います。まずは本作の総監督・原作・脚本を手がけていらっしゃいます、富野由悠季監督から宜しくお願い致します。
富野 どうも、この押し詰まったところを本当にお忙しいと思いますが、いらしていただいてありがとうございます。今ご紹介いただいた様に、全部勝手にやらしてもらっております(会場笑)。(笑)ので、面白いと信じ込んでやってます。信じてないとやれませんので。そういう点はご容赦いただきたいなと思います。このマイク入ってるのかな?
小形 入ってますよ。皆さん聞こえますよね(会場拍手)? 大丈夫です。ありがとうございます。では石井さん、お願いします。
石井 はい、皆さん今日は来ていただいてありがとうございます。ベルリ・ゼナム役の石井マークです。宜しくお願いします。
小形 では嶋村さん。
嶋村 もう観ていただいたんですよね? 皆さん元気ですか? 来ていただいてありがとうございます。アイーダ・スルガン役の嶋村侑です。
小形 じゃあちょっと変な方はスキップ致しまして(会場笑)。逢坂さん、お願いします。
逢坂 はい。ちょっと隣の人と距離を置きたい、クリム・ニック役の逢坂良太です。本日は宜しくお願い致します。
小形 そして今回の、このイベント主役ですよね完全に。
石井 そうですね。
小形 ですよね。ではマスク役の佐藤さんから、マスク部隊の方々にお願いします。
佐藤 喋る前からこんなにハードルを上げて、ふざけているのか〜!! お忙しい中ようこそお出でくださいました、マスク役の佐藤拓也です。宜しくお願いします(マスクを外す)。
小形 ありがとうざいます。じゃあ皆さん今回はちょっと座っていただいて。あれ、監督? どこ行くんですか? ああ、レイアウトが良くなかったみたいで。
逢坂 演出のこだわりが。
小形 確かにちょっと縮こまってましたね。このくらいがちょうど良い感じですね。トークの方始めて行きたいと思います。石井君、15話まで観終わった感じですけど。かなりベルリ君は成長してきた感じなんですか? 監督笑ってますけど。
石井 (笑)
小形 「ひとつ、ふたつ」とか言ってましたよね。
石井 そうですね。何かを思い出させる様な。
小形 感じの事がありましたけど、どうですか石井君の手応え的には。
石井 そうですね、みっつと言わず、九つくらいまで行ったかなと。
小形 何が?っていう(会場笑)。
富野 だから、本人が勝手にそういう風に思ってるだけで、そういう風に思っているベルリ君とマーク君だから、困ってるんだよね(笑)。
石井 (笑)。いやでも、本当にベルリ君も伸び伸びと演じていてとても楽しいですし。やっぱり、前よりも元気になったかな。っていう一面はありますね、僕は。え?
小形 (御禿が)微妙な顔してますね。
富野 二週間ほど前の嫌な事思い出した。
石井 (笑)。アレですね。
富野 本当生意気なの。
石井 生意気じゃない(笑)
富野 手を抜く事を覚えてしまったので。
小形 アフレコですね。
富野 怒鳴り散らしました。
石井 はい。
小形 こないだワンパン喰らったんでしたっけ。
石井 ワンパン頭にポーンって。
嶋村 私も一緒に喰らいました。
小形 連帯責任ですね。
石井 姉弟……じゃなくて。
小形 姫。
石井 言っちゃった……何も言ってないですよ(会場笑)。
小形 姫としてはね。
石井 姫として一緒にね。
小形 嶋村さん、姫としてはどうですか? この不甲斐ない主人公は(笑)。
嶋村 いやぁ。本当に頼りがいがあるなぁ(すっとぼけ)。
石井 ありがとうございまーす。
小形 本当主役だからね。
石井 はい。
小形 さっきもちょっと話してきたんですけど、ちょうど監督が、本当はこの場に来てられなくらい状況がマズくてですね。今ラス前のコンテですよね。それを書いてらっしゃるんですけど。今日の皆さんの喋り次第で皆さんの命運が関わってくると。さっきもおっしゃってましたんで。これベルリ完全に戦死ですよね。
石井 いや、そんなことない。あのね、二週間前は確かにそうだったかもしれないですけど、俺そっから頑張ってます。
小形 いや、結構今大変な事やってる。
石井 (笑)
小形 皆さん最近SNSが流行ってますけど、温かい目でベルリ君を見てあげて下さいね。僕予告付けなかったんだもん。これ。15の予告。思いっきり言っちゃってるんだもん。
富野 はいはい。そうです。
小形 これはちょっと、年明けの放送を観ていただけると、予告ですごい事言っちゃってるんで。それを口走ってしまったんで。これは大気圏で燃え尽きるパターンなんじゃないかなぁ。
石井 俺何も言ってないッスよ(すっとぼけ)。
富野 あ、そうか。予告が付いてなかったのか。
小形 そうです。
石井 何も言ってない!
富野 皆で忘れましょう。
佐藤 何もなかった。
嶋村 ふざけていただけだ(マスク風に)!
小形 佐藤さんいかがですか、アフレコは。ここんところのアフレコ、あんまりいらっしゃらないですね、そういえば。
佐藤 それは良いんです?
小形 それは良いんです。死んではいないですよね。
佐藤 死んではいないです。生きてます。ただ、アフレコもだいぶ佳境に入ってきましてですね、マスクとしても思うところが多々ありなんですが。僕が参加させていただいている回に関して言えば、本当に毎週毎週、テンションの高いお芝居をですね、好きな様にやらせていただいているなと(笑)、非常に楽しいですし、だからこそ、毎週挑戦をさせていただいているなと感じています。非常に刺激的な現場です。
小形 マスクさんは結構、この中では一番身体的に色んなアクションをしながら。
佐藤 アイキャッチの高いジャンプから、回転するマックナイフ
石井 エンディングの。
嶋村 ラインダンス。
石井 一番ピーン、って。
佐藤 今日ここに出てくる時にマークが「皆でラインダンスして出ましょうか」なんて無茶なこと言うもんで(会場笑)。流石にあそこまでは上がんねーよ、って話はしてましたけど。
石井 そうですね。
小形 逢坂さんはいかがでしょうか、クリム・ニック
逢坂 僕も最近出られてないんで(会場笑)。
小形 そうですね。ちょっとある所に行っちゃってね。お休み若干いただいている方々がいらっしゃる。
逢坂 そうですね。
小形 また戻ってきたりすぐに出てきますので。
逢坂 なんか最近はマスクが相方なんじゃないかっていう(会場笑)。
小形 なんかね。共同戦線張ってますよね。
逢坂 ただの漫才師か、みたいな。
佐藤 どっちも突っ込まないっていう。
逢坂 そうなんですよ、この作品、ツッコミ役がいないんですよ。
石井 確かに。
逢坂 皆おだててくる。
小形 皆ボケっぱなし。
佐藤 こいつバカだな、ってお互いに思ってる。
小形 「流石天才」ってね。こないだマックナイフ手叩いてましたもんね。
佐藤 細かいですよね。
石井 それに乗っちゃうクリム。
逢坂 そういうことだが!
佐藤 流石馬鹿息子と。
小形 クリムは自分が天才である事を確認しながら戦っているってことなんですか(会場笑)?
逢坂 確認しながらというか、つい出ちゃう、実感しちゃうんじゃないですかね。
小形 クリムに関してはどんな感じ?
富野 いや、あの、本人がとても信じていて、嬉しいんですよ。それだけの事なんで。めでたい人だなと(会場爆笑)。
石井 やっぱりそうなっちゃうんですね。
富野 だから、クールな話をすると、わざとああさせてるんじゃないんですよ。クリムってこういう人なんだな、っていう付き合いを、作り手なんだけど、ある時からキャラクターが立ち始めてっていうよりも、声優さんの声が決まって、一度聴くと、完全に他人になるんです。「あっ、この人は」っていう風に演出が始まってくると、この人はこちらにはコントロールできないところまで踊ってるな、ってクリムとか、マスクの時もそうだったりするし。手に負えないのもさっき言った通り、ベルリなんてのも困ったもんだなと。こちらのコントロールが利かなくなってくる。そういう感触があります。そういう意味では、キャラクターが出来上がってきたのかな、とても嬉しいのですけども。作り手としてはとても嫌(会場笑)! つまりコントロールができなくなる。
小形 勝手に飛び回っているんですね、クリムは。
富野 本当にそういう感触があります。そういう意味では、本当良く作っていただいて本当にありがとうございます。
逢坂 こわいです、その笑顔。
小形 クリムに関しては、本当に監督言ってなかったんで。3話始まった頃からそのまんま。
富野 お世辞じゃないのよ。皆さん方がキャラクター作ってくれたんで、本当に嬉しく思ってますので。今後とも末永く、宜しくお願いします。という事で今日はおしまいという事で。
小形 まだまだ。皆さん方、14、15観ていただいたんですけども、ラライヤが喋り始めましたよね。ちょっと寂しい感じがするんですけども。
富野 こういう嫌なおじさんがいるから(会場笑)、だから困る訳で。きちんと会話が立てられる方が良いのに、ラライヤは昔のままが良い、って。
小形 監督だってそう言ってたじゃないですか。寂しいって。
富野 私はあなたがそう言ってるから、それに楯突いたら傷つくだろうなって(会場笑)。ガマンして。
小形 お気遣いありがとうございます。でも14話で完全に、元に戻ってしまって。
石井 たぶんやっぱりノレドが一番寂しいんじゃないですかね。
小形 そうかもしれないですね。
石井 今までずっとそばにいて面倒見た感じだったんですけど。
富野 そういう一瞬が、14、15、16の気分ではありますが! やっぱりあの子は平気です。すぐ戻ります。
小形 ノレドの事かわいがってますけども、ベルリはアイーダさんの事が好きなんですか?
石井 はい(即答・会場笑)。
小形 佐藤さんは今、色んなブリーフィングルームがあるって噂になってますが。
佐藤 何を仰ってるか良く分からない。
小形 私生活ではなく、マスクさんはガランデンの中に色んなブリーフィングルームを持ってるんじゃないか。
佐藤 いつそんな設定作ったんですか?!
小形 今僕が勝手に作ったんですけど。せっかくマニィというかわいい子がいるにも関わらず。
富野 バナナイ、バナナイ。
小形 バララね。自分で名前付けておいて。
佐藤 あくまでも仕事上のパートナーでありますので。
嶋村 そうなんですか?
佐藤 そうですよ。女性から言われるとちょっとドキッとするね。こういうの。
富野 そういうのじゃ全然ないんだけども。
佐藤 おおっと(笑)。でもマニィがガランデンに乗ってきたってのは、相当ショッキングな出来事で。後姿でルインだ、あれはルインに違いないって分かってもらえるのは、やはりマニィのルインに対する想いというのはすごく感じました。地球のまだ、宇宙に上がる前の話ですけども。あのシーンは僕の中でも印象に残ってますね。
富野 だから油断はしてはいけないんですよ、って。嘘をつくとすぐバレるんですよ。
佐藤 (笑)
嶋村 そういうシーンだったんですか?
富野 かもしれない。
佐藤 あー、分かる人にはね。
富野 そう。だから日頃の……あ、自分の事だ(会場笑)。
石井 あれ?
佐藤 すごいブーメランだ。
小形 だからマスクは罰を受ける事になるんですかね。
佐藤 先程お話をさせていただいた時にですね、今日2014年、私仕事納めなんですけど、穏やかな気分で2015年を全く迎えられない状態になりまして。皆さんと同様、我々もこの先、物語が、そしてキャラクターがどうなっていくのかというのをハラハラしています。
小形 ラスト2話は神の手の中にあるんで。僕ですらちょっと分からなくなってしまいました。
富野 僕としても分からなくなる(会場笑)。そういう意味では自分勝手に作ってませんよ。何人かメインのスタッフたちがいて、そういう人たちの、俗に言うアイデアをいただいている訳です。協力いただいてると「こういう目線があるよね」「こういう方法があるよね」「こういう考え方があるよね」っていう事で。本当にこちらが思ってない事を言われて、「あ、その部分も要素として容れよう」とか、逆に「排除しよう。それ止めるんで」って、止めるって言った瞬間に何が起こるかというと、止める事をやらなければいけないという事が起こるんで、実を言うとキャラクターの重みが違ってくるんです。そうすると「あれ、何でこういう風に行くんだろう」ってのが、さっきから言ってる様に、あんまりこちらの自由にならない。「G-レコ」に関して言うと皆さんご存知の通りメカがてんこ盛りで出てきます。出てくるデザインとも実を言うと関係してきて、あのデザインの性能みたいなものを見せてあげないと、スポンサーさんがいなくなるんで(会場笑)。そういうのを一生懸命やろうとすると……。
小形 生々しいですね。
富野 その部分とキャラクターの動き、完璧に連動してくるものがあって。そういう意味で25話、かなりすごいですよ。
一同 おおー。
富野 だから26話、今、全然わかんない(会場笑)。ヤバい。という事で、明日(12/29)でおそらく25話のコンテが終わりますけれども。
小形 ありがとうございます。
富野 明後日から、最終回のコンテに向かっていくんですけども、これも皆さん方のファン投票次第によっては、生き死には決まるかもしれない。
小形 では是非Twitterで「マスクを殺せ」と。
佐藤 何でいの一番にマスクの名前が出てくるんですか(会場笑)!
小形 何か色々ね、悪い事してるな、って思うから。
佐藤 穏やかではない。
富野 そういう意味では、ベルリ君だってアイーダさんだって、アッパッパーな部分がありますんで。
一同 アッパッパー?!
富野 どうなるか分かりませんよ、っていう部分があって。安心するンじゃねェぞ。
石井 はい、勿論です。
嶋村 はい!
小形 最後じゃないですけど、チラチラネタバレなんですけど、皆さんクリムを始め新しい機体に乗り換えていきますよね。
富野 それは同じ事を二度言うとしつこいから言いませんけども、やっぱり大人の世界の関係性がありますんで(会場笑)。出さなくちゃいけない訳ですよ。
小形 そのお陰でモビルスーツにどんどん乗れる訳ですからね。
佐藤 そうですね、マスクが一番乗り換えてますからね。モビルスーツをね。
小形 逢坂君のモンテーロがちょっと可哀相な感じに。
逢坂 知らない間に壊れてましたね(会場笑)。
小形 あれはどうなんですかね?
石井 蹴っちゃってすいません。
逢坂 ほんとだよ。
石井 えいって。
逢坂 蹴る分には良いけどさ、知らない間にジャハナムに乗り換えてたからね。それに対してクリム何も言わない。どうなってるんだろ、みたいな。
佐藤 若干噂で、無人機の方が強いっていう。
逢坂 なんだと(会場笑)?
佐藤 無人機の方が仕事してたと。
小形 一応エルフ・ブルックと刺し違えてた訳ですから。
佐藤 はい。
小形 ですよね。
逢坂 え(会場笑)?
佐藤 どうした天才クリム。
逢坂 いやまぁ……はい。
佐藤 天才じゃないのか?
富野 だから今言ったじゃないですか。この番組、メカに支えられてる番組ですから。メカが強くなっちゃう(笑)。
小形 メカの方をとったんですよね。でもジャハナム
逢坂 ジャハナム活躍しますから、バッチリ! 名言も残しつつやってますから。
小形 「あ、それ」とか言いながら。
逢坂 台本読んだ時、ちょっとビックリしましたから(笑)。どういう事なんだろうって。
小形 ベルリも映ってましたよね、それって言った時。
石井 ?
小形 一発言ってますよ。
富野 言ってたか?
小形 言ってます。今日服被ってない? 逢坂君と。
逢坂 そうなんです(会場笑)。
佐藤 ちょっと座る位置変えてみ?
小形 (並んでるのを見て)これいかんよ。
逢坂 ほんとにね、僕はこれで来たんですよ最初からね。着替えるのもアレだし。で、マークは「今から着替えます」って言い始めて。前に着てた服は普通だったんですけども。もう一番最初に出したのがボーダーのTシャツなんですよね(会場笑)。「えっ君それで行くの?」みたいな。
石井 だって白と青ってG-セルフかな、って思って。
小形 ジャハナムだって青だし。
逢坂 どっちかって言うとモンテーロでしょ。
石井 もう真っ青にしましょう、だったら。
小形 真っ青?
富野 ちょっと待って、この話やって時間潰すのか(会場笑)?
小形 さっきここに来るまでにエレベーターで、13話みたいに皆で乗ってきたんですよ。その時になんかね、この二人被ってるって。
逢坂 でね、実はね、佐藤さんちょっと立っていただいても?
佐藤 ボーダーなんですよ(会場笑)。三人共ボーダー。
嶋村 ボーダーにするんなら教えといてよ(会場笑)!
小形 初めから言ってもらえればボーダーで来たのに。
佐藤 どうッスかそれは。
石井 ボーダーに特に意味は無い。
佐藤 こだわりもなければ。
逢坂 何にもないです。
富野 この話はないですね。
小形 ちょっとごめんなさいね。
富野 はい。時間を無駄にして。
男性陣 すいませんでした。
小形 ちょっと監督にお聞きしたいんですけど、今回この15話で「ニュータイプ」とか言葉が出てきたりとか。
富野 失敗したなと思います(会場笑)。お尻見せるのがニュータイプかって(笑。予告のシャワーカットの事)。タイトルのミスでした。
石井 (笑)。
富野 全然意味ないのね。ほんとなんだって!
小形 ものすごい皆、目を輝かせて監督の方見てますけれど。
富野 そう、だから失敗したなって。そういう事もあります。って言うのは一応その筋の大人の関係を考えると、ああいう単語くらい混ぜておけば、お茶を濁せる。濁らなかった(会場笑)。
小形 お茶濁すんじゃなくて皆目輝かせて。
石井 喰いついちゃいます。
小形 今回それ以外にも白旗出したりとか(会場笑)、なんか数えながら撃つとか。僕ら世代のね、やっぱりこれは、って。
佐藤 ひとつ、ふたつ、みっつ、は。
富野 今の小学生はわかんないの! だから良いのそれで。
小形 そういう感じなんですね。ごめんさない、我々に向けてサービスしてくれてるのかなと思ったら、これは子供に対してなんですね。観てない人たちに対して。
富野 なんでこうなんだろうな、だからちょっと調べてくれるとありがたいんだよね、ガンダムの歴史を、なんつって。
小形 なるほど、ひっかかる様にできてるんですね。そうやって入ってこれる様に。この後もちょっとネタバレになりますけども、「なんちゃら爆弾」みたいなのも。
佐藤 「なんちゃら爆弾」みたいなのもありますね。
小形 出てきますね。監督の重要なアイテムの内のひとつ。
富野 ヘッヘッヘッヘ。思い出しましたけども、絶対期待はしないで下さい(一同笑)。
小形 皆さん楽しみにしていただければと。思うんですけど。中盤差し掛かって、アフレコも最後の段階にこれから、年明けいよいろなっていきますけども。皆さん意気込み的にはいかがな感じですか?
富野 話分からないと喋れないよね。
石井 そうですね(笑)。
逢坂 確かに続きは分からないですね。最近ただでさえ出てないですから(笑)。
佐藤 そうですね、どういう状況になってるか分からないしね。
富野 しっかり出てはくるんだけれどもね。だけどさっきも言った通り、作り手もよく分かっていないって事があるんで。ただ頑張ってくれって言うしかない。ひとつだけ、今25話が終わるところで言えば、クリムもマスクもちゃんとやってるよねぇ、って記憶はありますので、大丈夫だとは思うけども。
逢坂 そこまではまだ生きてるって事ですね?
富野 だから後は最終回次第かな。で、その26話が最終回になるかは私は知らない(どよめくキャスト陣と会場)。
小形 そんな事初耳なんですけど……(会場笑)。
富野 だってそりゃそうでしょ。物語が動いてる訳だから。作り手の立場で物語を全部コントロールできてるかって言うと、できないんです。つまりキャラクターが自立して動き始めたお陰で、「わー、この人たちはどうなんだろうか」っていう、それこそ大いなる期待なのか、「えー、これこんなの絶対皆で再起できないよね」って、どっちにしてもなんです。キャラクターの物語は続きますから。番組は終わったからと言って、番組は終わったかもしれないけど話は終わってねェよ。
小形 そうですね。ガンダムワールドは続いていってる訳ですよね、この後も。
富野 その意味では、とても大きな物語ができてきたのではないのかなァー、なんて、思ってるし(会場拍手)。そういう風に作らねばならないってんで、私は正月どころじゃないんだよ(会場笑)!
小形 失礼なんですけど、70過ぎの方がやってるとは思えないテンションですよね。我々付いて行くのいっぱいいっぱい。
富野 今のは全然聞こえない(会場笑)。そういう話で作ってませんから。シーンとしないで。だからひとつだけこれに関して言えば、今の皆さん方というのが分からないから、気に入らないところがあったら教えて欲しいんだよねー、とは思ってはいる。そしたら、いくらでも手直しするぞ。つまり全部生き延びさせられるぞ。
キャスト陣 お?
逢坂 てか元々殺す気だったんですか(会場笑)。
小形 死ぬ可能性あったんですか。
富野 だって戦争やってんだもん、そりゃあるよ。
小形 流れ弾ひとつで。
富野 そう。次のカットどうなるか分からないんだもん。そりゃ僕も分かってない。
小形 突然流れ弾でマスクあたりがやられるかもしれない。
佐藤 だから(会場笑)!
富野 流れ弾で戦死するんならまだ良いけども、えっ故障故障故障故障のままでコン……って(会場笑)、それはあるし。それができる様な作りの作品にはしてあるつもりです。ただメガファウナにいる限り大丈夫っていう。どうしてかって言うと、メガファウナにいるメンテナンスマン、メカマンはとても優秀だから、アメリア軍のは俺知らない。
佐藤 メガファウナに行ってくれ、ガランデンから早く逃げろ。
嶋村 メガファウナで良かった。アダム・スミスいて良かった。
小形 こんだけ行き来してたらね。メガファウナ側もガランデンにいつの間にか乗ってる可能性とかもありますものね。
富野 当然それはあるもの。だってベルリがだいたいさ、この人アイーダとかも本当はどっちの人?みたいになっちゃってるじゃない。
石井 そうですね。
小形 勝手に出ていっちゃいますもんね。
富野 だから作り手がコントロールできるかって言うと、あんまりもうできないです。逆に演出をする立場になると面白いなぁと思ってる部分があって。俗に言う予定調和になってないところがかなりあるんで。今冗談めかして発信してる言葉なんですけど、かなり全部本当です(ニヤリ)。まだわかんない。
逢坂 おそろしい話にしか聞こえないですね、本当に。
佐藤 本当にねぇ。
富野 だって戦争のある時代ってのは、僕太平洋戦争の時は空襲があった時に逃げ回ってた記憶がある年齢です。で、空襲があると、翌日に僕の大好きな大家さんのお爺ちゃんが死んでるとか平気でありましたから。それは分かりませんよ。少しはそういうの分かれ(会場笑)!
キャスト陣 はい。
小形 G-レコを観て勉強しないといけないですね。皆さんそれぞれのキャラクター持ってるんですけども、他にこのキャラクター好きだ、とかそういうのあったりしますか? 何で皆考えてるの。
嶋村 ステラ。
小形 ステアさん。
嶋村 ステアさん。今ラって言っちゃった。
小形 監督、ステアさんですって。
嶋村 えー。
富野 まさかそういう名前が出てくるとは思わなかった。
小形 ちょっとこれ以上は言えないんですけども。
富野 言えないんじゃなくて、今アフレコ大変なんです。G-レコなんて特に。とにかくなんで声優さんこんなに多いの? 毎回毎回腹が立つ。
嶋村 監督があの。
富野 私です。
石井 そうですね。
富野 30名ぐらいいる(注:おそらく制作・音響スタッフを含めた数)。
小形 監督来た瞬間に「なんでこんなに多いんだ!」って必ず叫びますもんね。あなたです(会場笑)。
富野 記憶にはございません(会場笑)。だって皆出てるんだもん。僕が出した訳じゃなくて皆が出てくる。ステアさんだってそうだもん。そういう意味では一番典型的なキャラクターを思い出した。ハッパさんです。あの人はチョイ役のつもりでいたの。これだけ出るか、っていうぐらい出るもんね。
石井 そうですね。
小形 ハッパさんいなかったら全然バックパック付けられないですもんね。
富野 付けられない。(バックパックを)出しそうになったら毎回毎回出てきたんで、これスポンサーの差し金かって感じ(会場笑)。
小形 ハッパさんにバンダイのロゴ入れておきましょうか。
富野 ほんとそう思ってるんで。
小形 あの人はバンダイからの回し者だったんですね。
富野 その辺りがコントロールできないのはつまり、このメカを動かそうと思った時に、勝手に出てきて動くか?っていう。これはアニメだからってそう簡単に動いてはいけないな、ってのをお子さん方に分かって欲しいのと、バックパックを撮ろうと思ったらハッパさんものすごい勢いで出てきて。困ったなーと思ったけど引っ込められない。本当に引っ込められない。一々壊れたりデータが来たり、こちらのコンテナ開けてみたら「こんな部品があるからどうする?」ってのをあの人がみんなやってくれてる訳だから。そういう部分が感覚的にコントロールできない。出せって大人の世界は簡単に言いますよ。いつまでも同じバックパックじゃ困るから。言うのは簡単なの。そうしたらハッパさんが大騒ぎして、どっかにねぇかって。いきなりG-セルフが変な格好して見えないーって。
石井 言いましたね。
小形 高トルクパックですね。
石井 本当にハッパさんがいなかったら、ベルリも戦えてないんじゃないかな。
富野 だってあの人なにもできないもん。
石井 そうですね。
小形 あんな「ニュータイプか」とか言われてたのにも関わらず。
石井 レクテンを上手く乗れたからってね。
小形 デレンセンにやられてしまってたかもしれない。
石井 そうですね、あそこでいなくなってかもしれません。
嶋村 「お前に守ってもらいたいんだよ!」って素敵な台詞も。ハッパさんベルリに。
石井 そうですね。
富野 だからそれは、何なんでしょうね。ベルリっていう少年が、とっても良い人なんでしょうね。だからそういうのをハッパさんが憧れて。
小形 ちょっと石井君、今日一番の笑顔、満足な笑顔してるね今。
逢坂 めっちゃガッツポーズしてますね。
石井 いやでもあくまでベルリ君ですからね。
富野 ベルリ君はそうハッパさんに言われても、どうもよく分かってない感じが漂ってるのがちょっと可哀相だよね(会場笑)。
小形 そこはベルリ的な。
富野 もうちょっと分かって、人の世の中ってのは、私ひとりで生きてないのよ、だから僕は皆さんともうちょっと頑張る、そういう気概を持つ。ちゃんと入れろよね。
石井 はい(会場笑)。
小形 頑張って石井君。
石井 頑張ります。
小形 でないと大気圏で燃え尽きちゃうからね。
石井 ほんとです。
小形 佐藤さんはバララですか? キャラクター的に。
佐藤 マニィの話はしちゃいけないんですか(会場笑)? バララは勿論気になるんですけども、どこかでマスクは、バララがそばにいるから「マスク大尉」として存在できているところがあって。どこかでバララもマスクを心酔しているわけじゃないと思うんですよね。厳しい目でマスク大尉を見ていると思いますし、そこに行くと男性としてマスクがバララをどう思っているかというものと、マニィに対する気持ちというのはすごく……(会場笑)。
富野 バララってものすごく良い女だってのが分かったのね。
佐藤 あー、バララがいるから伸ばしてもらってるところがあると思うんですよ。
富野 単純にあげまんです。
佐藤 そう思います。
小形 バララはあげまん。
佐藤 ただ、僕がバララを仕事上のパートナーだよね、とどこか冗談めかして言ってしまうのは、マニィという存在がすごく戦場にあって、マスクのどこかにまだ残ってると僕は思ってるんですけど、ルイン・リーとしての人格を繋ぎ止めてくれているのかなという印象があるんですよね。
小形 この洞察力が石井君にも欲しかったですね。
富野 石井には無理(会場笑)。
小形 逢坂さんのパートナーの方のミック・ジャック、結構好きなんですけど。監督もやっぱああいった声の方って。ミックの声とか好きですか?
富野 そういうレベルは超えてまして。ミックは本当化けましたね。いわゆる役者論って言った時に、役者さんが役にハマって。単にハマったんじゃなくて、その出来が2、3倍と言っていいくらいに化けるって言いますね。化けましたし、化けたって感触もあるんで、結局クリムとミックの関係ってのは作り手がコントロールできなくなっちゃって。完全にミックがいるおかげでクリムは助けられている。だけどこのクリムってのはいつ気がつくのかな、その辺りを。ってのがちょっとねぇ、って。かなりクリムはバカだから(会場笑)。
逢坂 本当、いっつもおだててくれるから。それのお陰でたぶんクリムは心が折れずに頑張っている。
富野 そういう意味ではひょっとしたら、今回G-レコの中で声優さんと絡んだ上で化けたって事で言えば、ミックってキャラクターが一番ふっくらとした良いキャラクターになったんじゃないのかなという感触があります。そういう意味では僕は演出家としてはラブラブです(会場笑)。
小形 じゃあミックも良い女なんですね。
富野 僕は圧倒的だと思ってる。今ここにいらっしゃる皆さん方のリアルな世界も含めてそうなんです。男ってそういうこと、つまりそういう女性の自分にとっての位置づけってのはあんまり、意外と皆無神経だったりするんで。そういう意味では近くにいるご婦人を大事にしていただきたいと、切に思う……というのは歳だな、俺(会場笑)。
小形 いやいや良いんじゃないですか。中々ね、聴けないですからね、こういう話は。
石井 はい。
小形 良い話で、そろそろお時間なんですって。ちょっと寂しいんですけど、このG-レコ2014年の最後のご挨拶を皆さん一言ずついただきますので。まずは逢坂さんからお願いします。
逢坂 はい。皆さん本日はお越しいただいてありがとうございます。始まりの挨拶みたい。本当に自分自身が凄いガンダムが大好きで。全然リアルタイム世代ではないんですけども、リアルタイム世代じゃない人も虜にするってのは、本当に凄い作品だな、って思ってまして。そういう作品に出さしていただくというのは……なんだろうな、心にクるものがありますし、頑張ろうって気持ちもすごいありますし、出る事に対するプレッシャーってのがものすごい作品でありました。一番最初にアフレコをやった時は緊張しまくりで、もう何して良いか分かってない状態だったんですけども、今こうやって、毎週毎週楽しく収録させていただいているので、是非皆さんに、最後までクリム・ニックの勇姿を死なない様に(笑)祈っていただきながら楽しんでいただきたいな、という風に思っております。本日はどうもありがとうございました(会場拍手)。
小形 ありがとうございます。それでは佐藤さん、お別れの挨拶を(会場笑)。
佐藤 笑えないそのフラグを絶対に折りたいと思ってるんですけども。今日は皆さん12月のお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。先程ベルリのマークとも喋ってたんですけども、舞台挨拶という事で我々皆さんの前でお話させていただくのは2回目なんですけども、初回の時と会場の皆さんの纏ってらっしゃる空気が変わったなというのを感じまして。というのは、皆さんがこの「Gのレコンギスタ」という作品を愛して下さってる、そして次はどうなるんだという、暖かな、そして刺激的な期待を寄せていただいているんだなという事を肌で感じて、非常に嬉しく思っています。2015年、物語はまだまだ続くんですけども、マスク大尉、そしてルイン・リーとしましては、本当にどうなるか分からないんですが、どのキャラクターにおいても同じだと思うんで、毎回毎回精一杯、一生懸命生きて行きたいと思います。今日はどうもありがとうございました(会場拍手)。
小形 ありがとうございました。では嶋村さん、お願いします。
嶋村 今日はありがとうございました。毎回毎回放映を観て思うのは、よくもこんなに沢山のキャラクターが動かせるな、っていうのを圧倒されて一視聴者になってしまうんですけども、この沢山の人を動かすエネルギーを、2015年もこのままグーッと自分も受けて、盛り上がって、最後に向かって駆け抜けていきたいなと思ってます。来年も「Gのレコンギスタ」を宜しくお願いします。今日はありがとうございました(会場拍手)。
小形 では石井君、主人公らしい挨拶をお願いします。
石井 何でハードルを上げるんですか。本日はご来場いただきありがとうございました。1話の時はほとんどゼロからのスタートだったんですけども、1話ずつ、きちんと成長できる様に、毎回頑張ってきてたんですけども、やっぱりまだまだダメな部分とかもあるみたいなんで。残りももちろん全力で最後まで駆け抜けて行きたいと思っておりますので……んーっとねー……。
嶋村 一緒に頑張ろうね。
石井 (笑)。「Gのレコンギスタ」を宜しくお願い致します(会場拍手)!
佐藤 よっ座長。
石井 すいません。
小形 ありがとうございました。では、最後に富野監督に締めていただいて。お願い致します。
富野 本当に今日ご来場いただきましてありがとうございます。後半1クールの展開というのは、自分自身でもこのスピード感を持ってやる物語を持ってませんでした。アニメの強要がなかった立場としては、アニメでもこういう事が出来るのではないか、って事で、元気の出るアニメだけでない要素も入れたつもりです。そういうものが、おそらく次の時代にはこういう方向性もあるのではないか、というひとつのガイドになる様なつもりで作ってる部分もあります。そういう様な事が本当どういう風に伝わるか、自信もないんですけども、まぁ、まぁです。自分が病気で倒れない程度には、頑張って来ましたし。あと2週間、コンテ作業は続きますが、なんとかそれでケリをつけられると思ってます。が、先ほども言いました通りです。物語そのものが完全にエンディングになる様な物語ではありません。が、「Gのレコンギスタとして」、ベルリとアイーダの物語としてなのか、ルインとマニィの物語なのか、クリムとミックの物語なのかは分かりませんけども、彼らはおそらくまだ次の時代も生きるのではないかと思ってますし、そういう物語を作る事で、その後に続くスタッフが、物語作りを考えていただけたらありがたい。そういうガイドになるものを、今作りつつあると思ってる。そういう事が出来るのも、こういう方が協力してくれたお陰で肉付けが出来てる部分があって、本当に感謝しておりますし。そうは言いながらも、今言った様な話、一切抜きにしてです。アニメってのは楽しく見れりゃ御の字よ、ってのは本当の事だと思ってますので。めんどくさいことは考えないで観ていただければありがたいと思ってます。そういう意味では、多少健全性を意識して作ってるつもりはありますけども、「嘘をつけ」と言われたらそれっきりで(会場笑)。こういう事です。大人って自分達の姿を子供達に見せて暮らしてる訳じゃないですか。そういう意味では、我々大人は全部健全でなんかやっちゃいないよね、っていうのも世の中だってのも物語としては挟んだつもりです。その辺の気分を汲んでいただければありがたいと思います。本当に今日はご来場いただいてありがとうございます(会場拍手)。
小形 (ゲスト退場後)来年、今日観ていただいた15話に、衝撃的な予告が付いて、石井君が言っちゃいましたけど、1月9日からまた放映されますので、宜しくお願い致します。また、最終回近辺でお会いできればと思いますので、宜しくお願い致します。ありがとうございました。

こちらは19:20上映後の回。上映自体は初回にあたりますが、トークショーの順番としては2回目になります。
この回はマスコミが入らなかったため、フォトセッションはなし。ただし、ビデオカメラは入って収録を行なっていました。おそらくBlu-ray第5巻あたりに映像特典として収録されるのではないでしょうか。
「なんちゃら爆弾」は人間爆弾の事ですね。理由はいくつかありますが。
デレンセン役の小山剛志氏らしき方もトークショーをハシゴされていました。

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