機動戦士ガンダムUC episode1 パンフレット

福井晴敏コメント

「たかがロボットアニメ」でもストーリーが語れる、ドラマも作れる、と世間に仕掛けてみせたのが「機動戦士ガンダム」でした。
現在の日本製アニメは、等しくその影響下にあります。それはもう子供のためのものだけではなく、海外からも注目される新たな表現媒体に成長しましたが、ではそこに豊穣かつ自由な物作り空気があるかと問われれば、残念ながらノーと言わざるを得ません。
アニメを見るのは大人ではなくオタク。間違いなく商材を買ってくれる彼らのために、美少女を出せ、お色気と派手なバトルを用意しろ……と、これはかつてロボットの玩具を売るためにロボットアニメが作られていたのと同じ構造です。いや、制約の多さという点では、状況はむしろ悪化していると言っていいでしょう。
ガンダムが誕生して、三十年あまり。そのタイトルを引き継ぐに当たって、我々はやはり仕掛けていかねばなりませんでした。
今という状況に対して、物を作る事の矜持にかけて。さて、結果は――。

古橋一浩コメント

私は巨大ロボットものの演出は初めてです。近いものなら人間大の人型メカ作品を一回だけ絵コンテのみお手伝いした事が。鎧の感覚なのでキャラとして扱いました。さてガンダムはキャラでしょうか、兵器でしょうか。それによって描き方も違ってくるのでしょうが、困った事に両方なのですね、ユニコーンに限らず全てのモビルスーツが。時に汎用兵器、時にそれを越えた魅力有るキャラ。そういうメカ達だからこそ、ガンプラというジャンルが産まれたのだと考えます。それを今回はどう表現していくのか、ハードルは高いです。他にも課題は有ります。上下のない宇宙や無重力空間のらしさ、慣性や遠心力などの目に見えない力、メカ物では省略されがちな生身の身体運動感覚、SF的なセンス・オブ・ワンダー、台詞にならない心情や意識、これらの表現に力を与える事です。お金のかかったCGアニメに勝る魅力が一つでも手に入れられれば、作る意味、意義があると心得ています。

コンテの手伝いとは、「紅いハヤテ」第2話?
ラストの一文、言いたいことは理解できるし共感もするが、一部3DCGを使っている以上、その発言はどうかと思う(過去の発言での3DCGを使う事情も理解できるのに)。個人的に、今作では3DCGがどうしても浮いて見える。モニター等2DCGの出来が良いだけに顕著。もうちょい画面に馴染ませる努力をして欲しい。非常に勿体無い。

その他

  • 宇宙世紀年表掲載。アニメ版においてもTV版Zルートであることが明らかになった。
  • 第一次ネオジオン戦争を「ハマーン戦争」と表記。UCではこの表記を貫いている。第二次は「シャアの反乱」表記。「叛乱」じゃないのね。
  • 年表に「MS-06C ザクII」の文字。C型公式設定化。対してGPシリーズの表記がこれまでと違い、78とGPの間にハイフンが入る。
  • 年表に「ルウム戦没」の誤植。どうやったら間違うんだ…。
  • エコーズ920隊の名称はアニメ版でも健在。
  • アニメ版シナンジュ初公開。