富野監督と考える日本アニメ映画の新時代 メモ

Gレコ劇場版

現実的に進行している部分は秘密でもなんでもないので言います。一本目は映画の尺が1時間40分くらいの尺のものが今進行してますし、2本目も一応制作許可が出ました。が、1本目が観客が動員しなければなしです。それが現実ですから。それがリアリズムに腹をたてている(会場笑)。3ヶ月くらいかけて東宝が「まぁこんなものかな。君の名は。の20分の1も行かねぇんだよねぇ」って言われても、1/20、1/30行けば2本目作れますんで。協力していただければと思います(会場笑)。
(中略)
Gレコの中で本当にもう、背景の連中とCGの連中がバカで。今の人工衛星の映像持ってくるから、夜のシーン、ライトがいっぱい点いているわけ。人類が絶滅したかもしれなかったんだからライト消せ!って。

劇場版1のシーンか?

大まかな内容

  • アニメはほとんど見ない。仕事関係でたまに
  • 会場に若い人がいなくて言葉が詰まる。
  • この世界の片隅に」「君の名は。」あと一応「ひるね姫」もいれてもいいか。ヒットしたかは関係ないし、全部が全部良い作品とも思っていない。共通点は、リアリティで一歩先を行っている「地続き感」。我々が今観て理解できる。
  • 君の名は。」は「転校生」のパクり感はあるが関係ない。東宝の新海監督への指揮が見える。ああいう音楽を乗っけるのは上手。
  • この世界の片隅に」は原作が何故かずっとスタジオに置いてあった。嫌なタイトルだと思っていた、読みづらいまんが。僕は大好きです。他のこうの作品を読む気はありません。
  • ひるね姫」はこうまで道具を使うことを見せてくれた。組み合わせ論であり評価ではない。実は半分分からない。
  • 3作品の全部絵空事ではないリアリズムは「アニメ」と切り取って良いものではない。「片隅」は10分でアニメ感がなくなった。「ひるね姫」は構造的にはリアリズム。「君の名は。」は物語の構造はかなり下手。
  • 君の名は。」の共感性が、急進的な中国でヒットした理由ではないか。
  • ひるね姫」は「片隅」ほどの汎用性はない。「サピエンス全史」で、霊長類が霊長類足り得るのは、虚構を信じることができる(宗教)とある。それをなぞっているのではないか(夢を信じる)。
  • 「片隅」の特異性、近代の時代性をこれだけ描いたのは日本映画史上初ではないか。こうのさんの文学志向、片渕さんのファンタジー志向が現れているし、ロケハンしました程度ではない関西の空気感が現れている。でもBGの一枚一枚は腹が立つほど下手。実写の監督では絶対作為が出て来る。こうの絵でリアルに見えるのは観客が咀嚼しているから。実写では「よく集めたねぇ」って寄せ集め感が出てしまう弱点が見える。
  • アニメ第一世代にトミノがいたと思い出してくれるとありがたい。映画になるアニメを作っていたつもりだったが、第二世代ではなかったのが悔しい。ガンダムは映画的技法がなければ作れなかったが、「映画」ではなく「アニメ映画」と言われてきた、悔しい。
  • ゴジラは本当に当時いやだった。構成素材が下手。モスラまでは我慢して見た。モスラの羽が動いていないことを超音速として、「こういう汚い手があるんだ」と思った。
  • ルーカスとキャメロン以前の実写監督にはロケット好きがいないからちゃち。SWとアバターは革新的。それには彼らの子供時代のフラストレーションがある。
  • SWep4当時、ガンダムの企画をやっていた。一年遅れで本当に悔しい。映画的精神では負けていないと思った。ライトセイバーのつばぜり合いは、火花で溶ける、即死すると思っていた(がそういう画になっていない)。でも許しちゃう。芸能ってのはあんなもの。リアリズムを追及する必要はない。
  • 映画的表現とは、物語の躍動感を持てる(魔法など)こと、圧倒的な物量を投入できること。今の映画人全般が忘れている。デジタル技術論と物量は関係ない。NHK大河の鳥瞰CGとかね。NHKの悪口じゃないよ。
  • 新しいものを作る必要はない。歌舞伎など芸能は繰り返し。ちんけなものである必要はない。ガンダムは時代劇、新規なものを目指すと作家性が出る。Gレコは芸能嫌いだからガンダムじゃない。
  • 3/7の読売文化欄に日本アカデミー協会会長のコメントがあった。それまでアニメを映画と理解できていない集団だったのが分かる。
  • 作品を研究してあたらしいものを作れるか、作れないだろう。
  • 現在はゆるキャラ、CM動画、アニメ的映像が氾濫していて一般化している。これらの影響が強いのではないか。リアルにものを考える力が劣化しているのではないか。今のストーカーする国会議員とか。このタイミングで先の3作が何故か発表されている。狙ったのではないだろうがアニメ業界の方がリアリズムの勘を持っているのでは。
  • アニメの方が好きに作れるからこそ、性能を使ってドラマ的に作れるのではないか。
  • 舞台は変化を瞬時に見せるのが難しい。映画はライブ感が難しいが物量を見せられる。
  • 最近の監督は映画に対して自分の想いをぶつけすぎて狭い作りになってしまっている。
  • SWep7の物量はこんなもん。まぁ頑張ってる。ep4は砂漠とロケットの組み合わせが映画史上初ではないか。異質なものの組み合わせ論
  • Romics授賞式にイタリア文部大臣が来てたがあれはあまり楽しくなかった。コミケ的なものに権威が来てどうする。
  • 「(けものフレンズはご覧になりましたか?)知るわけないでしょう!」(説明受けて)今後3DCG作品を作ることはおそらくしないでしょう。いろいろ口出ししたくなるけど体力的に無理でしょう。(質問者は)若いんだから(けものフレンズは)1年我慢して、2、3年後に評価しましょう。
  • (後悔したことは?)あらゆる仕事で全部後悔がついて回ってるのが本当のところです。しない人はかなり鈍いので現場からは消えてほしい。
  • (第一世代と第二世代のどちらを若い子に進めるべきか?)比較論はない。死なない様に生きるしかない。無責任なのもわかっている。時代性、歴史をしるのが重要。
  • 時代劇とは、チャンバラが成立すること。少しカメラを引くと二人が入る。そうすると劇が成立する。ミサイル戦はドラマにならない。
  • 人類が痩せるのに500年かからないのでは。
  • ムーミン的な企画、打倒キティちゃん的な企画を出したがサンライズは即却下。
  • 鈴木敏夫との絶縁は小説中のカウチを知っているかどうか。
  • 太陽光パネルの景色は気持ちの良いものではない。衛星軌道上なら賛成。
  • ハルマゲドンを子供たちはあんまり好きじゃないからGレコはあっけらかんとしている。Gレコの描写に変だと思う1万人に一人に期待している。
  • 観光地に外人を呼べばいいという商業主義にはヘドが出る。
  • 先日行ったポンペイも人が多すぎて遺跡が見られない。こんなに整備されていていいのか。住民のいない観光だけの街でいいのか。そういうことに気付く子供に期待している。
  • 政治的施策ができないからGレコを作った。
  • 効率を求めすぎるとバカになる。でもウーバーは便利だよね(小声)。
  • 銃剣道について(たぶんあまり調べていない突っ込みどころのある話)
  • ひとつの価値論だけで行くとしっぺ返しが来る。