悠太のアニコミミックス ろぐいん 13年8月24日放送分 ゲスト近藤和久

佐々木:近藤さんがガンダムで一番イメージするのはZとかその辺なんでしょうか?
近藤:まぁデビューしたのがZのあたりなんでね。まぁあれは苦労しましたよね。
佐々木:具体的には?
近藤:MSが変形しますからね。
佐々木:(笑)
近藤:漫画も変形させないかん訳ですよ、要は。プロセスを書かなきゃいけない訳でしょ。ロボットからいきなりね、飛行形態にしちゃいけない訳じゃないですか。そのプロセスをコマ割して書いていく訳ですよ。その苦労たるや(笑)。
佐々木:(笑)。漫画ですから、一応動いていく体を書かなきゃいけない訳ですからね。
近藤:そう。で、こうなりましたと。そりゃお話としては、ちょっとね。
佐々木:突然飛行機になったらあかん訳ですからね。
近藤:あかん訳ですよ、それは。不親切ですからね。そういうのをやってたんですよ、僕なんかは。だから人気を保てたと思ってますけどね。懇切丁寧にメカを描いているってことで。
佐々木:たまにネットで見させていただいているんですけど、近藤和久さんの絵って凄く特徴あるよね、とよく書かれているのを見るんですけど。
近藤:あ、ほんと。ちょっとパソコンやらないんで……。
佐々木:(笑)。
近藤:パソコン・ケータイ持ってないんで見れないんですけどね、僕は。
佐々木:パソコン、ケータイ持っておられないんですね。アナログチック……。
近藤:仕事からするとメカに触れてるかと思うととんでもない、ローテクでやってますからね。
佐々木:メカは最新兵器であるにも関わらず、何故か描いているところは手書きのペンで。
近藤:そうですね。
佐々木:オマケに郵便局で送られて……言っていいのかな。
近藤:宅配ですね。黒い猫ちゃんで。
佐々木:(笑)。凄いものが送られているんですね。
近藤:まぁ言ってみればね。
佐々木:例えばMS一体描くのに、時間的にはどのくらい掛かるもんですか?
近藤:いやぁコマの大きさとか、戦って絡んでいるシーンとか色々あるから一概には言えませんけど、やっぱ数時間掛けますね。結局箱の形をしている訳じゃないですか。立体物の形をしてるんで、絵を描く人なら分かるんですけど、パースと言って、遠くになるほどどんどん小さくなるじゃないですか。結局立体的に描くにはそうしなきゃいけないんですよ。そういう風にガンダムを描かなくちゃいけないんですよ。絡んでいるとそれの連続体みたいなもんですよ。だから絵を描いているというより、製図を起こしている様な感じ。
佐々木:思うに普通のイラストを描いている方と全然イメージが違う。
近藤:違いますね。
佐々木:背景画に近い部分もあるんですかね?
近藤:うーん、自然物じゃなくて人工物ですね、言ってみれば。複雑な人工物。
佐々木:僕は描けないですよ。
近藤:いや、描けられたら困ります。こっちは商売。
佐々木:近藤さんのお仕事がなくなっちゃう、失礼しました。
近藤:いえいえ。
佐々木:色んな交友関係がある訳じゃないですか。言える範疇で、この人はこんな風だ、これ聞いてもいいのかな。面白いよーみたいな。
近藤:僕ね、富野さんと初めて会った時に、ヘッドロックされちゃいました。「この野郎」って。
佐々木:えー、何でですか?
近藤:叱られてるのかなと、人に話を聞いたら、「それは愛情表現だ」って後で話を聞きましたけどね。ちょっと変わってますよね(笑)。
佐々木:いわゆるこの業界にありがちな方ですね。
近藤:そうですね。あと懇意にしてもらってるのはメカデザインの山根(公利)君。たまに遊びに来ますからね。
佐々木:いんですか、言っちゃって。
近藤:わかんないでしょ。
佐々木:今後どんな形で仕事を進めていかれる形で?
近藤:いやー、僕も先が見えてないんですけどね。とりあえず仕事がある以上、連載を続けていきたいのはやまやまですね。立体物を何らかの形で紹介したり、雑誌で展開出来れば、それはそれで嬉しいなと思いますけどね。

無期限の配信なので、あまり意味はないけど一応。
ヘッドロックの話は見た記憶がある。