ノンストップ! 18年5月16日放送分 富野由悠季監督コメント

富野 「機動戦士ガンダム」はこの「赤毛のアン」が始まったころに始めてたんですけども。なんで巨大ロボットものでありながら、ああいう話とかああいうキャラクターを作れる様になったのだろうかと。今回、高畑さんの訃報を聞くまで、自分のね、才能で作れていたと思ってたのね。「ハイジ」と「三千里」の影響ってすごく大きかった。「ハイジ」の時に高畑監督から教えられたのは、演出的に飾る必要はないんだ。当時のリアルっていうことで言ったら、テーブルの上に直にパンも置いちゃうし、チーズも置いちゃうしっていう食事のスタイルなんだよ。いや、それだとちょっと抵抗感があるんだけれども、って言いながら「いや、今でもやってるんだよ、スイスの人たちは」って言われちゃうとやっぱりぐうの音も出なくなる。高畑監督というのは……何と言うのかな、リアリズムで描くということが、物語を伝える上で確実に、やっぱり伝えられる方法なんだっていうことをご存知だった。リアリズムを引き継いだって言うと、ものすごく分かり易い様な気がしてるんだけども……簡単に出来ることじゃない……! 簡単に。そういう意味では、俺は1/3ぐらいはやってみせたよ、っていう自負はあります。だからこれは高畑監督にも、それから高畑監督の周囲にいらっしゃるスタッフから嫌われるかもしれないけども、ほんとこの一ヶ月余り「あ、高畑監督って僕の師匠だったんだ」って本当に思う様になりました。

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