劇場版 機動戦士ガンダム Blu-rayトリロジーボックス プレミアムエディション 富野由悠季インタビュー

これもメモ的にtwしたもの……ではなくて、メモったまま忘れたもの。G-レコとLegacyEffects関係部分。

G-レコ

  • トリトンのときの女子中学生たちのような)子供たちの向上心のあり方はきっと、3千年経っても1万年経っても変わらないと思うから、あてにしていいのではないか。
  • ガンダム世代の表面とは別のところにいる人たちの子供たちが「今、観るものがないんだよね」っていう状況になっているときに、例えば僕のG-レコを作ってみせるということをやっているんです。
  • ガンダムで知ったこと」っていうのは「フィクションで知ったこと」。フィクションで知ったっていうことは理念でしかない。次の世代に向けて、アニメという媒体で理念を伝えるような仕掛けができないか、と思い始めているところ。
  • 人類史を変えることなんてできない。変えていけないことまでわかっちゃったから、せめてお馬鹿なアニメのフィクションでは「変えてみせる」みたいなことをやってみせる。それを反面教師としてリアリズムで考えていくってほしい。もうこの歳だし世直しできるポジションにいない。だから、フィクションを語る人間にできることは極端な言い方をすると「理念を伝える」ってことをやるしかないんですから、実践を数世代かかえてやってくれる英知(シャアに言わせてます)を待ちたいのです。
  • 「リアルロボットもの」という言い回しを切り捨てられる回路を、ようやくG-レコで見つけることができた。その言い方ほど、大嘘はないと言えるようになったから。だって手描きアニメの中のお話でしょ? その言い回しを信じるのは受け手の感性の問題ではなく、作り手側からずさんだぞ、馬鹿だぞって言い切れよ。
  • (Zのときに絵にならないと言った)ロゴスを今も絵にできるとは思えないけど、それを目指す。失敗したとしても、目指すことが子供たちにとってフックになるかもしれない。哲学から発せられる言葉に対して、敗北する気はない!
  • 「脱ガンダム」とは営業の道具としてのガンダムには興味がないということ、ものを考えるためのロジック。そう枷をはめないとガンダム的なところへ流れてしまう。外れて物事を考えることで、世界観とMSデザイン論もそうだし、G-レコのGという字を使いながらも中身はガンダムとは何か妙に外れていくものをつくっていくことをこの5年間考えた。
  • やっぱり楽しくなくちゃだめなんです。子供たちにはその部分(ダイターン的な芸能)もわかってほしいと思うからG-レコはがんばります。
  • アニメの記号性は理念を伝える媒体としてかなり良い。

LegacyEffects提携作品

  • LegacyEffectsには、間違いなく基盤が、つまり技術論とSF映画のジャンルという認識論がはっきりあったうえで「だから、富野、一緒にやってくれていいんだよ」って言ってくれたんです。LegacyEffectsのディレクションをやってるレベルのスタッフが、僕のやってきたある部分をものすごく評価していて、その期待感もあって即刻、業務提携の話になったということです。
  • LegacyEffectsに行って、僕が一番愕然とした事実は、そこにいるスタッフは、35年前のガンダムのスタッフと同じ年齢だという事です。日本が高齢化している問題ってのはきちんと意識していかないといけないでしょうね。それを僕に言わせてるっていうのは、東京の状況が遅れている、劣化していると言えるのでしょう。
  • 去年の夏にこの話が来るまではG-レコで最後かもしれないっていうフェードアウト感がすごくあったんですが、薄らいでくれば死ぬまでに元気に働くっていう年寄りにならないといけないと思うようになりました。
  • 僕がきちんと仕事をして死んでいくことが、次の子たちにとってのメッセージになってくんだろうなってことを覚悟しています。