ガンダム35周年プロジェクト発表会 富野由悠季発言

http://www.gundam35th.net/

今日、この会場に来た時に、会場を設定してくれたスタッフには、「スペシャルゲストではないだろう。当事者なんだから」っていう抗議をしましたけれども、「スペシャルゲスト」の文言が消えてないのがとても残念に思ってます。スペシャルじゃないんです。レギュラーです(笑)。
っていう様な事を今この場でお話させていただく事が本当に幸せだという風に思っています。おそらく個人業で始めたらこういう形では35周年を迎えられるとは思っていませんでした。そういう意味では、キャラクターグッズを中心としたビジネスというものが、こういう形で35年間維持されてきたいう意味については、本当に関係各位の協力があったからできた事だと思ってます。そういう意味では感謝すると同時に、むしろこの様なビジネスを目指す関係者・これ以後新しく参入する方たちが、このシステムがどの様なものかは、本当は見抜いていただきたい。そういうものについての目線というものが、必ずしも業界の中に育っているとは思っていません。そういう意味ではこの「ガンダム・チーム」というか、ガンダム関係の関係各位のコラボレーションのあり方というのは、もうしばらく続く「業務形態」という嫌な言い方をするんですけども、ではないのかと思っています。
同時に、そういう立場にいて、まさに当事者だった訳ですが、ガンダム以後、どういう風に世代に対して乗り越えて伝えていくか。どういう様なメッセージを伝えていくかという事は、本当にこの15年くらいは本気で考える様になりました。が、それが具体的に形にする事が出来ずに今日まで来てしまいましたけれども、先ほどからご紹介にありました様に、「Gのレコンギスタ」という形でようやく輪郭をみる事ができました。
ガンダム」は冠しています。当然「G」には「ガンダム」は含まれていますが、「G」の一番の大きな意味は「ガンダム大地に立つ!!」の「Ground」のGです。そして「レコンギスタ」というのは、これは造語ですが「レコンキスタ」から来ています。が、「レコンギスタ」にしなくちゃいけないというのは、極めて日本人的な感覚がありまして。濁点が入ってないと売れないから(会場笑)。「レコンキスタ」ではなくて「レコンギスタ」したという意味付けも世界観の中には取り込んだつもりです。それはどういう事かと言いますと、やはり30数年やってきて、35年になるぞ、っていう時期の中で、大人たちのやってきている正にビジネスシステムとかビジネススタイルというものが、またこれから50年続くとは思っていません。思っていないからこそ新しいコンテンツは要るのではないか。新しいメッセージが要るのではないかと思いました。そういうものを打ち出していくためにはどうしたら良いかという事を本当に考えた結果が僕なりにあるのが「Gのレコンギスタ」です。
そしてこれは明らかに、「オリジン」と「ユニコーン」までのファンとは違う。あなたたちファンが、今、現在お育てになっているお子たちに見せていただきたい。お子たちに見てもらうものにしていきたい。そういう様なものが「ガンダム」のフィールドの中からこういう形で創る事ができるのではないか、という事を示したつもりですし、示すつもりで今制作に入っていますので、評価は終わってみないと出てきません。が、この齢にしてよくやったという風に自惚れているところがありますので、そういう意味では凄く単純に乞うご期待。と同時にお子たちに対して、それからお孫さんたちに対して、こういう様な物語があるよ、っていうのを伝えていただけるとありがたい。そして、こういう様な言い方を35年目にして言える自分も幸せだと思いますし、こういう場を提供していただけた関係各位には本当に感謝すると同時に、こういう場を持てるという事が実を言うと、ファン・皆さんがいたからこそできた事である、という意味で本当に心から感謝します。(脱帽して)ありがとうございます(一礼。会場拍手)。

現在は映像アーカイブから閲覧できない模様。