サンライズフェスティバル2010夏 パンフレット

スペシャル対談 サンライズ、仕事の流儀

時間が無いので気になったとこだけ。

高橋 当時の僕と富野さんの関係を思い出すと、今でも印象的な出来事があったのよ。「ダグラム」が視聴率10%超えて、プラモデルも売れてヒットしたってことで、次回作を考えろということになった時のこと。僕は全然砲方向の違うギャグものをやりたくて考えたけど会社には軽くいなされて(苦笑)、リアルロボットものの企画を考えることになった。いろいろ迷ったけど企画を2つに絞ったの。一つはロデオ競技を描いた「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」みたいに、戦争終了後のパイロットが見せ物の戦闘をやって転戦していく話。もう一つは、もうちょっと「ガンダム」を意識したような、若者たちの群像劇。ちょうど喫茶店で絵コンテを描いてる富野さんと会って、「この企画、どっちがいい?」って聞いたら、迷わず「こっちっ!」って、パイロットが転戦していくほうを選んで、言うまでもなく、それが今の「装甲騎兵ボトムズ」になったの。
富野 ええっ、全然覚えてない(笑)。
高橋 覚えてないと思うよ(笑)。でも「こっちっ!」という時の、「応援してやる」でもなければ「潰す」でもない、その率直な一言を僕に言ってくれるが、富野さんらしいなと思った。

でも普通に考えたら、御禿が後者を選ぶとは思えない。いや、内容次第ではあるけども。

――ロボットアニメ、サンライズの未来についてどんな意見をお持ちですか?
富野 未来については年寄りに聞くべきことではないでしょう。10年後には僕はもう生きていませんから。
高橋 それはないでしょう。言うじゃない? なんとかっ子、世に憚るって(笑)。
富野 (笑)でも年寄りに願望なんてないです。
高橋 うん、僕もなし(笑)。自分としてやりたい仕事はあって、2〜3念以内には正体不明の凶暴な強さを持ったロボットを主軸にした40分ほどの作品を送り出す予定です。たぶんプロデューサー的な関わりになりますが。それでも、なにが未来に向けて必要なのかは難しいよね。
富野 少なくともアニメ業界周辺にはそういう新しい才能はない。もしいるとしたら、アニメに触れていない、10代の誰かではないかという期待があるんだけれど…。

がっちり監督業をした、非ボトムズな良輔次回作を観たかった。