週刊トロ・ステーション 第16号

古橋監督インタビュー

古橋「初めまして、古橋一浩です」
クロ「古橋監督は、ガンダムUCの監督を務めてるのみャ」
トロ「エライ人ですニャ」
クロ「今回のアニメ化だけど…ぶっちゃけ10冊もある小説の内容を全部網羅できるのかみャ?」
トロ「クロが読んでるの見たら、けっこう厚い本だったニャ〜」
古橋「物量的には1/4にしないといけいのですが…シェイプアップして小説の半分くらいは消化したいです」
クロ「それでもアニメ6話分に収めるには、しんどい物量だよみャ〜」
古橋「脇キャラの出番やシーンは、かなり無くなりますが…大筋はそのまま追っていく形になります」
クロ「言われてみれば、第1話は、小説2冊分をうまくまとめて消化してたから…今のスタイルでいけば、うまくまとまりそうだみャ」
トロ「じゃあトロは、アニメを見れば小説を読んだ気になれるのニャ」
クロ「軟弱者ー!」
古橋「でもダカールはニュース映像的にチラ見せかも…」
クロ「…た、たしかにどこかを諦めないと話を追うだけになっちゃうもんみャ。でも、せめてシャンブロだけはチラっとでも映してほしいみャ」
トロ「トロ、なに言ってるか全然わからにゃい〜」
クロ「あとでダカールのところとか小説を読んでやるから、今はガマンするみャ」
トロ「…うん」
古橋「それはさておき古橋監督はガンダム初挑戦でプレッシャーとか感じてるのかみャ?」
古橋「メカ物すらやった事がなかったので、超たいへんです!」
トロ「にゃんですと!」
古橋「カットによってはキャラやメカ、モニターの表示など専門の人がそれぞれ作り込むので手間が3倍、いや3乗ぐらいになっている感覚です」
クロ「3乗って、どんだけ大変なのみャ〜」
古橋「専門の人の考え方やセンスを勉強しながら、プレッシャーと戦う毎日です」
トロ「カントクみたいなエライ人でもお勉強のまいにちなのニャ〜」
クロ「でも、それがあのクオリティを支えているんだみャ〜」
トロ「ズバリ、古橋カントクのイチオシはどのへんですニャ?」
古橋「では見過ごしがちな所をお話いたします。戦争物の側面も大きいガンダムで、痛みを伴った表現を忘れたくないというのがあって、でも、人間が無残に死ぬ場面は最小限にしなければドラマにならないので、モビルスーツの壊れ方で、少しでも感じてもらえればと工夫してみました」
クロ「ちなみにこのザクは、1年戦争の資料として劇中で展示されてるのみャ」
トロ「これじゃあ中の人はイタタタタにゃの〜」
クロ「モビルスーツ戦を見てて思ったケド…簡単に爆発しないで、壊れていく過程が描かれる様は…古橋監督の狙い通りの効果が出てたよみャ〜」
トロ「トロにはムズカシイ世界なのニャ」
クロ「じゃあ最後にガンダムファンへメッセージをお願いみャ」
古橋「世の中、不況でつらい時に応援して下さいとお願いするのは心苦しいですが、この作品がみなさんの励みになることを祈って作っています。未来につながる評価をいただけるように頑張りますので、よろしくお願い致します」
トロ「トロも、おうえんしますニャ〜」
クロ「永く語られる作品に絶対なるって、オレっちが太鼓判を押すみャ。だからスタッフロールにスーパーバイザーとして載せておいてみャ」
トロ「そんなネコ修正しますニャ。古橋カントク、今日はどうもありがとうですニャ」
古橋「えっと…実は私、トロのファンなのです」
クロ「なんだってー!」
古橋「昔、連作のショートアニメを作ろうと思っていました。トロが日本中を旅して成長しつつ人々を癒す内容で!」
トロ「トロ、すごくうれしいの」
クロ「トロばっかり、ズルイみャ〜」
古橋「トロ、最高ニャ〜〜」
トロ「古橋カントクもまったくも〜ってくらいステキにゃの〜」
クロ「このオレっちが出し抜かれるとは…この痛みはサインをもらわないと消えそうにないみャ!」
トロ「サイン、ちょ〜だ〜いちょ〜だ〜い」
クロ「古橋監督のサインくれるまで帰さないみャ〜」
古橋「いいですニャ〜」
トロ「やった〜」
クロ「サイン、ありがとうみャ」
トロ「また遊びに来てくださいニャ
クロ「2話目以降も期待してるからみャ」
トロ「バイバ〜イ」

福井インタビュー

福井「福井晴敏だ、よろしくな」
トロ「福井さんは、ナニしてる人にゃの?」
クロ「堕ちろ! ええい! SCEの白ネコはバカモノかー。福井先生は大ヒット飛ばしまくりの小説家なのみャ」
トロ「賞とっちゃうスゴイ人なのニャ〜」
クロ「そんな福井先生にとって、ガンダムは何なのかみャ?」
福井「義務教育、だな、おれたちくらいのオッサンにとっては」
クロ「福井先生かっけー! これは分かるみャ〜」
トロ「福井先生は、ガンダム大好きっ子なのニャ〜」
クロ「さてさて、新たな宇宙世紀ガンダムを小説からスタートさせた福井先生だけど…今回のアニメ化で、小説の内容がどこまで反映できるか、気になってるんじゃね?」
福井「心配は無用。なんたって、今回の一話だけですでにニ巻分を消化してるからね」
トロ「それを聞いて安心しましたニャ〜」
福井「この調子でいけば大丈夫…大丈夫なはず。大丈夫にせねば…」
クロ「このプレッシャー…さすがプロジェクト全体に関わってるだけあるみャ」
トロ「でも古橋カントクといっしょになら、きっと大丈夫ですニャ」
クロ「オレっちも、支援するしみゃ。なんてったって、宇宙世紀ガンダムの世界が大好きなファンは必見の作品だからみャ。特に『逆襲のシャア』から久しぶりのファンは、この作品を見ることで…青春を取り戻せるに違いないし! ガンダムファンの力で後押しするのみャ!」
トロ「みんなでおうえんするのニャ〜」
福井「ネコどもがなかなか気のきいたことを言ってくれてるが、然りその通り。リアルタイムで十代を共に過ごした年長のファンはもちろん、今世紀に入って初めてガンダムを知ったヤングたちにも…それぞれ響くポイントがあると思うので、絶対に見るべし。あと先が気になったらガマンしないで小説を読むべし」
トロ「でもトロは文字が多いと眠くなっちゃうの」
クロ「眠らなければどうということはない! ギャル萌えのオレっちが、ジンネマンやダグサみたいな中年に熱くなれるのが福井作品の醍醐味だと思うし、920エコーズとか砲雷科とか、細かいところでダイスや海自の匂いがプンプンして、組織に従属する人間の描写や政治が呪縛を生み出すところとか真のガンダムでありながら紛れもない福井晴敏シリーズであるこの作品は、イージスやローレライ好きにも絶対読んで欲しいのみャ!」
トロ「クロ、まにあっくすぎニャ」
福井「本当に濃いな、クロ…」
クロ「ほめられちゃった」
福井「でもまぁ、小説を読む年代とガンダム世代がかぶってきているのは確かなので…今回は「ガンダムだから」という理由で遠慮したりした部分はまったくない」
クロ「大人が楽しめる骨太の小説だよみャ」
福井「子供の頃にガンダムから受け取ったメッセージをいまや大人になった我々がどう受け止め、明日からの人生に活かすか…それをまっすぐ追求した作品なので、ぜひそれぞれの中で考えてみてほしい。きっとそこには忘れかけていた『熱』や『可能性』があるはずだから」
クロ「しみるみャ〜」
トロ「むずかしくてよくわからなかったケド、かっこよさは伝わりましたニャ」
クロ「これはもう、ねだらずにはいられないみャ」
トロ「サイン、ちょ〜だ〜いちょ〜だ〜い」
クロ「福井先生のサイン、ちょ〜だ〜い」
福井「いいだろう。心して受け取れ」
トロ「サ〜 ニャ〜 サ〜」
トロ「サイン、ありがとうですニャ」
クロ「これからもオッサン燃えの小説を書き続けてみャ」
トロ「バイバ〜イ」