キャラホビ2011 大河原トークショー 富野出演分

石脇 大河原さん、ここに椅子がもう一つあります。実は予定していなかったんですけど、スペシャルゲストをお招きしたいと思います。監督どうぞ(会場笑)。すいません、ちょっと急にお呼びしてしまって。
富野 これ(富野トークショーの貼り紙)の延長できたから、こういうつもりでいますんで。一つだけ、お台場以来なんですよ、この人に会うの。
大河原 こないだの忘年会…。
富野 去年、あれは、内々のことだから、皆さんの前でいう事じゃ…。
大河原 ああ、はい。
富野 なので(笑)、という事にして。どういう話をしていたんだっけ?
石脇 大河原さんの過去の作品を…。
大河原 世間では仲が悪いって言われてるんですよ。私と安彦さんと監督が、一般に仲が悪いと。
富野 っていう話を本当に今しがた聞いて。もし本当に仲が悪かったら、40年仕事しません。ガンダムの前から、その前からのつきあいですからね。ただ一般の世間の人が仲が悪いと言うのは、大河原さんも僕も仕事以外の話を一切しない。
大河原 (笑)。
富野 だから、仕事がないとなんの話も出来ないというのは、すごくぶきっちょなんだよね、二人は。それだけの事です。ですから、仕事の事では、今度の仕事を大河原さんに頼まないというのは、正面きって言うと、マズいんじゃないか、言わないでくれ。言わないでいるっていうのは、仲が悪いように見えるんです。若くておいしそうな坊やとお仕事やってみたいなと思うと、おじさんは言うの…。
大河原 まだ私の方が…。
富野 あのね、60過ぎたんでしょ?
大河原 まぁそうですね。
富野 嗤った人、人事じゃないって。すぐ60になるんだからね。だから60になっても若さを保つ為には。僕はもうじき70になります。若さを保つためにどうするかという事は、要するに、60であるという事を意識します。で、意識して本当に分かる様になったのは、こういう皆さん方と話が出来る場に出させていただくという事が、実は年をとらない理由なんです。もう40くらいになったら実感することをお話します。中学小学校の同窓会に出て自分と同じ奴と話をすることだけをやってるのと、仕事場で若い世代と接触をして、話をするのがどっちがいい? 自分が長持ちする。50過ぎて同級生と話をして、一晩中盛り上がるなんていうのをやっていたら、堕落していく。僕はだから、この仕事を始めてもの凄くありがたかったのは、40代の時に小学校の同窓会に出られなかったんです。この同じ年齢の人と話が出来ないんです。「はっ」意識というよりも関係性、とも言えるんだな、という事が本当に分かったという意味で、40を過ぎて分かってから70です。2、30年年間も同い年と話をするのを忘れちゃった。だから、こういう風にしていられるのかな、と思います。で、何でこんなことをわざわざ言うかというと、僕は皆さん方よりとっても真面目な子だったんです。とっても真面目に、宇宙旅行の事しか思ってない様な、中学生です。そのまま大人になって、今のJAXAに入っていたら、どうなってたと思う? 70で、JAXA開発事業団に入っていたらどうなったと思う? ほんとにね、死にそうなくらいの別人になるよ。世間とも離れ「はやぶさ」の……今の「はやぶさ」はカット。Youtubeに流したら殺すからな(会場笑)!
石脇 駄目ですよね。
富野 お世辞でも外交辞令でもなく、ほんとにこういった皆さんの場に出させていただく立場にいることが、命拾いをさせてもらっている。ですから、皆さん方それぞれの職場なりで仕事をしているという大人なんです。二周り若い奴と付き合える、二周り若い奴と一緒に仕事させてもらえる自分というのが一番大事な事なんじゃないのかなと。で、僕は帰っていいんだよね?
石脇 いやいやもうちょっと。
大河原 仲が悪いからさ、嫌がることないんだよ。
石脇 二人が本当に若くいらっしゃるので、ご一緒させていただけたらなと。
富野 大河原さんのコーナーにいたら、もうちょっと、大人の言葉遣いをしなくちゃいけないことに今気が付いた。ということでは、大河原さんはとりえがありましてね、この人あんまり利口じゃないんですよ。利口じゃないのはどういう事かというと、デザインのコンセプト、40年間変わんない。だから変わらない分には馬鹿なの。ところがさっきの若い人の話なの。職を手に入れた大河原デザインのコンセプトは若くすることはできないんです。維持することしか出来なかった。クリエイターの肩書きが許せるお前っていう。もの凄く「大河原汚いことやってる」っていう。4、50年前に手にいれたことを今日までやってきている。お前ズルいよね。
大河原 でもね、たまたまこの業界にやってきたんでね。その辺は許してもらわないと。
富野 っていうのはそれは大人の言葉です。だけどやっぱりうらやましいと思うと同時に、逆に自分のスキル。死ぬまでその時その時、時代に合う仕事ができるようにするにはどうすればいいのか。やはり大事なのは「初心忘れるべからず」で。子供の頃の教育内容が意外に一人の人間を生きさせてくれる。ですので、もの凄い大事な話をします。時代に合わせていこう、時代に合わせていこう、時代に合わせていこう、っていうことは一見ビジネスに見えるんだけども。70歳で今の30歳20歳の時代に合わせられるか? 合わせられる訳ないじゃん。だから、若いときのある「コア」な部分ってのは絶対に忘れちゃいけない。とても大事なの。大河原さんが一つのセンスで優れていたのは、自分の好みを出さなかった。大河原デザインのコアは、芯はあるけれども。あれもこれもどれも全部やった。?からガンダムの乗り物まで、好みが出たら全部やるか? ジャンルに拘らずに、広く仕事を…。
石脇 そろそろサイン会です(会場笑)。
富野 だからさっき止めようって。
大河原 あんたの絵は鈍感だから嫌いだって、ずーっと面と向かって言われ続けてるんで。そういう関係だと思って。言われればやりますよ。
富野 それは逆に言えば仕事を見れば分かるでしょ? そういうことを考えれば……これだ、そうそう、僕男嫌いだ、女の方が好きだもん。失礼しました。
石脇 監督、ありがとうございました(会場拍手)。

かなりテキトーな感じですいません。間違い多々あるので、ご指摘いただければ。