映画感染Vol.3 富野由悠季コメント

カンノヨーコという娘

クラクフの町を、ベレー帽をかぶりランドセルを背負った黒っぽい娘が、勢いよく歩いている。正面から見たスペースの大きな顔にキンと大きな目が光っていた。何者が!? 何でこんなところにいるんだ、とわからなかった第一印象が今日まで続いていて、あのゴッタ煮のままの印象が、彼女の持ち込んでくる音楽全てに盛り込まれているから、発注する意味などはない。それでいて、こちらの勘所を見抜いてくれるので、何の心配もしないで待っているだけなのだが、心の幅を広く持っていないと絶望を喚起するような攻め方をしてくるので、困ることは困る、けど、想像以上に手が早いマメさもあって、愛してしまう。

菅野よう子インタビュー ∀ガンダム言及分

あれ凄い深いんです。長いから全部見て下さいとはとても言えないですけど。素晴らしく懐の深い話で。ストーリーの大きい流れは素晴らしいし、なかなか骨太な話で。映画になった時はぜひ。私もあの作品はもうちょっと何とかしたいなと。一生懸命やっただけに、皆あれの良さを分かっていながらもはがゆい所があってどうしたら皆に伝えられるのかって。ピタッと全員の呼吸が合えば、凄くイイ物が出来ると思うんですけど。ただこのまま埋もれさせるには惜しすぎる。手を付けたんだからもうちょっと最後まで行こうぜって、何とかしたいと思ってる作品です。
――富野監督から音楽に対しての注文はないんですか?
あの人はもう、話してるとお父さんみたいな(笑)。変に音楽に詳しくて、ショスタコビッチとかその辺のレコード聞いてるけど、それ以外は知らなかったり。ま、普通のその辺のおやじ。だから「この音はお腹にズシンと来た!」もしくは「来ない」かしかない。理屈じゃないんで「来たー!」って所にパスッと入れるしか。しかも戦闘物で、あの歳のおやじさんをパスッと来させるように持って来るのは一番難しいですね。
――この話は最近には珍しく一年間の作品ですが、他のに比べて作曲数は多かったんですか?
大河ドラマみたいなもんですから。成長によって変わっていくし。放映中にもどんどん増やして最終回前日までやってました。他のもそうですけどぎりぎりまでやらせてくれる限りは、やりたくなっちゃうんですよ。おまけにビデオにする時直しちゃったり。やっぱりこっちも思い入れあるし、スタッフのがんばりも見てるので、適当には出来ない。それはお互い様。

他にもビバップやCM曲にも言及しているので、オススメ。